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2月3日

2月3日といえば節分ときた。
そして節分、といえば…豆撒きに恵方巻だ。
まきまき尽くしだ。
その日のミサトのマンションはチルドレン4人が集まり、なにやら賑わっていた。

「みんな、できたよ!」
「さっすがシンジ、やるぅ!」
「見事な恵方巻きだね」
「……美味しそう」

その日は、年に一度の節分ということで、ミサトの計らいによりパーティが開かれていた。
パーティといっても大規模なものではなく、身内で集まって恵方巻きを食べたり豆を撒いたりしよう、というお楽しみ会のようなものである。

「あらぁ、よく出来てるじゃない」

ふらふらとおぼつかない足取りでキッチンまで歩いてくるミサト。
どうやらもう一人で始めていたらしい、酔っぱらっている。
片手には「今日は奮発!」と言って買っていたちょっとお高めのビールが握られていた。
勿論つまみは本人いわく経済的な塩である。
ここまでくると経済的ではなく貧乏のレベルだ。
出来上がった恵方巻きをリビングまで運び、テレビを着ける。
何かを察して、ペンペンが冷蔵庫の中から出てきた。
彼も恵方巻きが食べたいのだろう、ちゃっかりビールの缶を持っている。

「それじゃ、皆南南東を向いて〜」

ミサトの気が抜けるいただきますの掛け声にあわせ、皆で一斉に恵方巻きにかぶり着く。

「シンジにしては美味しいじゃない」
「アスカ、恵方巻きを食べてる間は喋っちゃいけないんだよ」
「あんたも喋ってんじゃない」
「……あっ!」
「まあまあ、この際いいじゃないか」

ジンクスなど無視して、皆でペチャクチャ喋りながら恵方巻きを頬張る。
それでもひたすら沈黙を守るレイからはいっそ信念を感じる。

「カヲルくん、恵方巻き美味しかった?」
「とても美味しかったよ」
「……あの、カヲルくん、よかったら僕の恵方巻きも…」

なにやらもじもじと頬を赤らめるシンジ。
僕の恵方巻き。
なにやら察したようなアスカは怒りで頬を赤らめる。

「〜っ、こんのバカシンジっ!レディの前で最低!」
「うわっ!」

テーブルの脇に置いてあった豆を思いきりシンジに投げつけるアスカ。
投げられた豆が周囲に散らばる
どうやら鬼は半強制的にシンジに決定したようだ。

「うわぁっ、カヲルくん、助けてよ!」
「……自業自得だね…」
「私も豆、投げていい?」

苦笑いするカヲルに豆巻きに参加しだすレイ。
横でひたすらビールを飲み続けるミサトにペンペン。
怒りながらも楽しそうに豆を投げてくるアスカ。
普段、使徒との戦いで忘れていた平和。
こんな風に笑い会える時間なのであれば、鬼の役も悪くはないな、とシンジは節分に感謝したのであった。



2月3日





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