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自分は自分

ヒューマでもガジュマでもハーフでもない、最初聞いた時は酷く驚いた。
だって普通のヒトと思ってたから。
それがいきなり違うと伝えられて、どう反応すれば良いのやら。

「…マオ」
「……ねぇヴェイグ、僕ってヒトかな?」

ヒトと答えたかった、けど体が震えて言えなかった。
いつもこうやって傷付けてばかりで、何もしてあげられない。

「…すまない」
「ううん、いいんだヨ!変な事聞いてごめん…!」

気を使わせたかった訳でもそんな顔にさせたかった訳でもない、それなのに。


「……マオ」
「なぁに?」

言いたい事はあるのに、話そうとすると怖くなる。
もしも自分の言った答えを受け入れてもらえなかったら、余計に傷付けてしまうだけかも知れない。

「ねぇ、何?」
「…マオ、お前はお前だと思う」
「……」

自分は自分、マオはマオ。
どんな姿をしていたって中身は変わらない。

「俺が俺であるように…お前はマオだ」
「…そう、だよネ。うん」

勝手な答えかも知れないけど、そうとしか答える事が出来なかったから。
これが自らの答え、そして考え。

「ありがと、ヴェイグ!」

そう言って笑った顔は、迷いがなく綺麗だった。



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