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永遠の悪夢

世界の窓から覗いた景色はいつになくくすんでいるような気がして、醜いモノクロの世界を描くことが嫌になって、トキオがレイジになると同時に自然に絵を描く筆を止めていた。
自分でも後悔するのはわかっていたハズなのに!
何も描かれないキャンパスはただ無機質で、真っ白な世界もまたくすんで見えた。
(本当は描きたいハズなのに)

「描かないのか、絵」
「描きたくないよ…」

世界なんて一口に言ってもいろいろある。
広い世界、自分の世界。
今は薄暗くベッドしかないこの小さな部屋がミヤビ・レイジの世界だ。
(オレは自分で世界を逃してしまった)

「俺は絵が見たい」
「自分で描けばいいじゃないか…」
「お前の絵が見たいんだ」
「俺はもう…やめたんだ」

使われなくなった絵筆は置き去りになりキャンパスは相変わらず真っ白だ。
創作意欲はあるハズなのに描こうという気力がない、そういった気力より何かを失った喪失感の方が上回るためだろうか。
永遠を手に入れたとしたら、この喪失感を何回も味わうのだろうか。
(それでもオレは永遠を求める)
永遠なんてある訳ないと知っているけれど。
長い夢を見たいのだ。

「オレは現実なんて嫌いだ…」
「…俺はお前がいる現実は好きだ」
「……そう?ありがとう…」

慰めのつもりだろうか、リョウスケはいつものようにレイジに語りかける。
優しさに似たそれはレイジにとっての唯一救いであり断ち切ることの出来ない大切だ。

「オレは現実と夢だったら夢を選ぶ」
「逃げるのか?」
「そうだね…俺は弱いから」
「そう思い込んでいるだけだ」
「いや、弱いよ…でもそうだな、キミとなら現実も悪くないかもね…」





永遠の悪夢






(現実なんて覚めることのない夢、悪夢だ)
(犯してしまった間違いを消すことが出来ないのだから)





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夢色チェイサーの続きっぽい


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