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小説
終わりはいつも突然に
夜に隠れた惨状を、止まらぬ炎が炙り出す。
原因不明。轟音の正体は噴出する黒煙。無数の火の粉が火種となり、次々と火柱に姿を変える。歪んだ車体の吐瀉物が焼かれていく。
死因不明――特定不可。圧死。爆死。焼死。窒息死。総じて事故死。想像し得るあらゆる暴力の結果だけが残されていた。
「――」
少年の唇から漏れた意思は言葉にはなれなかった。
その表情から読み取れるものもなく、やがて動かなくなった。
晴永昇、享年十三歳。
最後の夏が全ての始まり。
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