伝えたい終わり
(薫といつまでも一緒にいたら、きっと俺はこいつの優しさに甘えちまう)
「もうさ、終わりにしよう」
「え……?」
ぽつりと亮の口から呟くようにその言葉は紡がれる。
終わりにしよう、その言葉は一番薫が恐れていた言葉。
終わりにしよう、聞きたくなかった言葉。
「ど……して?」
「……、」
「っ、わかった…」
それでも声が徐々に涙声になっていき、端麗な顔は涙でぐちゃぐちゃになっていく。
口ではわかったなんて言ってるけど、心はミシミシと痛々しい悲鳴を上げながら壊れてゆく。
(どうして僕、泣いてるんだろう)
「…ごめん」
「う、うん……」
涙で視界がぼんやりとする。
急に恥ずかしくなって、自分がちっぽけに感じて、気付いたら薫は亮の前から走り出していた。
「薫…!」
ふと声を荒げてはみたけれど勿論止まってはくれなくて、
「………くそっ」
自分の伝えたいこと肝心なことは肝心なときに伝えられない、腹の虫がおさまらなくて近くの壁を強く蹴飛ばした。
何故だかいつもの数倍、足に痛みが伝わった。
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途中でこれはちょっと暗すぎと思った(笑)
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