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血まみれの天使

最初、何もわからなかった。
気付いたらが目の前にはカヲルがいて、右手には血だらけのナイフが握られている。

無意識、だろうか。

「カヲル君…」
「っ……」

白い体に手を伸ばした。
身体中撫で回しても反応はなく、強く閉じた瞳が開かれる事もない。

手を下へ下へと持っていくと、腹の辺りでべとりとした赤い液体が手に着くのが分かった。

カヲル君の血だ……

血を絡めたその指をさらに下へ滑らせて、奥の蕾へと導いてゆく。

「はぁ…」

シンジは小さく息を吐くと、ひくりと震えた体の奥へ指をさらにねじ込む。
その後はゆっくりとそこを広げるようにかき混ぜる。

「んっ…く」
「カヲル君……気持ち良い…?」

ただメチャクチャにかき混ぜるその指に痛みを覚えながらも、体は同じく与えられる快感に反応していた。

「ねぇカヲル君、何か言いたい事はある?」

耳元で悪戯に囁いた言葉は遺言を残せとでも言いたげだ。
まあどの道、この出血量じゃ助からないかも知れないけれど。

「好き、だよ」
「嘘だね」

一気に指を引き抜くと、シンジは突起した自身をカヲルの中へと無理矢理に突き入れた。

「本当は好きじゃない癖に」

僕に近づいて、嘘をついた癖に。

奥へ奥へと刻み込むその行為はただの恨みだけ、心なんてない。

「シ、ンジ…く…」

快楽もない、あるのは痛みだけ。
心がないこの行為に意味なんてない。

「嫌い…だっ」

君の事なんて

「大っ嫌いだ…!」

嫌いなのに、君の事を考えるだけで胸が苦しくなる。
本当はきっと、好きなんだ。

「カヲル…君」

返事がない、終わりが近いのだろうか。

「カ…ヲル……く、」

いつだって自分の気持ちに嘘をついて、自分で大切なものを失っていく。

「ご…めん…ね、ごめんね……カヲル君…」

シンジは泣きながらカヲルの中に精を吐き出した。



まみれの天使





なんだこれ暗すぎ…


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