独占禁止法
嫌い嫌い、あいつが嫌い。
憎い憎い、あいつが憎い。
ジェイドを独占するあいつが嫌い。
ジェイドを独り占めするあいつが憎い。
「ジェイドが好き」
「どうしたんですか急に」
「ティアよりも、アニスよりも、ナタリアよりも、誰よりもどんな奴よりもジェイドが一番好き、だから俺のものになってよ」
「……お坊ちゃんはわがままですねぇ」
皮肉を込めて放たれた言葉だって今は俺だけに向けられたもの、ああ嬉しい。
ジェイドの言葉に一喜一憂する、幸せ。
でもいつまでも幸せな訳じゃない、ジェイドはいっつもピオニー陛下と話してる。
ジェイドはいっつもガイにばっかり頼みごとをする。
ジェイドはいっつもアニスとばかり親しげにする、いつもいつも、いっつも。
俺のことなんて見やしない!
「私は誰かのものになる気はさらさらないんですよ、すいませんねぇ」
なんて言ったあんたは既にピオニー陛下のものじゃないか!
独占禁止法
(なんで皆してジェイドを独占したがるんだ!)
(俺だって独占したいのに!)
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