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そんな日常

※パロディもの

半永久的に続く日常が大嫌い!ああもう本当につまらない。
かと言って望まない日常はもっと嫌だ!
ああ、老後は縁側で茶を飲みながら小鳥のさえずりを聞くのが夢だったのに。

親戚から三人の馬鹿どもを預かってから我が家はとんでもなく煩くなった。
只でさえ馬鹿息子がいるというのにこれはないというか…一気に四人の面倒なんて見れる訳がない!
今日もお弁当作りが忙しい、たまには暇な朝が欲しい。
フライパンの上でジュージューと音を立てる目玉焼き、まな板には切られて哀れな野菜達、そしてちょっぴり頑張ったタコさんウインナー。
いつから俺は主夫になったんだ、なんだか虚しい。

「ふぁ…父さんご飯!」
「まだだよ、先に顔を洗っておいで」
「レイジさん俺のジャージ知らない?」
「ツキヒコのジャージならそこの…ほらそこ」
「レイジさんお弁当に野菜入れないでくださいね」
「好き嫌いはよくないよタケオ」
「今日も良いお尻だなレイジさん」
「ギンタ、セクハラしてる暇があったら皿を取ってくれ」
「俺はパシりかよ」

とにかく朝からやかましいのだ。
タクトはまだしもこの三人ときたら、すぐに物はなくすわ好き嫌いは多いわセクハラは日常茶飯事だわ、世話が焼ける。
特にギンタのセクハラはやめて欲しい、一々反応に疲れる。
見た目が若くても一応一児の父親だ、そんなオヤジの尻を撫で回して何が楽しいんだか。
……あ、目玉焼き少し焦げた。

「ご飯出来たよ」
「待ってました!やっぱり朝はしっかり食べないとね!」
「あ、ツキヒコ醤油取って」
「は?目玉焼きに醤油かよ」
「目玉焼きは塩ですよ塩」
「タケオはマイナーだからな」
「失礼な、塩はメジャーです」
「いやいや目玉焼きにはソースだろ」
「うーん、イッツアデリシャス!」
「うわっ、タクトのやつマヨネーズかけてやがる!」
「ん?美味しいよ?これ」
「目玉焼きにマヨネーズをかけるんじゃねぇ自然の旨味が失われるだろうが!」
「いいから早く食べないか、後俺は目玉焼きには味の素派だ」
「うおっ、レイジさん中々マイナーなチョイス…」

個人的に味の素をドバッとかけてから食べるのが好きな訳なんだがそんなにマイナーだろうか。
まあ毎朝こんな感じにくっちゃべりながら食事して、時間ギリギリにどたばたしながら出て行くのだ。
もう少し余裕を持って起きればいいのにとはあえて言わない、自分の首を絞めるのは自分、努力が足りないから遅刻するのだ。
俺は結構厳しいタイプなので毎朝優しく起こしてあげるなんてオプションは付いてない。(ギンタは非常に不満そうだったが)
ちなみに一番遅く起きてきて毎朝一番慌てふためくのはタクトだ。

「うわああっ、もうこんな時間!?スガタと約束してるんだった!」
「それいつも言ってるけどだったら早く起きろよ…」
「いってきます……!」
「あ、タクト弁当忘れてんぞ」
「…行っちゃった」
「んじゃそろそろ俺らも行きますか」
「いってきまーす」
「いってきます」
「レイジさんいってらっしゃいのチューとかないの?」
「…ないよ、いってらっしゃい」

なんだかんだで家の前まで見送って、隣の家のおばさんと世間話して。
ふぅと一息、今日も朝の戦いは終わった…ミッションコンプリート。
今日の晩御飯は何にしよう、皆が帰ってきて美味しそうに食べてくれると思うとなんだか作るのが楽しみだ。
………はっ、何をのほほんと考えているんだ俺は。
俺はこんな日常認めないからなっ、断じて認めないからな!




そんな日常





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何故かギンタが変な方向性に(笑)



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