泣き虫ごっこ
時間がない。
残された時間が残り少ない、どんなに努力をしても思ったような結果が出てこない、正直焦ってる。
(もっと秀吉の役に立たないと、)
赤と青が混じって空の色が変わっていく、夜がもうすぐ訪れるんだ。
夜は嫌いじゃない。
「半兵衛」
「…君か」
どうして君と出会ってしまったんだろう、どうして君なんか好きになってしまったんだろう。
こんな気持ちを抱かなければ、苦しくなんてならなかったのに。
こんな時代じゃなかったら君に恋を出来たのにね。
「少し休めよ、顔色が良くないぜ」
「…君には関係ない」
君に心配なんてされなくったって、僕は平気だ。
(嘘、平気だなんていい張ってるけど本当は、)
「ねぇ慶次くん」
「ん?」
「君は僕が死んだら泣くかい?」
「…当たり前だろ」
「…嘘」
「嘘じゃない、俺は半兵衛がいなくなったら…」
「やっぱり嘘だ」
君が涙を流すのは僕のためなんかじゃない、僕を失った自分が可哀想で泣くんだ。
人っていつもそう、泣くのはどうせ自分自信のためなんだ。
(そういう僕だってそうかも知れない)
本当は悲しくなんてないくせに、涙なんて欲しくないよ。
(けれど本当に欲しいのは、)
泣き虫ごっこ
(一欠片でも君の心が欲しいだなんて)
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