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白雪姫をエヴァでやってみた(シンカヲ)
白雪姫をエヴァでやってみた(シンカヲ)


窓辺でお妃様がワインを飲みながら綺麗な雪に見とれています。

「ぷっはー、この雪みたいに白くて赤い目をした子がほしいわね〜」

やがて願いがかなって、銀髪で赤目の可愛い男の子が生まれ、『白雪姫』という名前がつけられました。
けれども、幸せは長くは続きませんでした。
お妃様がお酒の飲みすぎで死んでしまったのです。
一年後、お城に金髪で目元に黒子のある新しいお妃がやって来ました。
そのお妃は、自分の美しさが自慢でした。
部屋の壁に不思議な鏡を飾り、毎日話しかけます。

「鏡よ鏡、この世で一番美しい人は誰?」
「それはお前だ」

鏡が答えると、お妃は安心するのでした。

何年かが過ぎました。
白雪姫は美しいお姫様(?)に成長しました。
ある日、鏡は答えました。

「お前は美しい。だが白雪姫はもっと美しい」
「何ですって!私よりも綺麗だなんて」

お妃はかんかんになって、すぐに家来を呼びつけました。

「白雪姫を森へ連れ出して命を奪ってしまいなさい」
「グワー…」

何も知らずに、森の小鳥達と遊ぶ白雪姫。

「クワッ」

家来は白雪姫を森の中へこっそり逃がしました。

「困ったね…これではお城に帰れない」

白雪姫は帰り道を考えながらのんびりと歩き続けました。
やがて森の奥に、可愛い小さな家が見えて来ました。
家の中の小さなテーブルに、もっと小さなお皿が七枚。
お腹を空かせた白雪姫は、七枚のお皿から少しずつ食べ物をとって食べました。

空が夕焼けに染まる頃、楽しそうな歌声が聞こえてきました。

「ふーんふんふん、ふふんふん、ジャーン!」

七人の小さな妖精が仕事から帰って来たのです。

「あれ?誰か僕達のご飯を食べたようだぞ?」
「ほんまや」

部屋の中を探すと、奥のベッドで白雪姫が眠っていました。

「あら、綺麗な子ね」
「ほんまに男かいな?」
「起こした方が良いかな?」
「あんたバカァ?朝まで寝かせてあげましょう」

七人の妖精はベッドのすみで丸くなって眠りました。

次の朝、目をさました白雪姫はびっくり。
七人の小さな妖精が見ています。

「すまなかったね…黙って入ってしまって」

白雪姫は親切な妖精達に訳を話しました。

「ずっとここに居て構わないわ…」

妖精達は白雪姫のベッドを作ってくれました。
白雪姫も皆のために、家中を綺麗にします。

お城ではお妃が鏡を見て自分の顔にうっとり。
ところが鏡は…

「森の奥で、七人の妖精と暮らしている白雪姫が一番美しい」

怒ったお妃は林檎に毒を塗り、林檎売りに化けると、妖精の家に行きました。

「ちょっとあなた、林檎はいかが?」
「ああ、じゃあいただきます」

毒林檎を一口食べた途端、ばったりと倒れる白雪姫。
仕事から帰って来た妖精達は悲鳴を上げました。

「…フィフスが死んでる」

七人の妖精は悲しくてたまりません。

「可愛い白雪姫のために一番綺麗な棺を作ってあげましょう…」

妖精達は涙を拭きながら言いました。

硝子の棺の中で、白雪姫はまるで眠っているように見えました。
そこへ、遠い国の王子が通りかかりました。
王子は白雪姫を見つめています。

「カヲル君…今日も綺麗だな」
「気持ち悪い奴ね…」
「とても死んでるとは思えないよ…このまま城へ連れて帰っても良いかな?」

訳を聞いた王子は、妖精達に頼みました。
七人の妖精はうなずき会いました。

お城へ帰る途中、家来がつまずいて、棺がガタンと揺れました。
その弾みに、口から林檎の欠片がポロリと落ちて、白雪姫が目をさましたのです。

「ぅん…」
「おお、生き返った!」

王子は白雪姫を抱き起こしました。
白雪姫の顔が薔薇色に染まります。
お城に帰るとすぐに王子は国の法律を変え、二人は結婚しました。
この様子を、あの不思議な鏡が魔法の力で見ていました。

「幸せな白雪姫が一番美しい」
「お黙り!こんな鏡割れてしまいなさい!」

すると、鏡はガシャーン!
割れた欠片が胸に刺さってお妃は死んでしまいました。

小鳥が歌い、花に包まれた国で、白雪姫と王子はどんな時も助け合って、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。


あきゅろす。
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