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僕の可愛いお姫様
 素直じゃないってことはずっと前から分かってた。それが愛しいということも、それが君の愛情表現だということも。

「あー!疲れた!」

「そうだね。沢山遊んだしね」

「あんたは全然疲れてないようね?」

「うん。全く疲れないよ」

「へえ」

 君がいるんだ。疲れるわけがない。君の一挙一動を観察して、ああ、やっぱり好きだ、なんて思える至福の時。むしろ永遠に続けばいいのにと思う。黄色いワンピースを揺らめかせて君は先頭を歩いた。手さえ、触れさせてくれないそのオーラは気品があってまるでお姫様。僕だけの可愛い彼女。意を決してその手に触れてみた。振り向く彼女の表情は甘く美しく。

「な、にやってんのよ!」

「だめかい?僕たちは恋人…なんだろう?」

「っ……す、好きにすればあ?!」

 夕焼けの朱かそれとも彼女自身の朱色か。後者の方だったらいいのにな、と微笑んで強く握れば心なしか彼女の方も力を込めた気がした。横顔を伺えば焦点は下。どこを向けばいいのか分からないといった困惑に苛まれているその表情は可憐な乙女。彼女もれっきといた女の子なんだ、と改めて知れば彼女の肩を引きよせる。

「なっ!」

「僕が疲れないのは君と一緒だからだよ。君をすっと見ていられた。こんな幸福…いままで感じたことなかったよ」

「あああああんたば……」

 いつものように自分の感情を押し殺して吐く暴言を遮るように唇を塞いだ。僕たちの初めてのキス。それに抵抗を見せない彼女の可愛さにキスをしながら笑みが零れた。唇を離して彼女を思い切り抱いた。華奢な体は今にも壊れてしまいそうで。僕が一生守ってあげたいと感じさせる。

「アスカ……これからも僕のそばにいてくれる?」

「ば、ばっかじゃないの?!あんたが一生あたしのそばにいればいいのよ!このあたしに命令するなんて百万年早いわ!」

 その強気な口調は僕への愛。そんな不器用な愛情表現を受け取るようにまた僕は彼女の唇にキスを落とした。

END




夜波様から一周年記念に頂きましたカヲアス小説です!(´∀`*ツンデレアスカがもう可愛いです…!わざわざ書いてくださってありがとうございました


あきゅろす。
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