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君のすべてを知りたくて・2*

ゆっくりと引き抜かれていく指を引き止めるように締め付ける腸壁と、普段は熱を感じさせない白い肌が桜色に染まり、ビクビクと震えるその身体に幸村は今にも自らの熱を押し込んでやりたい気持ちを必死にこらえる。お抱えの忍びからもらった軟膏にはどうやら媚薬としての効果もあったらしく、最初こそ抵抗の強かった政宗の秘所も、今となっては幸村の指を拒むことはなくなっている。あまり辛い思いをさせたくはなかったので、じっくり慣らしてからことに及ぼうと思っていた幸村であったが、この様子では思ったよりも早く身を埋めることができそうだ。

「指、もう一本増やすからなー」

強い快楽にすっかり思考を奪われているのか、息を切らしぼおっとした政宗が幸村の声に応じることは無い。

「あっ、・・・くっ・・・うん、ん・・・・」

たっぷり塗り込んだ薬と政宗が吐き出した精液がぐちゃぐちゃといやらしい音を響かせる。すっかり弛緩した蕾と、そろそろ限界の己の状態に、幸村がこれ以上の我慢をする理由はなかった。
水分と熱ですっかりふやけた指を引き抜き、張りつめた熱を代わりに押しあてる。欲望のまま強引に押し入るのを理性で抑え、慣らしたとはいえ、男の欲望を未だ受け入れたことの無い政宗を気遣い、幸村はゆっくり、ゆっくりと腰を進めた。
自慢ではないが、幸村は自分の持ち物の大きさには自信があった。元々、男を受け入れる為にできている女を抱くとき、それはかなりの高確率で喜ばれたのだが、今押し入っているのは本来異物を受け入れない器官だ。次第に苦痛の表情を浮かべる政宗に、申し訳が無い気持ちが生まれてくる。もう少し小さけりゃなぁ・・・そんなことも思ってしまうのだが、しかし身体は愛しい人と一つになる喜びを素直に受け止めてしまい、熱はその質量を増すばかりだ。
時間をかけ、ようやく全て埋まると互いにため息が漏れる。

「痛いか?」
「・・・・変な、感じだ。気持ちいいのに、居心地が悪い・・・・」

それにすごく熱い、と語る政宗は、確かに幸村よりも発汗していた。おそらく潤滑剤に使った薬の作用だろう。痛みは消えてくれているようだが、慣れない異物感に不快は隠せないようだ。しかし、しっかり快楽は拾ってしまう。困惑してしまうのも無理は無いかもしれない。
体勢を密着する姿勢に持っていき、けだるげな政宗の腕を自らの背中にまわさせる。自然と、至近距離になった視線に互いに気恥ずかしくなる。

「辛けりゃ爪たててもかまわねぇから」

動き始めた熱は、次第に政宗の熱と混じりあい、あとは二人は乱れていくだけだった。





政宗が目覚めたのは、光取りの障子がはめられた窓が青白く透けている頃だった。
けだるい身体と下半身の鈍痛に頬を染める。隣を見やると幸村も起床していた。しかし政宗よりは早く目が覚めていたようで、何もまとっていない古傷だらけの鍛えられた上半身を起こしている。
自然と、視界に入る幸村の背中に真新しい傷が見えた。そういえばかきむしるように背中に腕をまわしてしまったなと、いたわるように傷に手を伸ばせば、政宗の覚醒を知ったのか幸村が視線を寄越した。

「・・・あー、つらくねぇか?」

少し、乱暴にしすぎた。と申し訳無さそうに幸村は呟く。無骨な指が伸びて来て、政宗の黒髪を撫でた。この指が、昨夜自分を翻弄させたのだと情事を思い出してしまい、再び身体に熱が舞い戻ってくる。
潤滑剤に使われた軟膏に、何か入っていると気がついたのは一度絶頂を迎えてからだった。大きな質量を銜え込まされているのに痛みを感じず、さらに一回精を放っただけでは収まらない熱は流石に政宗も違和感を覚えた。結局、休み無しに3回。その後少し休んで1回して意識がブラックアウトした。いい加減、これだけすれば薬の効果も切れただろうと思っていたが、どうやらまだ名残があるらしくちょっとした刺激で性欲がふくれあがっていく感覚に、戸惑いを隠しきれない。
幸村の問いに、大丈夫だと答えて熱をやり過ごそうと政宗は布団に深く潜り込んだ。こんな状態であることを知られたくなく、幸村に背を向けようと寝返りをうとうとしたが、昨夜幸村を迎え入れた秘部からぬるりとした液体が漏れ出てくる感覚に動きを止める。

「おい、本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ!いいから俺にかまうなっ!」

頬を真っ赤に染めながら拒絶の意を表する政宗に、なにか感じるものがあったのだろう。向こう側を向いてしまった政宗の身体を幸村が仰向けさせるのは、とても簡単なことだった。色づいた頬を見られたくない政宗はすぐさま抵抗をしたが、そのまま肩を押さえ付けられてしまえば、そう容易く拘束を解くことは出来ない。

「こんなに色っぽい顔して、なにが大丈夫なんだよ?」

耳元に声と一緒に息を吹きかけられ、背筋を悪寒にも似たものが這い上がってくる感覚を、政宗は目を瞑ってやり過ごした。しかし、その視界を遮断している間に幸村の手は布団の中へと伸び、熱を持ち始めていた政宗自身を容赦なく握られ、思わず声を上げることになった。

「あっ・・・!く、貴様っ」
「ふふっ・・・もう一回しとくか?」

手早く幸村の指は政宗の蕾に伸びており、政宗の拒絶の言葉を無視して侵入を果たした。さんざんに荒らされ濡れているそこは、昨夜あたえられた快楽を覚えているのか、奥へ奥へと招くように幸村の指を飲み込んでいく。一晩で知り尽くした泣き所を責め続け、次第に指を増やしていけば、政宗の抵抗も形だけのものとなった。指を抜き差しするときに、一緒に出てくる白濁色の液体がなんとも卑猥で、幸村は己の唇を舐めた。薬がまだ身体に残っているらしい政宗はともかく、昨夜あれだけ愛したというのにまだ足りないのか幸村の雄も力強く起ち上がっていた。
指を引き抜き政宗の身体をうつぶせにして、挿入しやすい体勢に持っていく。入り口のところで若干の抵抗があったものの、一番太い部分を通過してしまえばあとはずるりと簡単に収まる。

「あ、ああっあぁああぁ・・・あっ・・・!」

震える背中に幸村は違和感を覚え、すぐさまその原因を判明させた。

「背中、見せてくれたな・・・」

昨夜、触れられることすら嫌悪された政宗の背中は、今は幸村の前に何も遮るものが無い状態で晒されていた。筋肉の隆起が美しい白い背中には、疱瘡痕がところどころに点在していた。おうとつさえ感じるほどの病の痕跡は、確かに痛々しいものがあった。
政宗の様子をうかがうと、褥を掴み耐えていた。それは快楽に流されぬためか、幸村に背を見せているためかというところまでは、感じ入ることができなかったが、おそらく後者なんだろうと幸村は予想する。たとえ両方だったとしても、そちらのほうが度合いが強いはずだ。
わざと、痕の上に口づけを落としていけば大きく政宗の背中が跳ねた。

「愛してる・・・愛してるぜ、政宗」

お前は?と訪ねた幸村に、政宗は絶え絶えの息で答えた。

「そんなの・・・こんなこと、許してる時点で察せっ、痴れ者!」

もう少しはっきりとした言葉が欲しかったが、シャイな彼なら仕方ないと、幸村は今日のところはこれで満足することにした。これ以上の言葉は、これから引き出していけばいい。
今は、全てをさらけ出してもらえたことが、幸村はただ嬉しかった。








疱瘡痕はでこぼこになったりするとどっかで聞いた気がするのですが、ちゃんと調べたわけじゃないので違ってたらごめんなさい。
描写が政宗側になったり幸村側になったりころころ不安定で申し訳ないです。一年前に書いたやつに色々書き足した結果こうなりました・・・。むやみに手加えるもんじゃないっすね!


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あきゅろす。
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