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本編(今宵)
3


―――


ほら、何時もの事じゃないか。

なのになんで何時もより、こんなに胸が痛いんだろう。


「陸っー!お待たせ、早く帰ろう!」

「っ、はーい」

陸は窓から離れると急いで鞄を持ち、ドアで待っている昴の元へと走って行った。

「何んかあったの?」

「えっ?何で?」

廊下を歩き出した昴は陸へと問いかける。

「何か見てただろ?」

「暇だったから、ちょっと眺めてただけ」

「ごめん、待たせちゃって」

陸の暇だったと言う言葉に昴は謝罪する。

「あ、いや、そんなつもりで言ったんじゃないの」

陸は慌てて訂正する。

「そう言えば、先生何の用事だったの?」

陸はふと思い出した様に、昴が帰る間際に先生に呼ばれた理由を聞いた。

「っ……、只の雑用。居眠り少し位したくらいでさっ」

昴は微かに肩を不自然にビクリと揺らしたが、先程の映像が頭から中々離れない陸はそんな昴の反応に気付く筈もなかった。


「それは昴が悪いんでしょ!居眠りされたら先生だって怒っちゃうよ」

クスクスと笑いながら言う陸に、昴は少し複雑そうに笑っていた。

「だよな、もう絶対寝たりしない」


そんな風に言いながらも、きっと自分はまた居眠りをするのだろう。

昴はそんな事を考えながら、別の話題へと話を代えたのだった。

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あきゅろす。
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