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自分のため、君のため。
今日も僕は渚の部屋で渚と二人で宿題をしていた。
別に勉強するのはどこでも良いんだけど、家だとアスカやミサトさんが煩い。
別に理由なんて余りない…そう、これは自分のため。








「ねぇシンジ君、ここ解る?」

渚は解き方が解らないのか、僕に尋ねてくる。
ああ、国語か。
こいつは日本人じゃないから国語が苦手なんだっけ。

「ここはね…」

僕は渚に解りやすいように解き方を説明する。
でも

「わかんない、もう一回」

何度説明してもこれ。
国語が苦手なのは解るけどこいつはアホすぎる…
でもそんな所も可愛いと思ってしまう自分が嫌だ。

「だから…」
「疲れた、休憩しよう」

こいつは…!
渚のために教えてやってるのにさっぱり聞こうとしない。
いつもそうだ。
僕がいくら一生懸命教えてやってもいつも渚は上の空。

「はい、小腹空いたでしょ?」

渚がそういって持って来たのはどこでも売ってるぷっちんプリンを二つ。
プリンと一緒にプラスティックのスプーンも渡してくれる。
さっそくプリンの蓋をを開けて渚はプリンを食べ始める。
……僕も食べようかな。

「なんで僕の話聞かない訳?」
「だってなんか」

「シンジ君といるとイマイチ集中出来ないんだよね」

何だよそれ、凄くむかつく。
僕がいると集中出来ない?
そんなに僕は煩くしてないはず。逆に煩いのは渚の方。
いつだってシンジ君シンジ君シンジ君…僕は安売りされてるのか?

「…僕が邪魔な訳?」
「そ、そんなんじゃないよ!」

じゃあ他に何の理由があるのかこっちが教えて欲しい。
…もしかして僕が何かそういうオーラ出してるとか?
そんなハズはない。

「なんて言うか、その…」
「シンジ君といると…」
「顔が熱くなって…」
「心臓が…おかしいんじゃないかって位にバクバクして…」

…なんだ、そうゆう事か。
相変わらずバカな奴、だけど、不器用で可愛い奴。

「渚」
「わっ…!」

僕は渚を自分の胸に抱き寄せる。
そして耳元で呟く。

「それはね…僕の事が好きなんだよ」

僕がここにいるのは誰のためでもない。
自分のため、そして渚のため。



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