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ふと、手を握ってみたくなった。
自分とは違い白くしなやかな手、だけど大きな手。
触れてみたいと思った。

「ね、手握ろっか」
「どうして?」
「どうしてもよ」

そう言うとアスカは無理矢理にカヲルの白い手を握る。
その手を握った瞬間、カヲルではなくアスカが驚いた。

「温かい…」
「まあ一様人、だからね」

使徒らしいけど、ちゃんと人間らしい。
人間っぽさがないから、アスカは勝手に体温は冷たいものだと思っていたが予想が外れた。
普通の人と同じで、ポカポカと温かい。
予想が外れて悔しいハズなのに、何故だかアスカは嬉しくなった。

こいつも、ちゃんとした人間なんだ。

「ね、体温以外は何か人と変わりはあるの?」
「S2機関を持っているというだけで…後は君達とはあまり変わらないね」
「ふーん」

つまりは使徒も人とほとんどが同じという事だろうか?
体温も、気持ちも。

「もしかしたら人間と使徒が共存出来る日って来るのかな…?」
「分からないけど…もしかしたら来るかも知れないね」

いつになるかは分からないけれど、もしかしたらその日は来るかも知れない。
現にアスカとカヲルが共存しているんだから、もう来ているのかも知れない。

「きっと来るわよ。私達に出来たんだもの」
「そうだね…」

二人で確かめあった後、繋いだ手をより強く握り締めた。
強く力を入れたのは、はたしてどちらだったか。



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