[携帯モード] [URL送信]
わがままな王様


彼が僕の家を訪ねてきた。
部屋まで通してからどうしてなんて理由を聞くと当たり前のように話し出す。

「ねぇ、俺のペンダントを知らないかな?」

やっぱり聞かれると思った!
知ってるもなにも、貴方に会いたいがために僕が奪ったのだから僕が持っているに決まってる。

「知っているよ」
「本当かい?なら、」
「ペンダントについて教える代わりに、条件があるんだ」
「条件?」

と彼が可愛らしく首を傾げてから一気に詰め寄ると今度はベッドに押し倒す。
柔らかいベッドに沈んだ彼の体は抵抗するように僕の手の中で暴れだす。

「やめてくれ…!」
「本当は好きな癖に…いつもいやらしい声をあげているだろう?」
「それは、」

言葉に詰まったようで僕から視線が反らされる。
困ったようにまたこちらを伺う様子を見るとようするに言葉を探しているのだろう。

(さて、どうしてやろうか)

言葉の見つからない彼に、何かを与えようと思って唇にひとつキスを落とす。
僕の思考回路ではこのままめちゃくちゃにしてしまいたい!そんな衝動を押さえ込むのが忙しい。
柔らかい唇へ触れればそんな理性はあっというまに崩れてしまう。

(もっと虐めてやりたい!)

「また抱くのかい」
「さあ、どうしようかな」
「今日は抱かれにきた訳じゃない…」
「わかってる」
「…それで、条件というのは何かな」

そうだ、彼はペンダントを取り戻しに来たのだ。
条件、彼のその言葉でさぁ何にしようと考え思い付くのはブラックなことばかり。

(僕だけのものにしてしまいたい)
(酷く壊してしまいたい)
(もっといろんな貴方を知りたくて仕方ない)
(汚ない部分も綺麗な部分も全部全部)

綺麗なものを汚してしまいたくなるのは人の心理かそれともエゴか、欲望がぐるぐると渦巻きやがて逆らえない感情へと変化する。
それが溢れ出すのは一瞬だ。

「僕のものになればいい」
「何言って…」
「冗談なんかじゃないよ」

鋭い視線を送ると彼の肩がびくんと跳ねる。
後少しで支配出きる!僕の中では歓喜と支配欲とが渦巻いてとんでもなくドロドロしたものが出来上がっている。
彼を支配した後はどうしようか、脳内はもう未来のビジョンを描くので忙しい。





わがまま王様





そうして僕は罪人となる。





.
黒スガタくんっていいよね←


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!