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飲むヨーグルトの話

「なんですって!?もう一回言ってみなさいよ!」
「何度でもゆうたるわ、このエゴイスト!」

学校でご飯を食べてる最中にでも喧嘩をはじめるアスカとトウジ。
もうこれは日常風景だ。
アスカの右手には開け口全開の飲むヨーグルトのパックにストローが刺さった物が握られいる。
アスカがもう少し力を入れたら溢れ出てきそうだ。

「二人とも何故あんなに仲が悪いんだろう…」
「まあカヲル君、二人はほっといてご飯食べよう」
「そうだね」

トウジの後ろではシンジとカヲルが仲良さげにお弁当を食べていた。
まるで他人事なようだ。
だがこれもまた日常風景、誰も止めろよとは突っ込まない。

「エゴイストですって!?」
「本当の事言って何が悪いんや!」
「むかつくっ…!この!」

苛っときたのかなんなのか、アスカはトウジに向かって右手に持っていた飲むヨーグルトの入ったパックを思いっきり投げた。
トウジはアスカの投げた飲むヨーグルトのパックをひょいっと身軽そうに避ける。
なんとも身軽だ。

「おっと、へへっ、残念やったな…」

びしゃ

何かに何かがかかる音がした。
嫌な予感がする。

「あ」
「何や?」

アスカはやってしまった、な顔で声とは違う音を出す。
トウジもアスカにつられてその方向を見ると…

「っ……」

アスカの投げた飲むヨーグルトのパックがカヲルに命中し、カヲルは飲むヨーグルト、つまり白い液体まみれになっていた。
ある意味災難だ。

「酷いよセカンド…」
「わ、悪いわね……あんたが避けるからよ!」
「惣流が投げるのが悪いんや!」

カヲルをそっちのけでアスカとトウジはまた喧嘩をはじめてしまった。
後ろで食べてたのが運が悪かったというか。
今日は厄日かも知れない。

「カヲル君、大丈…っ…!」
「シンジ君…?」

シンジはカヲルを見た瞬間顔を赤くした。
何かを思い出したらしい。
いろんな意味で何を思い出したかすぐに分かるのだが。

「シンジ君、どうしたんだい?」
「あ、いや、その…」
「シンジ君…それよりハンカチ持ってないかい?」

そう言うとカヲルは手の甲で顔にかかった白い液体を拭いはじめた。
いい意味でマイペースというかなんというか。

「か…カヲル君……!」
「…?」

その仕草を見てシンジは余計に赤くなる。
無意識でやってるのだから達が悪い。
見てられない、恥ずかしい事を思い出す。

「ハンカチ…あ、はい…」
「すまないね」

カヲルはシンジから受け取ったハンカチで汚れを丁寧に拭き取りはじめる。
シンジはその様子を顔を赤らめながら見ている。
…そしてそのすぐ近くでアスカとトウジが未だに喧嘩をしている。
…今日も第三東京市は平和だ。



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飲むヨーグルトでとっさに思いついた話(笑)




あきゅろす。
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