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作戦通り
ただいま、と帰って来た彼は両腕に紙袋を下げて沢山のプレゼントを持ち帰って来た。
いったい何事なのか…といってもすぐわかる。
カヲル君は今日誕生日なのだ。
こんなに沢山のプレゼント、わざわざ一個一個貰ったのがカヲル君らしい。

「いろんな人がくれたんだ、後輩の人とかクラスの人とか…」

これはアスカから貰ったんだよ、と笑顔で貰ったプレゼントを僕に見せる。
ピンクの包装紙に包まれて、真っ赤なリボンで綺麗に飾り付けされている、いかにも彼女らしい。
でもアスカがこんなに綺麗にラッピング出来るハズはない、お店に頼んだのだろう。
本来なら僕も彼の誕生日を祝うのが正しいんだろうけど、僕は独占欲は異常に強い自覚があるから許せない、嫉妬する。

「へぇ…そっかじゃあ僕からのプレゼントなんていらないよね……」
「シンジ君?」
「…ご飯、用意してあるよ」
「あ、うん…」

今の態度、少し露骨すぎたんじゃないだろうかと自分でも思う。
テーブルの上には今日のために作った色とりどりな料理だけが並んでる。
これがプレゼントとは言わない、勿論彼のために買ったプレゼントはある。
ただあんなに沢山あると

(受け取ってくれなそう)

「ねぇ、シンジ君…」
「…何?」
「………」

言い出しにくそうにうつ向いてる、もしかして嫉妬してる僕に気付いたのだろうか?

「その、君からの…」
「僕からの…?」
「僕は誰よりも君からのプレゼントが…欲しいな……」
「……、」
「なんて…欲張りだったね…ごめんね」

胸がドキッとした、カヲル君が頬を紅潮させながら僕のプレゼントが欲しいなんて言うもんだから

(本当にねだるのが上手いんだね!)

ダッシュで部屋まで取りに行った。







作戦通り
…君の誕生日なのに僕がいい思いしてどうするんだろう。

「シンジ君、これは…?」
「え?夜に使う…」
「〜っ、いらないよ…!」
「か、カヲル君!?」



あきゅろす。
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