君は似ている
何となくだけど綾波が母さんに似てる気がした。
もっとも母さんと言っても小さい頃に死んでしまったからあまり覚えてはいないんだけれど。
「どうしたの?」
「え、いや…」
「私の顔に何かついてるの?」
無意識のうちにずっと見ていたみたいだ。
恥ずかしい…。
「いや、その…母さんに似てるなって…」
「碇君の?」
「うん」
いきなり言われたら変に思うだろうな。
人のお母さんに似てるなんて。
「…どんなお母さんだったの?」
「僕が小さい頃に死んじゃったから…よく覚えていないんだ」
「…ごめんなさい」
多分悪い事を聞いたと思ったんだろう。
別にそんなつもりじゃなかったんだけど…
「あ、気にしないでよ」
「でも…」
「大丈夫だって!」
死んじゃったのだって大分昔の事だし、今さらうじうじしてられない。
それを聞いて安心したのか綾波は小さく微笑んだ。
そっか、笑い方が母さんに似てたのかも知れない。
「綾波、結婚したらきっといいお母さんになれるよ」
「…そう?」
「きっとそうだよ」
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