ヒイゼク
室内に鎖の鉄が発する音と、荒っぽい二人ぶんの呼吸、ぐちゅぐちゅとした水音が響き渡る。
それに混じって、途切れることがない、甘く苦しげな嬌声。
あの日から、ヒイロが狂ってしまった日から、ゼクスはずっと監禁されたまま、まるで性奴隷のような生活を強いられていた。
「んぁ、あっ……ああぁ…!」
身体を弓なりにしならせながら射精する。
たとえ自分が射精をしようとも、ヒイロが完全に満足するまではずっと人形のように抱かれ続ける。
強すぎる快楽に、涙が止まらない。
身体はすでに抱かれることに慣れてしまい、些細な愛撫でもすぐに感じるようになってしまった。
ヒイロがどこかに出掛けている間はもっと酷い。
なにもない部屋に鎖で繋がれ、媚薬を飲まされ、射精をしないよう陰茎にリングをはめられる。
自分で達することもできない、ひたすらに快楽漬けの時間。
永遠に終わることのない快楽。
頭など、とうの昔におかしくなっている。
感情などない、快楽の虜となってしまった虚ろな瞳が宙を見つめる。
「ゼクス」
「ふぁ……あ…」
「好きだ」
身体中をまさぐられ、犯され続ける。
まるで玩具で遊ぶ子供のように、ヒイロはずっと彼を求め続ける。
首筋に噛み付くようなキスをしてから、獣のように唇を貪る。
「好きだ……ゼクス」
「んんっ…ん、ぁ、はっ…!」
「好きだと…俺を好きだと……言ってくれないか…」
「っ、…は…ヒ…イロ……好き、…あっ、ぁあ……!」
幸せそうな笑みを浮かべて、勢いよく体内へ欲を解放した。
熱い液体が流れ込んでくる感覚に、ゼクスがぶるりと身震いをする。
とうに身体も精神も限界を向かえているはずなのに、快楽がほしくてほしくて堪らない。
媚薬に侵食された身体が、もっと心地よい感覚がほしいと精神を底無しへ引きずり込む。
身動ぎをして、ベッドのシーツが擦れる、それすら気持ちいい。
「はぁ…ん……」
「とんだ淫乱だな…」
いったい誰のせいでこうなってしまったのか!
誰の声も届かず、助けもこない場所で今日もひたすらに、愛され続ける。
「綺麗だ…ゼクス……」
ヒイロの手が、ゼクスのお腹を愛しむように撫でる。
まるで子供でもいるように、優しく、ゆったりと。
そういえば男性でも恐怖のあまり、想像妊娠してしまうらしいが。
「っ、ぁ……んん…」
「中、たくさん出されて気持ちいいだろ……?」
「はっ…」
「このまま俺の子でも孕めばいいのにな……」
ずぶり、また衝動がゼクスを襲う。
先ほど中に出されたものがぐちゅぐちゅと嫌な音を立てる。
いつまでこんなこと、続くのだろう。
少年は大好きな人を手に入れました
心がどうにもならないことを知ると、支配しようとしました
そうして少年は愛を貪りました
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