こんなにも苦しいなんて!
なんて酷い夢なんだろう。
手を伸ばしても儚い笑顔は幻のように消えてしまう、もう会話をしたくても出来やしない。
「半兵衛、」
死んでしまった、大好きなあいつが、愛してるなんて恥ずかしい事を言えないまま死んでしまった。
時というのは残酷だ、病というものもまた、残酷だ。
「半兵衛、あんたのお陰で秀吉がさ、天下を取ったよ」
あんたの策のお陰で、あんたの知略のお陰で、あんたの力でだよ、だからいつまでもそんなところで横たわってないで、一緒に喜ぼうよ。
「半兵衛…」
横たわった半兵衛の体は血まみれで、外傷なんてない、病で。
最後まで病に蝕まれて、それでも陣中で死にたがっていた半兵衛。
半兵衛、ここは陣中だよ、あんたが望んだ死に場所だよ。
泣きながら動かない半兵衛に語り掛ける。
恋というのは、残酷だ。
こんなにも
苦しいなんて!
会いたいのに、もう二度と会えないんだね。
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いきなり死ネタかよってね
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