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カヲレイバレンタイン
昼休み、レイはカヲルを体育館裏に呼び出した。
理由はただ一つ。

「…これ」
「…え?」
「受け取って」

チョコを渡すため。
レイはいたって真剣な表情で渡しているのだが、カヲルはとゆうと、驚きを隠せないのか目を見開いていた。

「…どうしたの?」
「いや…」

驚くのも無理はない。
まさかレイがバレンタインを知っていたとは。

「何処バレンタインを知ったんだい?」
「セカンドが教えてくれたわ」

なるほど、そうゆう事か。
一人カヲルは納得した。
ミーハーなアスカだ、きっと「ファーストはフィフスにチョコ渡さない訳?」と聞いたのだろう。
脳内に「何故渡す必要があるの?」と質問しているレイが安易に思い浮かぶ。
そこからアスカに教えてもらったのだろう。
でももっと驚いた事がある。
何故、自分なのか。
自分以外でも渡す相手はいるだろうに。
例えば…碇司令とか。

「…僕でいいのかい?」
「ええ」
「何故だい?」
「…好きだから。」

今始めて知った新事実。
まさかレイに好かれていたとはカヲルも自分で想像がつかなかった。
ある意味で鈍感だ。
もしかすると防衛本能か?
彼女が好きだからこそ気づかなかったのかも知れない。

「受け取ってはくれないの?」

レイの頭の中には、昨日アスカに言われた言葉が響いた。
「あんたたまにはガツンと行かないとフィフスを他の奴に取られるわよ!?」
…そんなの絶対に嫌!
アスカのその言葉が、レイを突き動かした。

「本当に…僕でいいのかい?」
「いいから差し出しているの」

レイの言葉に、カヲルの躊躇いがちな手がチョコを受け取る。
迷いながらも、やはり好きな人からのチョコは嬉しい。
チョコを受け取ってもらったレイは、微かに口元を緩めはにかんだ。

「ありがとう…」
「僕の方こそ」

受け取って貰えるかレイは内心不安だった。
相手の好きな人がわからない。
だが絶対に渡そうとは思っていた。
思いは伝えなければ伝わらない。
受け取ってもらった瞬間、自分の気持ちも受け取ってもらえたのだと初めて安心出来た。
後で伝える勇気をくれたアスカに伝えなければ。
ありがとう、と。


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