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未来安否


「…猫」
「猫?」
「昨日ね、猫が死んでたんだ」

相も変わらずいきなり話をふってくる、そんなトキオは悲しそうな顔で話はじめた。
話の内容は死んだ猫の話だ。
こいつは猫が好きなのだろうか?早速キャンパスに猫を書き足している。
こんな話をしながらよく描けるものだ。

「寿命だったのかな、よく見ないとわからないような草むらの中で死んでたんだ」
「……お前でもそんな顔をするんだな」
「…意外かい?だって悲しかったから……」

本当に悲しそうでなんだかこちらまで悲しくなってくる。
意外といえばそうかも知れない、けれどいつも無邪気な顔して本心を隠していたトキオがそういった表情も出来るんだ、という嬉しさもある。
悲しそうな顔をしていても絵筆だけはしっかり動かしていて、こちらを向いてはくれない。

「でもね、凄く安らかそうでさ…俺も最後はあんな風だったらいいな、って」
「誰にも見られない場所でひっそりと死にたいのか?」
「そうだね…」
「……本当にそれでいいのか?」
「……え?」

どうしてそんな話をするのか、せめて最後くらい一緒にいてほしいとかないのか。
(俺は一緒にいてやりたいよ)
寂しそうな表情をしたお前も、今の俺にはもう見えないお前の本当も何もかも大丈夫だよと言って抱きしめてしまえたなら。
けれどもそうすることすら臆病になってしまう俺はどうして何もかもから逃げてしまうのか。
本当は逃げたくないハズで、大切にしたいハズなのに考えと感情から動く体は言うことを聞いてくれない。

「リョウスケさん?」
「今から死ぬことなんて考えるな」
「……何故?」

本当に不思議そうなその顔は本心からか偽りか、けれどそれがトキオであることは確かなのだ。

「俺が嫌だからだ」
「…変なリョウスケさん」

優しく頭に手を置き撫でるとくすぐったそうに肩をすくめた。
変でもなんでも構わない、これが今出来る俺の精一杯。










(俺達の未来はまだこれからなんだ)
(未来は変えられるハズだ)




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まだシルシをもらったばかりの時のヘッドとか


あきゅろす。
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