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ナンバーワンのオンリーワン


ヘッドは僕よりも遥かに優れ人ならぬ何かを持ってる。
天才なんて昔の負け犬が言った言葉だと貴方は言うけれど、秀才と天才は違うのだ。
秀才はどう頑張ったって天才には勝てない、努力したって…勝てないものは勝てないのだ。
自分で自称する人は大抵大したことない奴が多い、けれど彼は本当に違うのだ。
そして人を引き込む何かを持っている。
神様は意地悪だ、彼にばかり沢山の物を与えるなんて。

「ソードスターは随分自信がなさげだね?」
「貴方を前にすりゃそりゃあ」
「キミも少しくらい自信家でいいんじゃないかい?」

と言いながら自信家なヘッドはダーツの矢を投げる。
的の中心ではなくそこから少しずれたところに刺さった。
この人でも苦手なことがあるのかと思うとなんだか嬉しい。
右手にダーツの矢を取って先の方をいじってみる。
彼はダーツは苦手だろうか?
ジンジャーエールを一口飲むといつもより炭酸がキツく感じた。

「オレにもね、駄目な部分は沢山あるんだ」
「…そうなんだ?」
「キミはオレをあまり知らないだけさ」

優れて見えるのは上辺だけということだろうか?
優れていないヘッド、想像も出来ない。

(それでもその姿を知りたいと思うのは何故だろうか)

「本気でそう思ってる?」
「えっ?」
「それでもソードスターには教えてあげない」
「なっ…!」
「今なんで僕の考えてることがわかったんだろう、って思ったろう?」
「…凄いや……何ですかそれ、第一フェーズか何か?」
「さぁ、どうだろうね…」

いつも大事な話になると彼はすっぽかす。
知りたいことも皆お預けだ。
でもそういう時のヘッドは何故か楽しそうだ。
僕は右手でいじっていたダーツの矢を的に向かって思いっきり投げた。
真ん中には当たらない。
部屋のライトが妙に眩しい、視覚が少しちかちかする。

「ねぇヘッド」
「なんだい?」
「僕がヘッドに本気になったらその仮面の下も見せてくれますか?」
「……考えておくよ」

少し間をおいてからご機嫌なその返事だけが僕の耳に入ってきた。

(いつか絶対本当の貴方を僕に本気にさせてやる!)




ナンバーワンの
      オンリーワン





天才を目指すのが秀才である。


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ヘッドをよく知る前のタケオとか


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