[携帯モード] [URL送信]
君と考える

ウーー……

使徒が来た事を知らせるサイレンが第3新東京市に鳴り響く。
今この家にはミサトさんもアスカもいない。
ひとりぼっち。
エヴァに乗らなきゃいけないことは解ってる、でも力が出ない。
僕は三日間ずっとベッドで寝たきり。
カヲル君には会いたかったけど、会う事が怖かった。
勿論、この三日間考えていた事は全てカヲル君の事。
それぐらいカヲル君が僕は好きだった。
でも考えているだけで行動に移さなければ意味がない、そんなの解りきってる事だけど、それがこの結果…

とりあえずシェルターに避難しなきゃ…
重い体を持ち上げて、僕はシェルターに向かった。
シェルターでもただぼーっとカヲル君の事を考えているだけ。
体育座りで周りの誰にも目をくれず、床を永遠と見つめ続ける。

カヲル君は今使徒と戦ってるのかな?
無事に使徒を倒せただろうか?
その考えは逆に僕を不安にさせる。
そして、さらに僕を不安にする事が起きた。

ズドン…

シェルター内で逃げ回る人々。
最初何が起きたかわからなかった。
でも良く見るとそれは弐号機の頭だった。
使徒にやられたんだと僕はすぐに察知する。
きっと首をやられて、その頭がこっちに跳んできたんだろう。
アスカは大丈夫だろうか。
そんなに強い使徒なのだろうか…

じゃあ

カヲル君は?

いつになっても、結局頭に浮かぶのはカヲル君の事。
僕はそれを考えた瞬間恐ろしくなり、ネルフまで走った。


その途中で、今度は零号機が使徒へ向かい、N2地雷を使い自爆した。
急がないと、次はカヲル君の番、カヲルには怪我はさせたくない。足が遅いのをこういう時に悔やみたくなる。
後少しでネルフ、その時

四号機だ。
四号機が使徒の目の前に出された。
四号機は勇敢にも、一機で使徒へ立ち向かって行った。
…僕だったら絶対やりたくない。

最初、右腕を使徒に切断される。
唖然と立ち尽くす、昼下がり。
誰もいないジオフロント内で、一人戦いを見つめてる。

まさかカヲル君が、そんなに簡単にやられる訳がないけど…
解っているけど、解っているけど…
僕が不安になり立ち尽くしているその間に、四号機は使徒の攻撃を掻い潜り使徒のコアにプログナイフを突き刺した。

そして使徒も、四号機の腹部を白い腕で貫通させた。
使徒は四号機を吹き飛ばし、目から光線を出し四号機の頭部を貫く。
四号機の頭部から液体が勢いよく噴出する。

頭が、真っ白になる
何かよくわからない感覚が身体中を駆け巡って、口からはだらしもなく絶望的な声が漏れる。

その後使徒は爆発した。
あの光線が最後の攻撃だったんだ。

カヲル君は…?
四号機はあそこまでめちゃくちゃにされたんだ、怪我をしていない訳がない。

「カヲル君…!」

早く早く…早く…!
カヲル君がカヲル君が…カヲル君が…!
僕はさっきとは比べ物にならないくらいの早さでネルフに向かって走り出す。
早くカヲル君の安否を確認したい、頭の中にあるのは、ただカヲル君の事だけだった





君と考える

(ただ君の事を考えていたよ)


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!