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カヲアス



声をあげて名前を呼んでほしい。
白い手で、触れてほしい。
どうして世界は回っていて、神様はいるんだろう。
寂しいのはいや、一人は嫌。
私は特別でありたい。
あんたの特別でなければ、意味がない。

「……ねえ」
「なんだい?」
「…なんでもない」

何かを言おうとして、やっぱりやめる。
寂しくて寂しくてたまらない、どうすればいいかわからない。
側にいてほしい。
抱きしめてほしい。
やってほしい事ばかりで、求めてばかりで、私はなにもしてあげられない。
好きで好きでどうしようもなく好きで、仕方がないのに、嫌われたくない一心でなにもできない。

「セカンド」
「…なぁに」

ふいに抱きしめられる。
どうして私に優しくするの?
可哀想だから?一人だから?それとも、好きだから?
ねぇ、私は好きなのよ。
テレパシーでもあればいいのに、でもテレパシーなんてあったら、それこそ考えてることが筒抜けね。
きっと口で言わなきゃ意味がない。

「…フィフス」

背中に手を回して抱きしめて返す。

「私はね、あんたが好きなの」
「うん」
「あんたは?私のこと、好き?」
「…好きだよ、誰よりも」

こいつは嘘つきじゃないから、本当しか言わないから、私は信じるわよ?
誰もいない暗闇の部屋で二人、静かに口付けを交わした。
ずっとこのまま時が止まってしまえば。
何もかもがどうでもいい、私とこいつ以外、全てがなくなってしまえばいい。
神様は意地悪だ、どうしてその他大勢なんて創ってしまったんだろう。
どうして、物語には終わりがあるのだろう。



明日世界が終わるとしたら






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