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SILVER SOUL
第83訓 コーコーセイだって悩んでる※同級生パロ
第八十三訓「コーコーセイだって悩んでる」
同級生パロ  携帯サイト一万打御礼企画 アンケート同率一位作品
※高銀表現有※


 

「なぁ、土方。ちょっと寄り道していかねぇ?」

部活の帰り道。
近藤さん達と別れて、ここからはいつも坂田と二人きりになる。
俺にとっては貴重な時間だ。

何故なら密かに思いを寄せているから。
同性である、坂田銀時に。

はじめての出会いは中学生の時。剣道の交流試合だった。
互いに副将を務める俺と坂田。

結果は、坂田の圧勝。
流れるような剣捌きに俺は手も足も出せぬまま一本取られてしまったのだ。
竹刀を圧し折られるというオマケ付きで。

唖然として、だけど悔しくて、一体どんな奴なんだと睨みつける。
強烈な印象だった。
試合を終えた途端面を脱いだ対戦相手。
汗一つかかず、ふわりと現れた銀色の髪。
気だるげな表情と相反する紅い瞳。

刹那、恋に落ちた。

男同士とか、そんなもんは微塵も気にならなくて。
早く手に入れたくて、どうしたら手に入るのか、そんなことばかり考えていた。

 

「土方?」
「あ、ああ悪ぃ。寄り道ってマックとかか?」
「うーん…カラオケがいい、かな」
「はぁ?お前歌なんか歌うの?」
「いんや。ちょっと人に聞かれたくねぇんだよ〜」
「ふーん…まぁいいぜ」
「よっしゃ。じゃ、お前の奢りな!」
「何でだよ!!」

いつものたわい無いやりとり。
でもカラオケで二人きりとか、ちょっとドキドキするな。

人に聞かれたくない話…まさか、告白、とか。
いやいや、まさか。

こうして同じ高校に入学して友達になれただけでも奇跡だっつーのに。
そんな上手い話、あるわけ、ねぇ。

それでも鼓動が早まるのを抑えきれず、駅前のカラオケへと向かった。

 

「あの、さ」

ワンドリンクが運ばれてくるのを待って、坂田が重い口を開く。
コクンと飲み込んだ甘いイチゴミルク。
波打つ喉にさえドキドキする。

あの首に齧り付きたいとか、濡れた唇にキスしたいとか。
それがちょっと出来てしまいそうなこの空間で、対面座りの距離がもどかしい。

いや、たとえ隣に座っていたとて、叶う夢ではないのだけれど。
「あの、さぁ…」
「な、なんだよ」
「土方、さぁ…男同士の恋愛ってどう思う?」
「ブハッ!!」
「うわっ、汚ねぇ!吐くなよ!」

いや、吐くだろ、普通。
飲みもん思いっきり鼻に入った。
痛ぇ。

て、てか。
ななななな、なんだって!?

男同士の恋愛ぃぃぃ!?

だ、大歓迎だ!!

…とも言えず、俺は至って冷静に(いや、ブハッとかなった時点で冷静でもなんでもないんだが)
「ど、どどどどどう思うって、どどどど、どういう意味だ?」
と、聞き返した。

「お前、動揺し過ぎ…って、するか、普通」
「あ、悪ぃ。鼻が痛くて」
「いや、意味わかんないんだけど」
「ゴホンッ。で?男同士の恋愛が、ど、どうしたって?」
「軽蔑、されっかもしんねーけど…俺、好きな奴、男がいるんだよね」
「ブハッ!!」
「ちょ、何やってんだよ、もぅ」

再び飲みもんを吐き出した。
もう、飲みながら聞くのは止めよう。

ハンカチで濡れたテーブルを拭きながら、再び冷静を装う。

…ことなんて、出来るか!

なんだと?好きな男がいる?
そ、それって、まさか、もしかして…。

カラオケに二人きりのこの状況で、そんな話題を出すって事は、もももも、もしかして。
否が応でも期待に胸が膨らむ。

「あ、あのよ、坂――」
「好きな奴ってか、付き合ってる、んだけどね。一応」

…は?

「お前覚えてるかなァ。中学の時試合しただろ?ンの中で大将やってた高杉って奴」
「高…杉」

近藤さんを5秒で倒し、フンッと笑いやがったムカつく男。
俺達の間でしばらく『MK5<エム ケイ ファイブ>』(マジで 殺したい 5秒前)というあだ名がついた男だ。

あ、あれが坂田の、彼氏ィィィ!?
マ、マジでか…。

「俺、アイツと幼馴染みたいなもんで…高杉ってさ、悪ぶってる癖に意外と優しくてさ、気付いたら好きになってて…」
「……(優しい!?何処がだ)」
「中学卒業する時、告白したんだよね。進学は別々だったから、もし気まずくなっても大丈夫かなって思ってさ」
「……(坂田から告白されるとかMK5(マジで殺したい5回ほど)!」
「そしたら、さ。いいぜって言われて」
「……(高ビーな奴め!MK5(more 殺したい 5回じゃ足りねぇ)だ!」
「でも、さ。俺は女が好きだから1番にはしてやれねぇぞって」
「え?」
「まぁそれは、仕方ないし、やっぱ好きだからそれでも良いって付き合うことになったんだ」

1番にはしてやれない?
そんなの、恋人って言えんのか?

「おい、坂田。それっておかしいだろ」
怒りで手が震える。
俺が惚れてる奴が別の男と付き合ってるってだけでムカつくのに、大事にされてねぇなんて。
許せるわけねぇだろ。

「あ、だけどアイツ、特定の彼女作ったりしねぇから。なんつーかとっかえひっかえ?モテんだよな。俺と違って。あはは」
あはは。じゃねぇ。
無理して笑ってんじゃねぇよ。
そんな顔させる奴に、惚れてんじゃねぇよ。
思わず口をついて出そうになるのを唾と一緒に無理矢理飲み込んだ。

「でも俺とはずっと付き合ってるし、まぁ事実上の1番みたいな?そんな感じなんだよね」
なんだよ、事実上の1番って。やべぇ、我慢できそうにねぇ。

俺なら、俺なら…ッ

「でさ、それはさ、いいんだけど…最近さ、キスとか、カラダを求めてくるようになって…。付き合ってんだからいいだろ、みたいな。でも、さ…どうしても踏ん切りつかねぇんだ…」

両手で握りしめる坂田のグラスから、カランと氷が崩れる音がした。
冷たさではない、震え。
小刻みに震える両の手。

その手を今すぐ包み込みたくて、押さえ込んでいた感情が決壊寸前。

でも、

友達という立場さえ失ってしまうかもしれない。
言葉も交わせぬ距離になってしまうかもしれない。
そんな臆病な自分が、ギリギリ体の動きを塞き止めていた。

「どんだけ好きでも、平気で色んな女抱いてる男に、さ。体開くとか…俺だって男だし、やっぱ男が男に体開くってすげぇ勇気いることだし、どうしても出来なくて」
んなの当たり前だ。高杉の方がどうかしてる。
まるでセフレ扱いじゃねぇかよ。

「けど、好きならできんだろって言われて…そうなのかなって思ってでも出来なくて…俺、このままじゃ高杉に振られちまう…」

 

「振られりゃいいじゃねぇか」
「…え?」
「振られちまえよ」
「な、に…」

気づいた時には、言葉が暴走を始めていた。

決壊した感情を、もう、塞き止めることなど出来なかった。

「つーか、テメェから振っちまえ。んでもって…」
「ひじ、かた…?」

「俺に、しとけよ」

ずっと秘めてきた思いが溢れ出す。
溢れて溢れて、言葉だけじゃ足りなくて。

ガタンと席を立ち、零れる飲み物もそのままに、俺は坂田の手を引いて…そっと抱きしめた。
テーブル越しの格好悪い態勢。
このテーブルがまるで俺の前に立ちふさがる高杉のように思え、ゴンと足を乗せて踏みつけ、きつくきつく坂田を抱きしめた。

「俺ならお前にそんな思いさせねぇ。俺にとってお前は1番だし、女なんかに手を出したりしねぇ。お前だけを見て、お前だけのモンになってやれる」
「土方…なに、言って…」
「だから、俺にしとけ」
「え、え!?いや、あの、それって、あの…」

「テメェが好きだ、坂田」

カラン

再び崩れるグラスの中の氷。

その氷のように、俺達の関係は…崩れた。

もう、もとには戻れない。

後悔はねぇ。
コイツをこのまま高杉の野郎に奪われちまうくらいなら。
俺が掻っ攫ってやる。

俺が坂田の震える手を、止めてやる。

「好きだ」

もう一度はっきりと、目を見て告白した。

揺れる紅い瞳から、溶けた氷のような雫がポロリと落ちて。
イチゴミルクの中に吸い込まれていった。

 

その週末、坂田は部活に顔を出さなかった。

あの日、あれからどうやって別れたのか記憶が曖昧で、ただ、そっと腕を振りほどかれた事だけ鮮明に覚えている。
携帯電話を握りしめ何度も電話をしようとした。何度もメールを送ろうとした。
けれど何を言えばいいのか、何を書けばいいのか全くわからず、ディスプレイの上で指を遊ばせている間に時間だけが過ぎていった。

 

「あれ?オイ土方」
「総悟テメェ、先輩って付けろ」
「犬の餌先輩」
「オイ」
「あれって、坂田先輩と…MK5じゃねぇか」
「え!?」

日曜の夕暮れ、坂田のいない部活を終え帰り道を総悟と歩いていた。
総悟の言葉に視線を移す。
ドクンと心臓が胸を叩き、強く握りしめた手に爪が食い込んだ。

二人は人目につき難い公園のベンチに腰掛け、寄り添って手を繋いでいた。

結局、坂田は高杉を選んだって事か。
俺の決死の行為は、坂田の思いを高杉へと強く向かわせただけだったのか。

部活まで休んで、一緒に居たいと思うほど。
坂田は高杉に惚れて、んだな。

フッと口から空気が漏れて、握り拳が力を失った。

もともと俺の片思いだ。
坂田が幸せならそれでいい。

その幸せを邪魔してまで、俺は自分の思いを遂げようとは思わない。

それ程に惚れているのだ。
それ程に大切なのだ。
坂田が。

「オイ、総悟。行くぞ」
「え?いいんですかィ?」
「…何がだ」
「…いや、別に」

視線をそらし、視界から二人の姿を消去する。
そっと二人に背を向けた。

 

その時、

「やめ…ッ!」

坂田の声が聞こえ、再び視線を向ける。
手を繋いでいただけの二人が抱き合い、いや、高杉が坂田を抱き寄せ頬に手を当て、その腕の中で坂田がもがいていた。
顔を必死に叛けながら。

「あ、いつ…ッ」

俺は走り出していた。

総悟の声が背後から聞こえたが、そんなことどうでも良かった。

高杉が坂田に無理矢理キスを迫っている。
坂田はあんなに悩んで迷っていたのに。

他の女に触れた唇で、坂田を穢そうとしている。
自分の欲望のままに。

俺はそいつが、どうしても、許せなかった。

「坂田ーっ!!」

突然聞こえた俺の声に、坂田だけでなく高杉もこちらを振り向く。
だが、そんな高杉の事はガン無視して、坂田の腕を取り引き剥がした。

そして、

そのまま引き寄せ、

胸の中に坂田をすっぽりと収める。

高杉が射抜くように睨みつけてくるのを感じた。
そんな高杉へ視線を投げつけ、

「フンッ」
と、笑って見せてから、俺は坂田の顎に手を当てゆっくりと、見せ付けるように唇を合わせた。

「ん!っ、ふぅ…」
一瞬硬直した坂田の体。
けれど次第に力が抜け、両手がぎこちなく腰を掴む。

薄く目を開くと、坂田は器用にも高杉からは見えない方の目尻からポタリ、ポタリと透明な雫を落としていた。

どれくらいの時間そうしていただろうか。
多分、1分にも満たない。
ちゅっとリップ音を立てて離れていく唇。

ハァ…と熱い息を吐いて見つめ合う。
坂田の瞳は赤く充血していた。

「やっと終わったかよ」

その声に現実へと戻され、二人して高杉を見やると、奴は携帯を弄りながら興味なさ気な態度をしていた。
こんな時まで余裕ぶっこいて心底ムカつく野郎だ。

坂田の手を強く握りしめ、テメェには渡さねぇ、そう言ってやろうと口を開いた時、先に言葉を発したのは奴の方だった。

意外な、言葉だった。

「土方、だよな」
「…それが?」
「銀時に惚れてんのか」
「ああ、惚れてる」
「テメェにとって銀時は1番か」
「当たり前だ。つか、2番とかいねぇし、いらねぇし」
「そうか。じゃ、そいつを頼むわ」

…え?

「銀時よかったじゃねぇか。俺ァ、どう頑張ったって恋人としてお前を1番にはしてやれねぇ。…俺だって…いや、んなこと言っても仕方ねぇか」
「高、杉…」
「悪かったなァ。けど、俺なりに、俺はお前が好きだったぜ」
「そ、んなの…今更言うなんてずりぃよ!」
「俺ァずりぃ男なんだよ。知ってんだろ。つーことで、土方、銀時を…よろしくな」

「ちょ、待ッ」
「待てよ、高杉!」

俺達の制止を無視して、高杉は両手をポケットに仕舞い込み颯爽と歩いていく。

が、少し行ったところで急に立ち止まり、
「ちゃんとした恋人にはなれなかったがよ。銀時、お前は俺にとって一番の…悪友だ」
「高杉…」

「それだけは絶対に譲れねぇ」
ギリギリ視線を送れるだけ俺の方を振り向きながら、
「…覚えときな」
と、言った。
最後にフンッと笑うオプション付きで。

ムカつくその姿は、すぐに夕闇に吸い込まれて見えなくなった。

「上等だ、この野郎」

 

「ほい、土方。コーヒー」
「…お、おぅ。…あ、金」
「いいよ。お礼」
「礼?」
「こないだカラオケ奢ってもらったし」

…ああ、あれ。結局俺が払ったのか。覚えてねぇ。

すっかり日の落ちた公園のベンチに並んで座る。
缶一本分、距離を空けて。
この微妙な距離が、もどかしい。

「さっきよ…その、悪かったな」
「キス?」
「ブハッ!!」
「…それ、流行ってんの?」
「わ、悪ぃ」

“もぅっ”なんて文句言いながら汚れたズボンを拭いてくれる。

…俺の上着の裾で。
それ、意味あんのか?

「なんでキスしたの?」
「テメェが高杉の野郎に、無理矢理キスされそうになってたのを見て…体が勝手に動いた」
「…で、キスしたんだ」
「…おぅ」
「…それ、意味あんのか?ぷぷぷ…結局キスされてんじゃん、俺」
「…あ」
「あ、じゃねぇよ。ったく。それに俺、高杉にキスされそうになんかなってねぇよ?」

は?
「い、いやだって、抱きしめられてもがいてたし、止めろって聞こえたぞ?」
「ここ」
つんつんと、指で首の付け根辺りを突いた。
そこには、
「蚊」
に、さされたような赤い痕があって…
「こいつにさ、高杉が指で無理矢理バッテンつけようとして、だから止めろってもがいた」
「……う、そだろ」
「ほんと。確かにアイツ、キスさせろとかヤらせろとか言ってたけど、俺が本気で嫌がる事はしねぇよ?」
「す、すすすすす、すまねぇ!」

俺の早とちりだったとは。
寧ろ、無理矢理唇を奪ったのは俺の方だったとは。

俺、最低じゃねぇか。
高杉なんかよりよっぽど、酷ぇ。

「でも、ありがと、土方」
「え?」
「なんか、踏ん切り、ついた」

コクンと缶汁粉を飲みながら、星の瞬く夜空を見上げる横顔が街灯に照らされはっきりと映る。
緩く口角を上げて微笑む坂田の顔は、少し寂しそうで、けれどどこか晴れやかに見えた。

「実はさ、昨日の夜、高杉の家に泊まったんだ。…覚悟、決めて」
「そう、か」
「でも、結局、できなかった」
「…どうして、って、聞いてもいいか?」
「カラオケで土方が言ってくれた言葉が、浮かんでさ…。あ、あの、裸で抱き合ったんだけど、高杉と…でもそしたらさ、目瞑ると…お前に抱きしめられてる映像が浮かんで…」
「坂、田…」
「おかしいよな。俺は高杉が好きで、高杉に抱きしめられてんのに、お前が頭に浮かぶの。…だから、やっぱり、できなかった」
坂田の手が、くるくると缶を回す。中で揺れる汁粉は、坂田の心を映しているのだろうか。

「わかる?」
「え?」
「鈍いな、土方。くくく…」

どくん、どくん。

坂田の意図はさっぱり読めねぇのに、鼓動だけが早く、強くなる。

「女に手をだしてる高杉に抱かれるのを拒否したんじゃなくて、土方が頭に浮かんだから、高杉を拒否したんだよ」
「それ、って…それって、お前…」
「俺、土方のこと、好きになっちまったみてぇ。はは。おかしいだろ?」
「おかしくなんかねぇ!ちっとも、おかしくなんか、ねぇ!」「ずっと、高杉が好きだった、のに…自分の心がこんなに簡単に、こんなに早く変わっちまうなんて、おかしい、よな」

缶一本分の距離が瞬時に消える。
隙間なく体を寄せ、坂田を思い切り抱きしめた。
「うわ、危ねっ、零れるって!」
構いや、しねぇ。
汁粉だろうが、コーヒーだろうが、服なんか汚れたって構いやしねぇ。

「おかしくねぇっつってんだろ。俺が一番、坂田に惚れてんだ。だから、お前の心が俺に向いたって、ちっともおかしくなんかねぇんだよ」
「土方…いいのかな、俺、いいのかな、流されちまって、いいのかな」
「流されてくれよ、頼むから。俺が全力で受け止めてやっから」
「…うん」
「やべぇ、やべぇ、すげ、嬉し…ッ」
「うん…うん…あり、がと」

缶を握りしめている坂田の手を包み込むと、震えてはいなかった。
指をゆっくり剥がして汁粉を受け取り、コーヒーと並べて手探りで背側へ置く。

高杉が触れていた頬の温もりを打ち消すように手を伸ばし、首元へと滑らせる。
「くす、ぐってぇ」
片目を瞑って身を捩る坂田が可愛くて、好きで好きで堪らなくて。
「…ぎ、んとき…」
俺は初めて名前を呼びながら、ゆっくりと顔を寄せた。

そっと閉じられていく、揺れる紅い瞳。
瞼の裏に隠しちまうなんて勿体無ねぇ。
「目、閉じるな…薄くでいい、開いて…」
ピクリと指が動き、銀時の動揺が伝わる。
けれど、素直に瞼を少し上げ、ちらりと視線を送ってから、
「ハードル、高ぇよ」
文句を言って、恥ずかしそうに瞳を伏せる。

 

この瞳に俺は、一瞬で恋に落ちた。

 

ああ、やっと、やっと、やっと、手に入れたんだ――

 

紅い瞳を真っ直ぐに捕らえ、二度目のキスをした。

 

[END]
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一万打御礼企画アンケートにご協力下さった皆様、読んで下さった皆様、そしてサイトにお越し下さる全ての皆様に心から感謝∞!!

2013.4.3 エル


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