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君を中心とした世界の廻りかた
頭が、身体中が痛い。
目を開くと見えたのは真っ白な天井、天井、天井……?

「……っ、」

違和感、三崎亮はは確かバイクに乗っていて、後ろには七尾志乃がいて、それで目の前から車がいきなり曲がってきて、それで…
(志乃……!?)

勢いをつけて飛び起きようとして、身体中にずきずきとした鋭い痛みを感じてすぐに真っ白なベッドへと沈んでいく。
右手には献血、頭には包帯。

「俺、は…」

そうだ、志乃をデートに誘って、帰り道にバイクの後ろへ乗せて家まで送ろうとさたあの日あの時。
今さらになって、はっきり思い出せる。

夏休みのはじまりの初夏。
事故、交通事故だった。





あれから三週間して、亮は退院する事が出来た。
両親は向かえになんて来てくれなくて、一人で徒歩で自宅へと重い足を運ぶ。
家に帰るとまず、パソコンを起動した。
日付はあの日からだいぶ過ぎていて、高校の夏休みも後一週間とちょっとだ。

「はぁ…」

溜め息をついて、メールを確認する。
後ろに乗っていた志乃、彼女からメールは来てないか、期待してみたりするがやはり来ていない。

(なんで、俺だけ)

いつもやってるネットゲームにも繋いでみたけれどやっぱり志乃はログインしていない。
少しだけアイテム欄をいじってからすぐにログアウト、M2Dを外してベッドの上に投げ捨てる。

「俺の、せいだ…」

あの日デートに誘わなければ、もっと早くブレーキを握っていれば、もっとちゃんと、バイクを運転していれば、頭の中には後悔と反省ばかりで嫌悪感に教われる。

(なんもしたくねぇ…)

カーテンを閉めきって、部屋に明かりを一切なくす。
嫌だなぁと思いながら、ガバッとシーツを頭から被る。
カタッ、M2Dが床に落ちる音した。

「なんで俺だけ、無事なんだよ…」

三週間前からずっと七尾志乃は、あの真っ白な病院から退院出来ていない、目を覚ませて、いない。




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続かないよ!


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