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勇者とつるぎ
なんでもそうだけど、大体の事っていきなり始まるよね。
気分だったからやろうと思ったり、急に人に押し付けられたり。
何かをやるなんて、いつだって直感と閃きなんだね!

(そして僕はいつでも直感で動いてる)


「世界中の全てを敵にまわしても、君の剣になる事を誓うよ」
「世界中の全てを敵にまわしてもあんたの盾になる事を誓う」
「……ふふ、」
「ふ、ははは!」

二人して言い終わった後なんだか急に面白くなってきて、何かのバネが外れたみたいに笑い出す。
だってだって、なんだか可笑しいんだもの!

君が盾で僕が剣。
二つセットであってからこそ勇者になれる?
おとぎ話の勇者様はいつだって勇敢、剣を持って立ち向かって、盾を持って何かを守る。
僕にはそのどっちも出来ないの。

(だって僕が剣だもの)

でも物っていつかは壊れるよね。
剣は欠けるし盾だって壊れる。

「持ち主がいないな?」
「なんの…?」
「剣と盾の、さ」
「そんなの…」

いなくたっていいじゃない!
剣と盾は必ずしも誰かが持たなきゃいけないなんて決まりはないよ?
使ってしまったらたちまち最後、価値なんてなくなっちゃうの。
そりゃあ作られた意味なんてなくなっちゃうかも知れないけれど、誰だって意味もなく持ってる物ってあるよね。
こうして僕らは誰にも使われないまま物置の奥へとしまい込まれて、思い出へと昇華していくんだ。
そしてふとしたきっかけで思い出す。

(そういえば、何かを忘れているような)

「俺は、さ」
「…うん?」
「あんたに持って欲しいよ、盾」
「…剣がなかったら意味がないよ?」
「自分が剣になればいい」
「ちょっと危ないなぁ」
「あんたにさ、ずっと持ってて欲しい、忘れないで欲しい」
「……、」
「どんな鋭い剣からでも、あんたを守れるようになりたい」
「ふふ、守らてばっかりだから?」
「それもあるかな」


勇者とつるぎ




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お互いにお互いを守りたいハセエン
でも出来れば平和でいたい思考のエン様


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