ひとりぼっち、ふたりぼっち
ごめんなさい、心の中で繰り返した。
ごめんなさい、何度も何度も涙を流した。
ごめんなさい、僕が、僕のせいなんだ。
カヲル君が死んだ。
僕の目の前で、首から、思いっきり血を吹き出して、死んでしまった。
あんなに僕に優しくしてくれたのに。
八つ当たりをしてしまった時も、優しく受け止めてくれたのに。
一人で寂しかったときも、一緒にいてくれたのに。
二人で一緒に、ピアノを引いた。
二人で一緒に、星空を見上げた。
二人で一緒に、エヴァに乗った。
(あの時、槍を抜こうとする僕を止める君の話を聞いていれば、君は死ななかったの?)
どれだけ忘れようとしても、こびりついた油のようにべったりと君の記憶だけがあって、涙があとからあふれだしてくる。
(忘れたくない)
僕の身代わりになって死んでしまったカヲルくん。
どうして、彼じゃなきゃいけなかったんだろう。
絶望感と虚無感だけがぐるぐると渦巻いて螺旋階段を描いていく。
彼を考える度に胸がぎしぎしと傷みを感じる。
やっぱり涙はとまらない。
「ごめんね…」
「ごめんね…カヲルくん……」
謝ったところでなにも戻らないのはわかってるけど。
身体を丸めて抱え込む。
同じように身体を抱え込んでいた時も、君は優しく声をかけてくれた。
でも今は誰も優しく声なんてかけてくれない。
あるのは大人達の罵倒、かつて仲間だった女の子からの冷たい視線、蹴りのひとつ。
どれだけ何かをやっても全部裏目に出てしまう、なら僕はなにをすればいいの。
カヲルくん、寂しいよ。
「君を失いたく…ないよ…」
かすれた声で叫ぶように放った言葉は誰にも聞かれることはなく、空気と一緒にどこかへ消える。
何度も何度も、またごめんなさいと心で呟く。
僕は、君になにもできてない。
僕のせいで君が死んだも同然だ、本当はあの時、ああなるのは僕のハズだったのに。
失いたくない大切な、大切な、
「カヲルくん…ごめんね、ごめんね……カヲ、ル、く…」
ひとりぼっち、
ふたりぼっち
あの時、僕も一緒に死んでしまえていたら
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おもっくそネタバレ
ちょっと暗くしてみた
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