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不機嫌症候群

「……寂しいな」
「一緒にいるじゃないですか」
「それだけで満たされると?」

わがままなレイジさんがどうやら不機嫌なようでいつにも増してわがままだ(そこが愛しいなんて死んでも言えない)
ベッドに深く沈み込んだ細い身体がなんだか今日は酷く疲れきっているようで、マッサージでもしますか?とふざけた声で尋ねたらセクハラ反対と枕を投げつけられた。

「ツキヒコ、お腹が減った」
「はてさて何が食べたい?」
「なんでもいい」
「俺はあなたが食べたいけれど」
「……お腹が減った」
「無視ですか」

相変わらずだるそうにしている彼から俺に対して不機嫌そうな視線が向けられる。
要望にそぐわない反応が気にくわないらしい。

「お腹が減って眠れないんだ」
「いつも眠れないくせに」
「それもそうだ」
「今のレイジさんは随分と不機嫌そうだ」
「さて、誰のせいかな」

わざとらしく名前を呼ぶと眉がくっと寄せられる。
勿論自分のせいなんだろうなと思うがそれはそれで彼を困らせているのが自分というのが気持ちいい。
眉間にこれでもかとしわを寄せている彼の額にキスをひとつ、これで不機嫌がなおるといいのだが。

「何がしたいんだい?」
「不機嫌な代表様の機嫌を良くして差し上げたくございまして」
「ふーん、どんな風によくしてくれるのかな?」

どうやら少しは楽しんでくれているようだ。
そういって舌をペロリと覗かせ怪しく微笑んだ彼の表情の美しいこと!




不機嫌症候群




彼の不機嫌をなおすのが俺の仕事



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あきゅろす。
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