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僕だけのもの
「お邪魔します…」
「大丈夫だよ、そんなかしこまらなくても。」

学校終わりの放課後、現在僕はカヲル君を「今日はミサトさんはいないんだ!」と誘い(半分強引に)僕の家、正しくはミサトさんの家に泊まりに来てもらった。
アスカもいなかったら本当はもっと良かったんだけど。

と、そこへ

「ちょっとバカシンジ!誰が私の家に泊めていいって言ったの!?」

奥の部屋から文句をいいながらアスカが現れた。
いつからアスカの家になったんだよ…!
ほら、やっぱりアスカはいない方が良かったよ!

「僕が許可したよ!」
「あんたじゃ駄目なの!ここは私の家なのよ!?」

口を大きく開けて怒鳴り散らす、勝手にミサトさんの家まで自分の家にしてしまうアスカ。
自分勝手にも程があるよ…

「なら僕は帰るよ?」
「!?…カヲル君待ってよ!」

え!?もう、アスカのせいでカヲル君がとっとと帰る準備をし始めてるじゃないか!
そんなカヲル君に近いてアスカは…

「あんたバカぁ?別に帰れとか言ってないでしょ!?私に許可取りなさいって言ってんの!」

と相変わらず訳のわからない事を言う。
カヲル君が呆れた目で見てるじゃないか。
アスカの言ってる事は毎回有耶無耶なんだよなぁ…

「…じゃあセカンド、今日君の家に泊まってもいいかい?」
「…勝手にすれば。」

あれ、意外にも丸く収まってビックリ。
絶対喧嘩するとか思ってたのに。
何かカヲル君と僕で態度ちがくない?
…まあいい、とりあえずまずお腹すいたし晩御飯にしよう!

「じゃあまず晩御飯にしよっか!カヲル君は何食べたい?」
「私オムライス!」
「アスカには聞いてないよ!僕はカヲル君に聞いてみるんだよ!」
「煩いわね!私はオムライスが食べたいの!フィフスだってオムライス食べたいでしょ!?」

何だよ!?僕はカヲル君に希望を聞いてるのに!
自分の意見をカヲル君に押しつけるなんて酷いよ…!
だって…

「僕はオムライスでいいよ。」

ほらぁ!
カヲル君は優しいからすぐにそうゆうの受け入れるんだ!
なんか不公平だよ!

「あんた話がわかるじゃない!ほらみなさい!」
「ぇえ…」

え…そんな勝手な…
…でもカヲル君が言うならしょうがない。
そのカヲル君は相変わらずニコニコしていて天使のようだ。
ああ、癒される…
よし、カヲル君のためにも頑張って作るぞ。

「中はチキンライスだからね!」
「わかってるよ!」

アスカはしつこいんだよ!
まったく、こっちの事も考えろよ!
いちいち注文が多いよ。

「…シンジ君、僕も手伝うよ。」

ぶつぶつ言ってると、注文の多いアスカに半分切れ気味な僕を心配したのか、カヲル君は僕を手伝うと言いだした。
わぁ、なんて優しいカヲル君!
アスカとは大違いだ!
…アスカには言わないでおこう。

「でもカヲル君は疲れてるし…!」
「疲れていないよ?」

そんな、悪いよ…
カヲル君にはゆっくりしていて貰いたいし。
あ、でもちょっと手伝って欲しいかも…。
とか悩んでると

「フィフス、早く来なさい!」

アスカがカヲル君を呼び出した。
何、そんなにカヲル君と話がしたいの!?

「セカンドが呼んでる」

え、アスカの所行く気!?
とてとてと可愛い走りかたでカヲル君がアスカの所行こうとしてる…!
だ、駄目!

「うわぁああ!」

余りに慌てカヲル君に奇声をあげてしがみついてしまった僕。
何か凄い気まずい雰囲気に…。

「シンジ君…?」

ちょっとカヲル君の顔がひきつってるのは気のせいかな?
うん、気のせいだよね。

「や…やっぱり手伝って…!」
「…?うん…」

とゆう訳でカヲル君は僕の作業を手伝う事にした。その間アスカは「ちっ、バカシンジのやつご飯ぐらい一人で作れない訳!?」とかぼやいてたケドカヲル君が隣に居るから気にしない!

「いっただっきまぁーす!」
「いただきます」

やっと出来たオムライス。
ちょっと卵でくるむ所とか失敗しちゃったケドカヲル君は美味しいって言ってくれるかな?
優しいカヲル君だからきっと美味しいって言ってくれるよね!

「カヲル君、美味しい!?」
「うん、美味しいよ」

内心上手く出来たか心配してたから美味しいっと言って貰えて良かった!
僕は安心して胸を撫で下ろす。
でも一人、オムライスが気に入らない人がいたみたいで。

「50点ね」

ときっぱり言う。
何だよそれ、僕の料理が気に入らないって事!?
それならこっちにだって考えあるよ。

「それカヲル君の作ったやつだよ」

必殺、嘘をつくで対抗してみた。
何処が必殺かはおいといて。
何故嘘をついたのかもおいといて。

「90点ってとこかしら?」

上がった…!?
それより逆に意外とこの嘘が聞いた事に驚いた。

「ふふ、僕がやったのはチキンライスを作るまでだよ。」
「なんですって!?…あんた意外とやるじゃない。」

今度は褒めた。
明らかに僕とカヲル君に対して違いすぎる…!
もしかしてアスカ、カヲル君に好意を!?

だとしたらカヲル君を守らなきゃ!
僕のカヲル君が取られるかもしれない…!

「か、カヲル君、食べ終わったら僕と一緒にお風呂入ろう!」

とりあえずアスカからカヲル君を離す作戦でいこう。
二人っきりにさせたらアスカが何するかわかんないもんね!

「はぁ!?あんたバカぁ?お風呂場は狭すぎてせいぜい一人が限界よ!」
「そうなのかい?じゃあ僕は後でいいから先にシンジ君が入って来たらどうだい?」
「!!?」

アスカめ、余計な事を。
アスカが口出ししなければお風呂でカヲル君ともへもへ出来たのに。
いいもんね、諦めないもんね!
アスカがお風呂入ってる間にカヲル君ともへもへするから。

「じゃあ僕は今日はいいからアスカ先にお風呂入って来たら?」
「私もいいわよ。フィフス先に入って来たら?」

オムライスを口に突っ込みながら言わないでよ汚い…。
というかなんでなんだ、なんでアスカは僕の邪魔をするんだ!

「じゃあそうしようかな」

笑顔で答えるカヲル君。
カヲル君はご飯を食べ終わったみたいで、片付けを済ますとお風呂に入りに行った。

そしてその場にとり残された僕達は…

「僕思ったケドアスカってお風呂好きじゃなかったっけ?」
「そう?私大嫌いだけど?」

嘘つけ、いつも僕やミサトさんが先にお風呂入ると怒るくせに!
いつも一番風呂が好きな人がそんな事言ったって説得力ないよ。

「シンジこそフィフスに馴れ馴れし過ぎじゃない?あんたもしかしてホモ…!?」
「え、な…何言ってんだよ!」
「動揺したわね!つまりあんたはフィフスが好きなのね!?うわ、おえっ!」
「別に気持ち悪るがる事無いじゃないか!好きに同性とか異性とか関係ない無いと思うケド!?」
「あんたバカぁ?日本で同性愛は認められてないのよ!?」
「日本じゃないとこ行けばいいじゃないか!」
「行かせないわよ!」
「代々何で僕の邪魔するんだよ!」
「あ、あんたが大嫌いだからよ!」
「そ、そんなきっぱり言わなくても…!」
「何か文句有るわけ!?」
「大有りだよ!」

…大喧嘩。
結局この喧嘩はカヲル君がお風呂から上がって来るまで続き、カヲル君に止めてもらったは良いものの「痴話喧嘩は僕がいない時に…ね?」と言われてしまった…。




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