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過去拍手お礼文
拍手お礼文[6-5(完結)]R18
注)R18
※性的表現を含みます。高校生を含む18歳未満の方は、閲覧をご遠慮下さい。※





冷えた身体を温めるようにキツク抱きしめると、ごく自然に銀時の腕が絡みついてきた。
見つめ合いながらゆっくり顔を近づける。

つい昨日までは当たり前のようにしていたキスが遠い昔のように感じて、心臓がどくどくと緊張を伝えてきた。

そっと唇を重ね合わせる。
暖かく柔らかな唇だった。

なにも、変わらない。
銀時の過去を知らなかった頃も、知ってしまった今も。
ほんのり甘いこの唇は、なにも、変わらない。

変わったのは、二人の心。
二人の絆。

ちゅっと音をさせて距離を取ると、銀時の瞳が不安そうに揺らいだ。
「そんな顔、するな」
「…やっぱ嫌なのかなって思って」
「バカか」
「むっ、バカなのは―――」
「…俺の方だな」
「んっ…」

もう一度唇を重ね、今度は深く堪能する。
舌で唇をなぞり、隙間から進入させると遠慮がちに銀時の舌が絡み付いてきた。

舌を濡らす唾液を啜り上げ、己の唾液を流し込む。
こくんと喉を揺らして飲み込み、もっとちょうだいと強請られ唾液の代わりに舌を奥深くまで滑り込ませた。

くちゅっ、くちゅっ
唾液の混ざり合う水音が鼓膜を揺らし、しびれるような快感が脳を乱す。
はぁっ、と息継ぎをして、口腔内を余すところなく堪能した。

やがて漏れ始める銀時の声。
目尻にはうっすらと涙が滲んでいる。
それを舌ですくいとり、頬に、鼻に、額に、キスを落とした。

乱れた呼吸をしながら、くすぐってぇと笑う銀時が愛おしくてたまらない。
過去に何があったとしても、俺だけに見せてくれる幸せそうな銀時がいればそれだけで十分だ。

これからは哀しい微笑みなんかさせない。
楽しいときだけ笑えばいい。
嬉しいときだけ笑えばいい。

身体を重ね合わせるたびに、幸せを感じて悦びの涙を流せばいい。

もう二度と、この手を離さないから。
お前の過去ごと俺はお前を受け止めるから。

だから全てを俺に委ねてくれ。
俺の全てをお前にやるから。

弱い俺を、卑怯な俺を許してくれたお前を俺は一生大切にしていく。
こんな俺だけど、どうか信じて傍にいてくれな。
「銀時…」
「ひじ、か…んぁぁっ…ッ」

銀時自身で慣らしたソコへ指を挿入する。
湧き出てくる潤滑液を掻き出して、唾液を流し込みながら指を奥へと挿れた。
ぐちゅぐちゅと水音を響かせながら蠢く銀時の体内。

慣れているという事実に甘えてしまいたくはない。
もう自分で準備する必要も、冷たい潤滑液を含ませる必要はないのだと教え込むように時間をかけて筋肉を緩ませていった。

「しつ、けぇ…」
そう文句を言われても止めてやらねぇよ。
我慢できない、欲しい、挿れて、と強請って腰を揺らし、甘い声が掠れるまで止めてなんかやらねぇ。

俺の指がお前のナカを覚えて、キモチイイところ全部擦ってかき混ぜてやるよ。

びくんっ
中指を挿入して折り曲げたところに、目的の場所があった。
ぐにぐにと刺激すればその度に強く身体を跳ねさせる。

悲鳴のような甘い声を引っ切り無しにあげながら、ぶるぶると震える太股。
たらたらと流れ落ちる先走りの液を舌ですくい、亀頭にしゃぶり付くと、
「んあぁぁ…あっ、あぁっ」
一際高い声をあげて白く濁った体液を勢い良く飛ばした。

「早ぇな」
ごくんと飲み干して、意地の悪い言葉を囁く。
「はぁっ、だって、はっ、はぁっ…すげ、きもち、イイ…あっ」
指を挿入したまま入り口付近に舌を這わせ、イッたばかりの竿をゆっくり擦ると再び固さを取り戻す。

「ひじ、か、た…」
「ん?」
「も、挿…はぅっ…挿れ…て」
「指ならもう入ってるぞ。3本」
「違、う…あっ、そこっ、やぁっ…」
ばらばらと指をナカで踊らせ、前立腺を刺激しながら広げて行く。
とろとろに緩んだソコは時折きつく指をしめつけ、もっと強い快楽を求めるように腰を揺らした。

「ひじか、た…も、いいから…んっあ…っ、あっ、あっ…」
「どうして欲しい?」
「お前っ、この、ドSっ…っ」
「じゃぁお前はドMだな。すげぇぞ、指3本咥えてうねうねと吸い付いて離してくれねぇ」
「言う、なぁっ…あっ、も、土方のっ…欲し、ぃ…っ」
「俺の、なにが欲しい?ちゃんと言えよ」
「……んあっ、やめ、っそれだめっ、て…あっ、んぁっ…」
「言わねぇとまた指でイかせちまうぞ?」
「やだぁぁっ…ぁあっ」

激しく枕に銀糸を散らしながら、震える太股で俺の頭を締め付けてくる。
限界を訴える声には泣声のような嗚咽が混じり始めた。

そろそろ、いいか。
何より俺自身が限界を訴えている。

布団の下に忍ばせてあったローションとコンドームを取り出し、指での緩い刺激を続けながら、歯でゴムの封を切った。

するすると被せたコンドームの上からローションを垂らす。冷たい刺激にぴくりとモノが揺れたが、構わず掌を当てて馴染ませながら温める。

指をゆっくりと引き抜き銀時の足を両手で開くと、ひくひくと誘う後穴に先端を宛がった。

「挿れるぞ。辛かったら言えよ」
「ん…挿れてよ…土方の、“モノ”が、欲しい…ッ」
「――っ…銀…っ」

目を瞑ったままの銀時にキスをして挿入の恐怖心から気をそらし、ゆっくりとモノ埋めていく。

ローションの滑りを借りて抵抗なく先端の半分が入ると、つるんと滑るように飲み込まれた。

「あ゛ぅ゛っ…」

その刺激に銀時が苦しげな声を上げる。
「悪ぃ、大丈夫か」
「ん、だい、じょ、ぶ…」
眉根を寄せながらも熱い吐息を漏らし、薄く瞼を開いて微笑んだ。
「我慢、すんじゃねぇ」
「して…ない…」
「嘘つくな」
「土方…俺、嬉しいんだ…」

―――嬉しいから、笑ったんだよ。

「んぁあああ…っ」
その言葉に理性が、飛んだ。

根元まで一気に挿入し、そのままぐりぐりと奥をかき混ぜ腰を引いて前立腺を潰しながら、再び最奥を突く。

あぅ゛っ、あっ、は…っ、ひぁ゛っ
性急な刺激に時折呻くような声を混じらせながらも、強くしがみ付いて俺を離すまいと腕を絡ませ爪を立てる。

結局、優しくなど抱いてやれない自分に苦笑いして、それでも悦楽に浸る銀時の姿が嬉しくて、更にスピードを上げ同時に銀時のモノへも刺激を与えながら肌と肌を激しくぶつけるように抜き差しを繰り返した。

泡だったローションが絡みつき、ばちゅんと音を響かせながら撥ねる。
ヌルつく肌を滑らせるように最奥を抉ると、がくがくと身体を震わせながら銀時が限界を訴えた。

「我慢すんじゃねぇ、思いっきりイケよ」
「あっぅ…あ、っ、ひじ、かた…も一緒が…いぃ、っああ…」
「…っ、可愛いこと、言うんじゃ、ねーよ。我慢できなくなんだろう、が」
「我慢す、んじゃね、ぇ…ん、あっ、おも、いきり…イ、け…――

――あぅ、も、で…る…っ!」

余裕かまして言葉を真似た銀時に仕置きをするように、前立腺とモノの先端を同時に潰した。キスをしかけても、逃れるように頭を激しく振って喉を反らす。その喉元に噛み付くと、喘ぎ声を上げる銀時の震動が直接唇を揺らした。

「イ…くぅぅっ…ひじ、か…んぁあああ…ッ」
入り口を強く締め付け身体を硬直させながら息を詰まらせ、掌に熱い体液を吐き出す。ぴゅくぴゅくと迸るたびに脈動するモノに連動して激しく痙攣する上半身。

それを十分堪能してから、俺も銀時の体内で思いの丈をぶちまけた…。


「悪ぃ、大丈夫か…?」

ん、はぁっ、はぁっ、と眉根を寄せたまま苦しそうに呼吸をする銀時の汗ばんだ前髪を掻き上げながら顔を覗き込む。

きつく閉じられた瞼に滲む涙。
目尻からツツー…と流れ落ち、耳へと流れていく。
行き場を迷っているようなその雫を親指ですくうと、んっ、と小さな声を洩らし、紅い瞳がゆっくりと顔を覗かせた。

少し宙を彷徨ってから、もう一度目を瞑って再び開かれた時には、まっすぐ俺を見つめて…。キスを落とすとウィンクをするように軽く瞼を閉じ、「くすぐってぇ」と笑った。

「大丈夫か」
もう一度、問う。

「心配してるのか、もう一度って意味か、どっちだよ」
そう問われて、未だ己の楔を銀時の体内に埋めたままだと気付く。
「わ、悪ぃ」
「くくくっ…いいよ、も少し、このまま」
「い、いやでも」
「このままが、いい」

引きかけた腰を銀時が掴んで引き寄せる。
その刺激に喉奥をぐっと鳴らして、照れくさそうに頬を赤く染めた。

「このまま、抱き合って眠りたい」
「え?」
「はじめて……土方と繋がれた時間をもう少し感じていたいから」

耳を擽りながら髪を撫で、銀時が呟く。
過去の行為が脳裏に浮かんでいるのか、切なそうに揺れる瞳。

そうだよな。行為をする度にどうしたって過去が浮かんでしまうだろう。辛いことも、苦しいことも、きっと一人で泣いた夜も。そして、後悔の念も。俺と幸せな時間を過ごしたとて、行為そのものは過去の記憶を呼び覚ましてしまう。封印した記憶の扉をこじ開けてしまう。

だから、違うのだと。
今は、違うのだと。

己の体内に埋め込まれているモノが、確かに俺のモノなのだと。
辛い過去を塗り替えるために、新たな記憶を確かに刻み込むために、繋がったままいる事を望んでいるのだろう。

「ダメ、かな。土方、辛い?」
「バカか」
「む、バカなのは土方の方なんだろ」
「いや、やっぱお前もバカだ」
「なんで、だ…よ…っ」

文句を言う唇を塞ぎ、直接言葉を送り込んでいく。

辛いわけ、ねぇだろ。
繋がれて嬉しいのは、お前だけじゃねぇ。
離れたくないと思っているのも、お前だけじゃねぇ。

それなのに。
“ダメかな”
なんて
“辛い?”
なんて
問うお前は、やっぱりバカだよ。

これから先、俺と繋がるたびにお前は過去を思い出してしまうかもしれない。
でもいつか、繋がることが喜びだけに変わるまで。
いや、それから先もずっとずっと、幸せな時間を積み重ねていこうな。

「く…くさいセリフ。くくっ…」
「いいんだよ」
そうやってテメェが笑ってくれるなら、どんな言葉だって照れずに言ってやる。

「…じゃぁ、もう一つ、くさいセリフ言ってくれねぇ?」
「いいぜ。何て言って欲しいんだ?」

あのさ―――

耳元に囁かれた言葉は

たった5文字の決め台詞。


『     』


[END]
拍手、ありがとうございます!
そして、拍手お礼文での連載にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!2013.2.8


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