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安息の少女


体が闇に沈んでいく感覚。
意識が何かにもっていかれる、遠くなる。

(……怖い)

想えば想うほど恐怖心は心を支配し、蝕む。
想いとは裏腹に体はどんどん落ちていき、真っ暗な地の底に急降下。
前方は何もなく暗いだけの空間、吐き気がする。
ヒュ、と息を吸うと喉の奥がひやりとした。
自分はこのままどうなってしまうのか、なす術もなく意識を闇に落としてしまうのか。

(冗談じゃない!)

「ヘッド……?」
「…ん、サカナちゃん……?」

声、透き通るようなサカナちゃんの声。
目を開けると無機質な天井が見えた。
横を見ると声がを発した主が心配そうにこちらを見つめている。

「ヘッド、大丈夫…?うなされていたわ」
「うん、大丈夫…」

不安をかき消すようにふわりと微笑んでみせた。
今の俺は上手く笑えているだろうか。

「嘘……ねぇ、どんな夢を見たの?」
「……怖い夢」
「やっぱり怖かった?」
「そうだね…」

眠れない日々ぎ続いてもう何日立つんだろう。
やっと眠れたと思ったら悪夢が呪いのように俺を苦しめる。

「じゃあ私が一緒に寝てあげるわ」
「本当かい?嬉しいな…」
「しかも子守唄つきよ」

くすくすと笑った後彼女は俺のベッドに入り込んで来た。
腕を背中に回してあげるとサカナちゃんからも腕が伸びて来て自然と抱き合う形になる。
こうやって誰かと眠るのは何年ぶりだろう、ひどく安心するのはどうしてだろう。

「おやすみヘッド、今度はいい夢が見られるといいわね」
「そうだね…おやすみサカナちゃん」

おやすみの挨拶をするとサカナちゃんはすぐに静かな寝息を立てはじめる。
正直言って羨ましい。
腕の中の少女を抱きしめ、オレは再び瞼を閉じた。




安息の少女





きっとキミがいるから今度はいい夢が見れるハズ





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ヘドサカ本当可愛い
とりあえずヘッドが寝れるかは知らん(笑)


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