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ティナとクジャ


最近になって少し自分の考えというものが持てるようになって、ふと気付いた。
私はどうして自分が持てるようになったのか?
いままでケフカの人形だったのに、私はどうしてしまったのだろう。

「…またここにいるのかい?」
「……、」

銀色がふわりと風に靡いた。
クジャ、私と同じカオスの戦士……どうしてだろう、彼を見ていると大切な事を思い出せそうで、出せなそうな…

「…逃げないのかい」
「逃げたって…無駄かも知れない……」
「やってみなくちゃわからないよ?」

どうして私を気にかけてくれるの?
私は結局ケフカの人形なのに、まだ完全な自分を見つけられていないのに。
彼の青い瞳を見ると頭の中に何かが鮮明に浮かんだ。
そうだ、そうだ!彼がケフカの術を、私から解いてくれたんだ!

「あの…ありがとう」
「…何が?」
「貴方が私を助けてくれたんでしょ…?」
「…気のせいだよ」
「気のせいなんかじゃないわ…とにかくありがとう、私貴方のおかげで今こうして話すことが出来る」
「……お礼を言われるのはなかなか恥ずかしいね」

お礼を言われるのに慣れていないのかしら?
彼は照れたように私に背を向け飛び去ってしまった。
私と同じで、きっと貴方も不器用なのね。




あきゅろす。
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