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冬が寒くて本当によかった!


「寒いね……」
「うん……」

おかしなことに第3新東京に雪がふり始めた。
始めのうちは喜んでたが日が進むごとに段々寒さでうんざりしてきた。
ミサトが急遽買ってきた電気ストーブの前でシンジもカヲルも震えている。
その電気ストーブがブォン、と時々危ない音をならすもんだからそのうち爆発でもするんじゃないかとシンジは内心ヒヤヒヤする。
しかしながらもこの寒さ故にストーブの前からなかなか離れられない。
なんて惨めなんだろう。

「お腹空いたね、カヲル君…」
「そうだね……」
「…ご飯どうする?」
「どうしようね…」

二人共勿論動く気はない。
そもそもこの電気ストーブは一定の場所しか暖められない不便な性能だ。
動いたら寒さで死んでしまう。
動きたいのに動けなくて、非常に虚しい。
ピュー、と吹いた隙間風が二人をさらに虚しい気持ちにさせた。
まるで隙間風に馬鹿にされてる気分だ。

「寒いね…シンジ君、もっとくっつかないかい?」
「えっ!!」

衝撃の発言にシンジの顔が耳まで赤くなった。
先ほどまでの寒さはどこへやら、心臓の鼓動と共に一気に顔が熱くなる。

(カヲル君とくっついたりなんてしたら、)

……我慢出来なそうだ、とあたふた焦る。

「いやっ、その」
「暖かいと思うけど…嫌かい?」
「……嫌じゃないよ!」
「じゃあ…ね」

ぎゅっ、とくっついてくるカヲルが可愛くて、同時に恥ずかしくて。

「シンジ暖かいね…ふふ」

なんて言うものだから思わず抱きしめたい衝動に刈られてしまう。




冬が寒くて
本当によかった!

(僕が君のこと好きなの知ってるくせに!)
(それでも暖かい笑みを向けてくる君が愛しくて悩ましい)




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