☆special☆
2012.12.25 クリスマス ※神楽視点
はぁー…
息を吐くと真っ白に染まる。
ちょっとだけ、銀ちゃんの天パみたいネ。
くすりと笑って、両腕に抱えたカラフルな箱を抱きしめる。
銀ちゃん、びっくりするかな。
お帰りって抱きしめて…はくれないネ。金ちゃんじゃないんだから。
きっと、お腹でもボリボリ掻きながら
『よぉー。』
とか、それくらい。
でも知ってるネ。銀ちゃんは照れ屋だって事。
あれから随分月日が経って、万事屋にはもう銀ちゃんが一人ぼっち。
私はパピーと宇宙を巡ってエイリアンハンターの修行中。
新八もムシャムシャ修行？の旅に出てるって姐御が言ってた。
宇宙と地球の時間の流れは全然違うから、1年2年なんてあっという間。
背が伸びて、おっぱいもおっきくなったよ。
もう、さっちゃんやツッキーのおっぱいなんて羨ましくないネ。
…羨ましく、ない、ネ…。
ちょっと悔しいだけヨ。
エイリアンハンターのお仕事もちょっと落ち着いたから、銀ちゃんの顔を見に来たんだけど、
今日はクリスマスだって気づいて、プレゼントを買った。
酢昆布じゃないヨ。銀ちゃんの大好きなものネ。
自分で稼いだお金でプレゼントを買うなんて、銀ちゃん喜んでくれるかな。
ほんとはずっと心配だったヨ。
銀ちゃんを一人ぼっちにしちゃうこと。
ちゃんと食べてるかなとか、泣いてないかなとか…夜うなされてないかなとか。
銀ちゃんは寂しがり屋の癖に素直じゃなくて、絶対に誰かを頼ったりしないから
とっても心配だよ…。
傍にいてあげられなくて、ゴメンネ。銀ちゃん。
ギシギシと音を立てて懐かしい階段を上る。
もう、寝てるかな。
あ、マダオと飲みに行って留守かも…。
そっと玄関をあけると、
あった！銀ちゃんのブーツ。
…あれ？もう一足、黒い靴。
誰か来てるのかな。
でもとっても静か…酔っ払って寝ちゃった？
居間へと続く扉を静かに開く。
和室から薄明かりが漏れてる。
やっぱり寝てるみたい。
起こさないようにそっとそっと近づいて、細く開いた襖から和室を覗いた。
「…え？」
ひと組のお布団に、二人の影。
女でもひっぱり込んだのかと思ったけど、でも、玄関の靴は男物だった。
それに普通、彼氏が彼女を抱きかかえて眠るものデショ？
そうじゃなくて…銀ちゃんが誰かの胸に顔を埋めて寝てるみたい。
ドキドキしながら、そっと足を割り込ませ和室に入る。
ほんとはこんなことしちゃいけないのかも知れないけど、私ももう大人のレディだし、
銀ちゃんの相手が変なヤツだったら、叩き出すのが私の役目ネ。
少しだけお布団に近づいて…私はまた吃驚した。
銀ちゃんを抱きしめて寝ているのは、私の知っている男だったから。
「…マヨラ、アル…。」
男同士で抱き合っている事にもびっくりしたけど、
（あ、寝巻きは着てたヨ！よかったネ…。）
相手がマヨラでもっと驚いた…。
でも、ネ。
気持ち悪いとか、淫モラルとか、不思議と全然思わなかったヨ。
だって…銀ちゃんが、とってもとっても幸せそうな寝顔してたから。
ぎゅってしがみつきながら、とっても幸せそうに、とっても安心して眠ってた。
「…ん？」
「あ…。」
私の気配に気づいて、マヨラが目を覚ました。
すぐに私だってわかったのか、瞳孔を開いて（相変わらずネ！）一瞬固まった。
でも私が笑顔を作ると、マヨラもふわって笑ったネ。
こんな優しい顔するマヨラはじめて見たヨ。
それからマヨラは、銀ちゃんを指さしながら口をパクパクさせた。
多分『起こそうか？』って聞いたんだと思う。
私はぶんぶんって顔を横に振ってから、持ってきたプレゼントを枕元にそっと置いた。
銀ちゃんとお話できないのは残念だけど、こんな幸せそうに眠ってる銀ちゃんを起こしたくなくて。
こんな幸せそうな銀ちゃんの寝顔を見られただけでも、私は嬉しかったから。
だから、マヨラ。
明日になったら教えてあげてヨ。
夜中に可愛いサンタさんがやってきて、プレゼント置いて行ったよって。
銀ちゃん。
いい子にしてたら、また来年サンタさんが来るかも知れないよ。
だから、いっぱいいっぱい笑って、いっぱいいっぱい幸せな毎日を過ごしてネ。
来年はもう少し早く帰ってくるから、そしたら沢山話を聞かせてヨ。
マヨラとの惚気話、沢山聞かせてヨ。
私、楽しみにしてるからネ。
メリークリスマス、銀ちゃん。
[END]
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クリスマス更新です。
私もたまには、エロじゃないのを書くということですね(*´∀｀)
流石に14才の神楽には見せたくない現場(笑)だったので、
数年後という設定で書いてみました。
もう25日も夕方だけれども…みなさん、素敵なクリスマスをお過ごし下さい＾＾
2012.12.25 エル
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