[携帯モード] [URL送信]
伝えたい終わり

(薫といつまでも一緒にいたら、きっと俺はこいつの優しさに甘えちまう)

「もうさ、終わりにしよう」
「え……?」

ぽつりと亮の口から呟くようにその言葉は紡がれる。
終わりにしよう、その言葉は一番薫が恐れていた言葉。
終わりにしよう、聞きたくなかった言葉。

「ど……して?」
「……、」
「っ、わかった…」

それでも声が徐々に涙声になっていき、端麗な顔は涙でぐちゃぐちゃになっていく。
口ではわかったなんて言ってるけど、心はミシミシと痛々しい悲鳴を上げながら壊れてゆく。

(どうして僕、泣いてるんだろう)

「…ごめん」
「う、うん……」

涙で視界がぼんやりとする。
急に恥ずかしくなって、自分がちっぽけに感じて、気付いたら薫は亮の前から走り出していた。

「薫…!」

ふと声を荒げてはみたけれど勿論止まってはくれなくて、

「………くそっ」

自分の伝えたいこと肝心なことは肝心なときに伝えられない、腹の虫がおさまらなくて近くの壁を強く蹴飛ばした。

何故だかいつもの数倍、足に痛みが伝わった。




.
途中でこれはちょっと暗すぎと思った(笑)


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!