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キミにありがとう

今日という日は君と知り合えた記念日、今日という日は僕が生まれ変われた記念日。

「シンジ君」
「ん?何?」
「…なんでもない」

僕の手を引いて前を歩いているキミを見ていたんだけど急に後ろ姿が寂しくなって呼びかけてみた。
にっこり笑って手をぎゅっと握り締めてくれた彼はいつもより嬉しそうだ。

「…シンジ君」
「何、渚」
「呼んでみただけ」

名前を呼んだだけで胸の中が幸せな気持ちで溢れてくる。
歩く度に一緒に歩んでるんだなと勝手に思い込む僕はわがままかな?靴がこつこつ地面を叩く。

「……シンジ君」
「さっきから何?」
「ううん、ただね…ありがとうって言いたかったんだ」

空は相変わらず青いし太陽は意味もなくじりじり照りつけてくる当たり前の日時だけれど、その当たり前だっていつかはなくなってしまう、そうなる前に



キミにありがとう



何年立っても何日立ってもキミのこと好きでいるから

どうかこの想いが小さなそよ風になってキミに届くように






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遅れながらも35の日


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