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恋愛スコープ


ニュースはいつも同じ話ばかり。
ぱっとしないキャスターに暗い内容、こういう人達はなにかあってからしか動かない。
なにかあっても動かないよりはましだけど。
世の中って退屈で嫌なことばっかりだ。
テレビを消してばふっとベッドに身体を投げる。
柔らかいシーツに身体が沈んで天井が見えた。
空なんて見えない。
世の中がもっと、好きでたくさんになればいいのに。
こんな腐敗した世界、悲しい音が溢れ返っているじゃないか!

「世の中、まだ捨てたものじゃないと思うよ」

渚がプリンを頬張りながら苦笑いをした。

「どうして?」
「よく見渡してみなよ、楽しいことって気づかないだけで結構あるよ」

僕は、バカだから見渡してもわからない。
世界は悲しいことが多すぎる。
君が知らないだけで、悲しいことが溢れてる。

「シンジくん、もっと肩の抜いて楽に生きなよ」
「生きてるよ」

嘘つき、とデコピンをされる。
ぺちっ、と弱そうな音を立てて僕の額を攻撃した。
さして痛くない。
でもデコピンをされて、なんだか悲しい気持ちになった。
なんで嘘つき呼ばわりされて、デコピンまでされなきゃいけないんだ。

「君って本当悲観的だね」
「そんなことない」
「僕はシンジくんといるの、好きだよ」

なんで、そう言おうとしてやめた。
だって僕も、渚といるのが好きだから。
だからきっと、そういうこと。
お互いに好きは通じ会えるってことなんだろうな。

「これって、悲しいこと?」
「…違うね」
「なら、僕とシンジくんが一緒にいるのは悲しいことじゃない」

ほら、楽しいことあるじゃない!
楽しそうに渚がヘラリと笑う。
肩の力を抜いて生きるってこういうことなのかな?
なんだか可笑しくなって、僕も笑う。
そうして二人でくすくすと笑い会う。
本当だ、思ったより、楽しいことは多そうだ。
世の中もっと、僕や渚みたいな馬鹿で頭がお花畑な奴がたくさん増えてしまえばいいのに!



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