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海よりも深い眠りについて14

いよいよ作戦実行、アスカとカヲルはエヴァに乗り込むと覚悟を決める。
エントリープラグの中、LCLの臭い、操縦席の座り心地はいいとは言えない。
居心地はベッドの中の方がよっぽどいいだろう。
それでも今は作戦中なのだ、わがままなんて言ってられない。
深いブルーの瞳でキッと前を睨む。
ゆっくりゆっくりと敵、二体の使徒が近づいてくる。
指定のラインを超えたら攻撃開始の合図だ。
隣には四号機、パイロットは渚カヲルという頼れる奴がいる、負ける訳がないと自信満々に操縦レバーを握り締める。

「……行くわよ、バカヲル」
「わかってるよ」

迎撃開始ラインを使徒が通過、二機のエヴァが同時にライフルを放ち、敵への攻撃を開始する。
ライフルの弾は敵の光線により無力化され、光線は街を破壊する。
ごくり、唾を飲む。
あれに当たったら痛いだろうか、一瞬脳裏に浮かんだ恐怖感を急いで消す。
自分は今戦っているのだ、負けは許されない。

敵の攻撃を防御施設により防ぎ華麗な背転で避け続け、攻撃が温くなったらこちら側からの攻撃の開始だ。

二体の使徒を倒すには両方の使徒のコアに同時に加重攻撃、これしかない。
両方に同じタイミングで攻撃するには二機のエヴァ、否、二人のパイロットのコンビネーション、ユニゾンが必要不可欠だ。

「大丈夫、やれるわ…」

自分に自信を付けるように言い聞かせ、カヲルと同じタイミングで操縦レバーをガチャリと動かす。
それと同時にエヴァ両機は走り出し、使徒との距離を一気に縮める。
一度きり、一度きりなのだ、失敗は許されない。

接近し、脚を振り上げ垂直に踵を落とす。
敵が怯んだらすかさず次の一撃、回し蹴り、蹴り飛ばし。
二体が揺らめき、二機が踊るように攻撃する。
エヴァの足が地面につく度にドン、と大きな音を立て、コンクリートに凹みを作った。
この際街の被害なんて気にしてられない。

次で決める、二機のエヴァは太陽を背に大きく跳び、長い脚を伸ばす。

((これで決める……!))

二人の意思が通い会う、左右対象になったエヴァは二体の使徒に向かってまるで鷹のように一直線に急降下。

「「うぉおおお!」」

空を切る音が機体越しに聞こえる。
隣にいる、カヲルの声が聞こえる。
……イケる、アスカを無意識にそう思った。

使徒のコアに空中からのキックが当たる、そのまま勢いに任せて使徒ごと山へ激突する。
コンクリートの地面がえぐれ、使徒のコアがみしみしと悲鳴を上げ始めたと思えばパリンと砕け、使徒は膨張しながら爆発。
赤い光の中でも隣にいる銀色の機体がよくわかった。

(やったんだわ、私達…!)

使徒を、殲滅した。
それはたった数分のことだった。




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かっこいいアクションシーンみたいのを書きたかっただけ(笑)



あきゅろす。
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