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Dreamer×Dreamer


君のことを考えると頭がパンクしてしましそうで。
気づいたら目で追っていて、知らず知らずのうちに好きになっていて。
君に好きになってほしいと思った時には君のことを愛していた。

「ねえカヲルくん、好き」
「うん」
「…好き」
「…うん」

言葉にしないと気持ちの中で溢れて消えてしまいそうで。
ぎゅ、と抱きしめるとふんわりシャンプーの自然な香りがする。
夢でもなく現実の感覚だと知ると愛しくて泣きそうになった。
言葉にしても溢れてしまいそうで、僕には全てを伝える術がない。
身体を求めるわけでも、言葉を求めるわけでもない、ただ君がいい、君じゃなきゃ意味がないんだ。
君という存在そのものが愛しい。

「ねえ、カヲルくんは僕のこと好き?」

言葉と音で脳内に刻まないと、不安定な気持ちが安定しない。
この感情そのものを君にそっくり伝えてしまえればいいのに。
優しい嘘をつくことも可能だということくらい理解している、それでも君は嘘なんてつかないと信じている。
意味のない嘘も、形のない見え透いた嘘も、全部言葉にすれば簡単にわかる。
着飾った言葉じゃ僕は涙を流せない。
共同体、君と僕は同じ、二人じゃなくて本当は独り、でも独りだから誰かを好きになれる。
君と僕は独りぼっちだからふたりぼっり。

「シンジくんはどう言ってほしいんだい?」

わかってるくせに、質問が好きなんだ。
君は本当のことしか言えない、嘘は言えない。

「シンジくん、僕はね、言葉にするよりもっと簡単な方法を知ってるんだ」

ほんの一瞬、触れるようなキスが僕の唇に触れた。
身体で表したって、僕の想いは全部は伝わらない。
ああ、君も僕も不器用だな。
ねえ、君はどうしてほしいの?僕はね、もっとたくさん君と触れあって、沢山の感情を生み出して、思い出を作っていきたいんだ。
君と僕しかいない思い出をつくりたい。
そこには他者なんて必要ない、お互いにお互いだけを求めあう世界。

「くすぐったいね、カヲルくん」
「ふふ、そうだね…」

こんな風なじゃれあいでもいい、少しエッチなことでもいい、君と僕だけの時間が欲しい。
永遠なんていらないけれど、この時間だけはずっと続けばいいのに。
君との夢が見れるなら、それは永遠でもいい。

「膝まくら、したいな…」
「…いいのかい?僕の膝は硬いと思うけど……」
「関係ないよ、カヲルくんの膝だからいいんだ」
「恥ずかしいね、シンジくん」
「うん、きっとカヲルくんだからだと思う」

けして柔らかいとは言えない膝に頭を乗せると君の真っ赤な瞳が見えた。
面白そうに笑ってから優しげに微笑んだ。
こんな何気ない姿でさえ愛しくて、涙がでそう。
どうしてこんなに泣き虫なんだろう。
目を閉じると草原が見えた気がした。
風が心地よくて、小鳥が歌を歌っている。
何でだろう、ずっと昔に死んでしまった母さんが傍にいるような気がした。
母さんは、僕にこんな風にしてくれただろうか。

「シンジくん…どうしたの?」
「え…?」
「泣いてるだろう?何か悲しいことでもあった?」
「あ…」

泣きそう、ではなくて泣いていた。
こんなに簡単に泣いてしまうなんて男の子失格かも知れない。

「ううん…違うんだ……」
「違う…?」
「うん…悲しくないいんだ…あのね、カヲルくん、人は悲しい時じゃなくても涙を流すんだ」
「悲しくないのに、かい?」
「そう、嬉しい時も涙を流すんだよ」
「シンジくんは今嬉しいのかい?」
「うん、嬉しいよ」

君との時間があって、母さんを思い出して。
君はもしかしたら、僕のお母さんなの?
そんな訳がないか、とおかしくなった。

「…泣くほど膝枕が嬉しいのかい?」
「うん…嬉しいんだ、凄く…もう少しこのままでもいい?」
「仕方ないね…」



Dreamer×Dreamer


僕が独りなら君も独り
僕がドリーマーなら君もドリーマー
だって、君と僕は同じ



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シンカヲでフリーリクエスト、甘えるシンジくんです
大変遅くなりました…




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