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復活でお題
何通りかの涙(過去)


情けない泣き笑いしか出来ない自分、苦笑いの山本、さめざめと両手で顔を覆い泣く獄寺君。そして、

「何処で育て方間違えたんだろうな……」

白くなり、虚ろに虚空を見つめぼやくスクアーロ。狭い我が家の居間に並んで座り、向かいに一人憮然と、堂々と、寧ろ畏怖や敬意すら抱く客人が座る。突然の、意図せずに訪れた予期せぬ客人に各々違う反応を示しているが、事実その心は一つだった。

『あぁ、やっぱり父親に似たのか』

ランボの十年バズーカ。別名『厄介毎招き道具』。今回も毎度の如くランボが遊びに来ていた獄寺君と喧嘩をし号泣。自身に向けバズーカを発射したのだが、発射口が反対だったのはお約束と云うか何というか。そして、発射された弾頭がシャーリィに着弾したのもお約束で、更に現れた未来のシャーリィに唖然と時が止まったのもお約束。

「ボンゴレ]世(デーチモ)、守護者の躾がなっていない様ですが」
「えっ、あの、躾って……いえ、すみませんでした」

ごく自然な動作でサングラスを外し、もはや睨んでいる。と云う言葉が合う鋭い深紅の瞳で責められ、素直に頭を下げる。いや、教育するのはランボのファミリーですよね?と云う当たり前過ぎる返しは多分、自身の命を縮めそうだから口にはしない。決して怖いからではない。殺されそうな眼力に屈したからです。
当の躾対象は自身の過失で現れた未来のシャーリィに固まり、ぎろりと見下ろされ絶叫して逃げ出した。なんて幸せな奴だろうか。よし、今日のオヤツ抜き!

「しかし、なんでまた私はこんな昔に飛ばされたのですか?ランボさんのバズーカならば十年前の筈ですよね」

口調は丁寧。それは約十六年後の未来から来たシャーリィと変わらない。艶やかな黒髪も深紅の瞳も、誰もが振り返る美貌も変わらない。全く変わらない。『自分達が知るシャーリィがそのまま大人』になっただけなのだから。

――そう


「また骸さんが改造したバズーカですか?」

背中の中程まで伸びた艶やかな黒髪を無造作に束ね、

「あの方も大概迷惑極まりない改造しかしませんね」

ルビーを流し込んだかの様な鋭い深紅の瞳を気怠げに細め、

「ボンゴレ]世」

かなり着崩したスーツを身に纏ったシャーリィは、

「骸さんに言っておいて下さいね。遊ぶのも大概にしないとかっ消す、と」

線の細いザンザスにしか見えない訳で、本来ならばかなり際疾く晒された襟元から覗くのは谷間なのに見えるのは白い肌。浮かび上がる鎖骨と緩く結ばれたタイ。……どっからどう見ても『良い男』。アレ?胸は?女性には聞いてはいけない質問が口から出そうになります。

「シャーリィ様…ッ!素敵な大人になりましたね……!」
「なんで泣いているんですか。……はい、まぁ、向かうところ敵なしです」
「ははっ、本当に格好良くなったな」
「武さんには負けます」
「流石はシャーリィだ。俺の目に狂いはなかったようだな」
「リボーンさんの教育のお陰です」
「……」
「………」
「………シャーリィ」
「なんですか、スクアーロさん」
「俺ぁ、これから頑張るからな」
「?よく分かりませんが、頑張って下さい」

これからのスクアーロさん内での教育方針が若干、と云うかかなり変わったのは仕方がないと思う。


※ないすばでーな女性ではなく、そのまま美丈夫となったシャーリィちゃんばーじょん
短くてすみません

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