[携帯モード] [URL送信]
言いたいケド言えない
放課後、ちらりとカヲルへ視線を向ける。
カヲルの周りには沢山女子がいて、その女子達と楽しそうに会話していた。
一緒に帰ろうなんて誘った自分が馬鹿だった、とシンジの方へ足を進める。
どうせアイツは他の女子と一緒に帰るんだ、悔しい、心の中はそれでいっぱいだ。

「あれ、どうしたのアスカ」
「…なんでもない」

心配してくるシンジに対しつんけんどんに返事を返し行くわよ、と腕を引っ張る。
この場にいると胸が苦しくなる、見ていると悲しくなる。
さっさと帰って寝よう、そうしよう。

「……?」

カヲルがアスカの方へ視線を向けると、シンジを引っ張って教室から出ていく最中だった。
そういえば一緒に帰ろう、と誘われていた気がする。
結局僕は放置で今日も二人で下校か、と溜め息を漏らすと周囲の女子がどうしたの?と腕に手を伸ばしてくる。
嫌だな、触られたくない。

「…ごめん」
「え?渚君?」

不思議そうな顔をする女子に背を向けて、アスカ達の後を追う。
今ならまだ間に合うかな、と走って階段を駆け降りると、二人が下駄箱で靴を出しているのが見えた。

「シンジ君、セカンド」
「渚?」
「…何よ」
「一緒に帰ろうと思って」
「…ふーん、あっそ」

カヲルはヘラッと笑って靴を履く。
横目にアスカを見ると、少しはにかんでいた気がした。

「誘ってくれたのそっちじゃないか、ちゃんと約束守ってよね」
「…あんたが」
「何?」
「あんたが女子と会話してたから…」
「へ?」
「…、なんでもない!」

嫉妬してたなんて誰が言うもんか。



.
相互片思いは表現が難しいですね

どうやったらお互いが惹かれてるように書けるだろう…と考えてしまいます(笑)



あきゅろす。
無料HPエムペ!