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愛って重い
良くわからないけど、誰かに見られてる気がする。
登校する時とか、ネルフの食堂で食事してる時とか、その…シャワーの時とか。
とにかく毎日、24時間。

…正直言って怖い。

過去に一度だけ誰だかわからないけど僕の後をやたらつけて来る人を見たことはある。
人…しかも複数。
三人くらいだろうか。
何でこんな事するのか、聞こうとしたら逃げられてしまった。
顔は見えなかったが、確実にこれで誰かが僕の生活を覗き見ている事はわかった。
一体誰なんだろう?

シンジ君に相談しようかと思ったけれど怒った彼が何をするかわからないからやめた。
というか最近忙しそうだし。
ファーストは?
…無理だ。
相談したところで「そう、私にはわからないわ」とかで終わってしまいそうだ。
相田君や鈴原君もなんだか最近学校が終わったらすぐ帰ってしまうし。

「ね、あんた最近やけにキョロキョロしてない?」
「え?あ、あぁ…なんでもないよ」
「本当にぃ?なんでもない奴がキョドって返事する訳ないでしょ」

やたら感のいいセカンドに何故か見破られてしまった。
いつもならなんでもないよ、でどうにか誤魔化せるのに。
それだけ切羽詰まってるんだろうか…
正直あんまり彼女には言いたくなかった。
だって絶対に噂にして広めてしまうに違いない。
けれど、バレてしまったし話すしかない。
…って何か隠し事しているみたいじゃないか。

「ストーカー被害ぃ?あんたが?」
「……楽しそうだね」
「た、楽しんでなんてないわよ」

今明らかに楽しんでたじゃないか。
顔がニヤニヤしてるのでバレバレだよ。

「よかったら私がどうにかしてやりましょうか?」
「え…君がかい?」
「その意外そうな顔は何よちょっと」
「いや…」

あんまり宛に出来ない気がする。
だってセカンドだし。
まあ頭はいいんだけどね、彼女。

「ま、この名探偵アスカ様にどんと任せなさい!」

胸はってえっへんと威張りながらさっそくいろいろ聞いてくるセカンド。
なんだかやけにやる気があるのが物凄く不安なんだけど。
というか名探偵ってなんだい…いつ君が名探偵になったんだい?





「なるほど、ここで犯人を見たのね」

顎に手をあててうんうんと頷いているセカンド。
何を納得しているんだかさっぱりわからない。

「特徴は?」
「えっと…」

3人くらいで…確か身長はそうだな…シンジ君くらい。
ん、3人でシンジ君くらい…?
……まさかね。
鈴原君や相田君やシンジ君がこんな事するハズないし。

「それだけぇ?」
「うん、後はわからない」

すぐ逃げられてしまったしね。
…というか今も見られている気がする。
いや、気のせいだよね、多分。
これをセカンドに話したら

「ふーん…ま、いいわ。とりあえず今日訓練でしょ?さっさと行きましょ」

と言って流されてしまった。
ねぇ、解決してくれる気ある?

「あるに決まってんでしょ!ま、急いだって仕方がないじゃないの」

いや、此方は物凄く困ってるんだけど。
急いで解決して欲しいんだけど。
僕のそんな願いも虚しく、ネルフに引っ張られていくのだった。
…ねぇ、やっぱりないでしょ?



そして訓練も終わりさっさと寝ようと宿舎に入ったは良いものの…視線を感じる。
何かなんだろう…いろんなとこから見られてる気がする。
不気味だ。

「…誰?」

恐る恐る、部屋の中を見渡してみる。
やっぱり誰もいない。
ねぇ、出だしギャグっぽかったよね?
ちょっとホラーになってない?

──カタン…

「……!」

扉の外で何か小さな音がした。
急いで扉を開けてみるが、誰もいない。
その変わりすぐそこの廊下を曲がる黒い頭が見えた。
しかも僕と同じ中学の制服を着ていた。
つまり、犯人は第一中学校にいるという事だ。
…ん?この宿舎はネルフ内で、ネルフに入れるのは関係者だけで、しかも中学生の男子となると僕とシンジ君と鈴原君ぐらいで…
……明日、二人に聞いてみよう。


そして翌日。
僕はお昼休みに思い切って3馬鹿トリオとかセカンドに言われている三人に直接聞いてみる事にした。
何をって…何を。

「あの、さ」
「「「!!!」」」

何かやたらとビクビクしてる三人。
ねぇ、何か聞きづらいんだけど。

「聞きたい事が…」
「ファースト!そこの3馬鹿を捕らえなさい!」
「了解」

と、聞く前にファーストとセカンドがどこからともなく登場。
何々、何の刑事ドラマだい?これ。
そして呆気なく捕まる三人。
暴力はよくないんじゃないかな…?
というかファースト、君すごいね。

「セカンド、これはいったい…」
「よく聞きなさいフィフス、あんたの後をつけてたのはこいつらよ」

ああ、やっぱり…
三人くらいで学生でシンジ君ぐらいの背丈で…まあ予想はしていたけど。
というか当たってほしくなかったけどね。
それより君、ちゃんと調べておいてくれたんだね。
解決してくれる気がないなんて言ってすまなかったね。

「いいのよ、あんたの為だしね!…で、あんたら!」
「ひぃっ、怖〜」
「堪忍してや〜」
「ちっ、ちちち違うんだっ!」

ビビる相田君、泣きつく鈴原君、キョドるシンジ君。
どうでもいいけどビビる相田ってなんだか芸名みたいだね、僕ってネーミングセンスあるかも。

「何が違うのかしら?尻尾はもう掴んでるんだからね!さぁ、何でこいつの後をつけてたか言ってもらいましょうか?」

偉そうにふんぞり反るセカンド。
…とその横でどこから出したのかよくわからないけどにんにくラーメンチャーシュー抜きをすすっているファースト。
僕が変な目で見ていたら食べる?と無理矢理に食べさせられた。
あ、にんにくラーメンってこんな味なんだ。
なかなか美味しいね。

「ううっ…カヲル君、怒らない?」
「ふん、おほらないよ(うん、怒らないよ)」
「食うのやめい!」
「まあ怒らないって言ってるし…事情を話そうぜ、いずれはバレる事だったんだし」
「そうだね…実はね……」


「監視してたんだ」

監視?何で?

「えっと…話すと長くなるんだけど…」

シンジ君が言うにはこうだ。
校内に僕のファンクラブがあるらしい。
何かそういう宗教団体的なのって怖いね。
ちなみにシンジ君は会員No.1らしい。
というか設立したのがシンジ君らしい。
今のところ会員数は校内の半数を上回る253人だよ、と笑顔で言われた。(何故かセカンドが横で私も入れなさいよと怒っていた)

それで、そのファンクラブの今月の課題が僕の誕生日に向けての『渚カヲルの生活監視計画』だったらしい。
どうでもいいけどファンクラブの内容は?と聞いたところグッズや写真販売、本人の私物販売なんだと。(写真は相田君が全て撮影なんだって、凄いね。というか最近やたら僕の周りの私物が消えるのはこのせいだったんだね)
僕の許可なしになんて事を。
しかも僕の知らないうちに下着とかまで他人の手に渡っていたらしい。
勘弁してほしいね、そんなのまるでストーカーか何かの集まりじゃないか。
まったく迷惑なファンクラブとその計画だね。
訴えたらこれ確実に僕が勝つよ。
三人とも、というかファンクラブメンバー全員、僕が心の広い人でよかったね。
本当はかなりムカついてるけどね。

ところでどうして僕の誕生日を知っているのかなぁ?と聞いたらそこら辺は極秘らしい。
もしかしてハッキングか何かでもした?
だとしたら君達捕まるよ?
というか僕の誕生日の日付を見てなんとも思わないのかな。
恋は盲目ってやつだよね、多分。

「…でぇ、何でこいつの生活を監視する必要があった訳?」
「いや、普段の生活を覗け誕生日に何をプレゼントしたらいいかわかるかなぁって…」

それだけの為に僕の後つけ回してたの?
わざわざ寝てるとことかシャワーの時とか覗く必要はあったのかなぁ?
しかも聞いた話によると全部相田君のカメラに録画済みらしい。
後でそのカメラ僕に渡してね?と言ったらこれは俺の宝物だから駄目だ!と泣きながら叫ばれた。
…そこまでされたらなんだかこっちが悪人みたいな気分になってしまう。(これを言ったらセカンドにあんたは押しがたんないのよ、と怒られた)

「で、でもその分カヲル君の誕生日はファンクラブメンバー全員で盛大にやるよ!?」
「ふーん…」
「だ、駄目…かな?」
「駄目も何もね…」

人の生活を散々乱しておいて今さら誕生日は盛大にやる?ああ、確かに嬉しいよ。
嬉しいけどね、今まで僕、どんな思いをしてきたと思う?

「…渚?」
「な、なんや?顔が怖…」
「で、でもそんなカヲル君も魅力て…うわぁぁぁぁぁぁあっ!」

3人がどうなったのかは皆さんの脳内にお任せします。(シンジ君は何故か喜んでたけど)
実際語るのもおこがましいね。

これを気に懲りてくれるといいのだけれど。

とりあえず、僕の今後に安心と安全が約束された。
あ、セカンドとファーストにお礼を言っておかないとね。




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スーパーなギャグにしてみました(笑)
総受け気味なカヲル君(笑)
そしてシンジ君が異様におかしい件について非常にすいません(笑)


あきゅろす。
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