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SILVER SOUL
第68訓 恋とは塩を砂糖と勘違いし続けることだ ※R18
※性的表現を含みます。高校生を含む18歳未満の方は、閲覧をご遠慮下さい。※
UP当初は細切れの3部作でしたが、1本に纏めました。2013.1.16





「じゃ銀ちゃん、行ってくるアル〜」
「はいはい。お妙によろしくな」
「はいヨ〜」

ガラガラ。ピシャン。

ふぅ。しっかしアイツらウノ好きだねぇ。
毎度毎度夜通しウノ大会とか、付き合いきれねぇわ。

「さてと」

久しぶりに1人の時間を満喫するとしますか。
まったり静かに独り飲みってのもいいけど、それは神楽が寝てからでもできるわけで。

男が1人でヤルことっつったら、やっぱアレだよなぁ。
「ニシシシシ…」

こないだ借りたアレがやっと観られる。
観る前に返却日がきちまったらどうしようかとヒヤヒヤしちゃったよ。

口元が緩むのもかまわず、押入れの中をゴソゴソと探る。
ガラクタの中へ巧妙に隠していたソレを引っ張り出し、はやる気持ちを抑えきれずバタンッと押入れを閉めた。

『ケツの穴まで大雨警報(縛って叩いて奥まで突いてぇ〜)』
ぐふふ。
これ探すの苦労したんだよなァ。結野アナに似てる女優のSMモノ。

期待に胸…つーか、別のところが膨らんじゃうね。ギンギンだね。銀さんの息子だけに!

手にしたAVをひらひら舞わせながら居間へ行き、プレーヤーにセットする。
制作会社のロゴや、冒頭に女優がニコニコしながらつまらない質問に答えてる映像なんて勿論早送りだ。
アイドルのビデオじゃねぇんだから、こんなシーンに興味は無い。

俺が見たいのは、アハン、ウフン。それだけだ。

なんとも安っぽいBGMが流れ、やっと始まるストーリー。
おお…職場で犯されるパターンか。

画面を食い入るように見つめながら、いそいそと下着を脱いだ。
勿論手の届く範囲にティッシュもスタンバっている。

 

『あ、あんっ、やっ、痛いっ…はぁっ、あっ、やめ、てぇぇ…あん』
「…」

『ああああーっ、壊れちゃうぅぅぅぅ』
「…」

『やぁっ、切れちゃうっ、…あ、あっ…』
「…」


……
………

「おかしいっっっ!」

なんで?どうして?
ちょ、オイ、嘘だろ。
誰か嘘だと言ってーーーーっ!

結野アナ似の女優が、縛られ叩かれ突っ込まれてイヤイヤ言いながらアンアンしているというのに、
あろうことか俺の…俺の息子がストライキを起こしている。

だるんと力なく垂れ下がったまま、ピクリとも動かないというか、成長していかないのだ。

「おーい、仔銀ちゃーん。そんな柔な子に育てた覚えはありませんよー?」

ぷるん、ぷるん

指で弄ってみるも、深い眠りから覚める様子はまるでない。
そういや、息さえ乱れず、心拍数もまったく上がらない。

普通こういうの観たら、ハァハァして、ギンギンになって、バクバクしてくるもんだろ。
むしろ冷めていくってどいういうこと?



いや。
いやいやいやいや、まさか。
まさかそんなことあるはずない。

きっとアレだよ。そうだよ。
俺、結野アナの大ファンだからさ、なんかちょっとした罪悪感で、理性が勝っちゃってるだけだよ。
銀さん意外とナイーブだから。

うん、違うの見よう。昔誰かに借りたヤツ。
もう何度も観たけど、アレならきっと息子も元気になるはずだ。

下半身を露出したままという滑稽な姿で、もう一度寝室の押入れを探る。
ナースのお尻をムチでガンガン叩いて、蝋燭垂らしちゃうヤツ。
パッケージ裏に「たけし」って書いてあるヤツ。

…たけしって誰だっけ。

まぁいいか。

ルンルンしながらプレーヤーにセット。
余計なシーンは既にカット済みで、いきなり激しいプレイから再生される。

誰か覚えてないけど、ナイス編集だ。たけし君。

 



……

………

「なんでだーーーーーーっ!!」

ねぇ、なんで?なんで反応しないの?
仔銀ちゃん、反抗期なの?
どうせ反抗するなら、ガンガンいこうよ。
そんな世を儚んで項垂れるんじゃなくてさ、中2バリに世の中全てを敵に回しているような尖った感じになりましょうよ!

ぷらぁぁぁん…

だめだ…仔銀が完全に引きこもり状態になってる。
皮の中で自宅警備員になっちまってる。

 

それからの俺はとにかく必死だった。

数少ないエロ本をペラペラ捲ってみたり、布団に入ってありとあらゆる妄想を繰り広げてみたり、
強硬手段でしゅこしゅこしてみたり。

しかし、なにをしても、なにを思い浮かべても、
俺の息子が反応してくれることは、終になかった。

 

俺、病気かもしれない。

きっと、EDになっちゃったんだ。
糖尿気味が災いして、勃起不全になっちまった―――

 

 

ふぁぁ…あー、ねみぃ。
ここ何日もまともな睡眠時間取れてなかったからな。

それでも目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまう自分が恨めしい。

枕元の時計を確認すれば朝6時。
習慣というのは本当に恐ろしものだ。

「…二度寝するか…」

ふぁぁ…。
どうせ今日は非番だしな、と、もう一度大きな欠伸をしてから目を閉じた。



……

………

あれ?

ごそごそ。

あれ?あれあれ?
右手の感触がなんか…変だ。

…いやいやいやいや、ナイナイナイ。
ンなわけねぇよ。俺まだ現役だからね。

警官がって意味じゃなく、ほら、アレだよアレ。
警棒…的な?刀…的な?

いくら疲れてるからって、いやむしろ、疲れてるからこそってもんだろ普通。
男ってそういう生き物だからね。自然の摂理だからね。

ごそごそ。

だらん。

えいっ

だらん。

…嘘、だろ。

あー…まぁ、誤解しないで欲しいのだが。
俺は別に朝からアレをソレするつもりで触っていたのではない。

男ならわかると思うが、寝るときとか無意識に触っちまってるモンなんだよ。
なんとなーく手がいって、その、落ち着く、んだな。
触り心地もいいしよ。

だから変な意味じゃねぇって、ほんとに。
因みに、自分のアレ限定だかんな。
俺とコイツは、生まれた時から固い絆で結ばれてんだよ。
一心同体なんだよ。

…一心、とは限らない、か。

そう!まさに今、そんな状況だ。

あー…その、つまり、だな?
朝の自然現象が、だな…不自然現象になっちまってるっつーか。

警棒じゃなくなってるっつーか、むしろ棒ですらないっつーか。
もともと棒じゃねぇけど。

モノの例えだ。わかるよな?

「…って俺、さっきから誰に向かって言ってんだ…」

自慢じゃないが、コイツの朝は早く、俺の目覚めを“起立”して待っててくれるんだよ。
にも関わらず、今日のコイツはまるでどっかの誰かさんの如くだらんとしちまってる。

…あ、今嫌な奴思い出しちまった。
モノの例えとは言え、例えが悪すぎた。
断じて違う。俺のコイツは、あんなムカつく野郎ではない。
むしろ、愛おしいことこの上ない。

畜生。気分悪ぃ。
あのニヤついた顔が頭から離れなくなっちまった。

「…あれ?」
心なしか…息子が…膨らんで…
オイオイオイ、なんてタイミングで力を取り戻そうとしてるんだよ。
アイツの顔が浮かんでる時に止めてくれ。頼むから。

・・・。
ちっ、完全に誤作動おこしてやがる。

あーもう、やめやめ。
寝よう。こういう時は一度電源をオフにするに限る。

二度寝して目が覚めたら、きっとコイツも正常に起動する筈だ。
「よーし、寝るぞー。いいか、寝るんだぞ仔トシ。いい子は寝んねしな〜だ」

よしよし、と、息子を撫でながら俺はいつしか夢の中へと落ちていった…。

 

ふぁぁぁぁ…
よく、寝た。
枕元の時計を確認すると、お昼近く。
腹も減ったし、そろそろ起きるか。

おはよう、仔トシ君。


……
………

 

って、起きてねぇぇぇぇぇ!!!!!!

 

 

くっそ、最悪だ。
折角の非番だというのに、何故こんなどんよりした気分でいなければならないのか。

結局二度寝しても下半身は起動せず、唯一その膨らみを感じたのが天パを思い浮かべた瞬間だけだった。

部屋に篭っていても気分が晴れるはずはなく、机に溜まった書類がなお一層それに拍車をかける。
丁度昼時だし気晴らしに外へ飯でも食いに行くか。
気持ちを切り替えるようにピシッと着流しを身に纏い、部屋を出たところで野太い声に引き止められた。

「近藤さん」
「今日は随分ゆっくりだったなァ。丁度今、お前を起こしに行こうと思ってたところだ」

おいおい、非番の俺を起こしに来るとか止めてくれよ。
今日くらいのんびりさせてくれ。

その思い虚しく、近藤から告げられた言葉が更に土方を憂鬱にする。

万事屋に行って来てくれ。

確かにそう言われた。
一瞬自分の耳を疑ったくらいだ。

ただでさえ今は、あの天パに近づきたくは無い。
誰に知られているわけではないが、下半身がアイツで反応しかけた(断じて、反応“した”のではない!)のだ。
しばらくは絶対に会いたくないと願うのは、当たり前の反応だろう。

「勘弁してくれよ、近藤さん。万事屋に用があるのなら、自分で行ってくれ」
頼むから!
「それがな、とっつぁんの呼び出しをくらっちゃってよ。丁度外へ行くところなら、ついでに寄ってくれないか?」

疑問系の言葉を投げてきた割に、有無を言わさず手渡された茶封筒。
「これは…」
「ほら、この間万事屋にちょっと世話になったろ。一応、謝礼を、な」
「はぁ?あれはあいつらが勝手に首を突っ込んできただけだろ」
「まぁそう言うな。助けてもらったことは事実だし。この一部が新八君の給料にもなるんだから」

…はぁ…それが狙いかよ。
遠回しにあの女に媚売りたいだけじゃねぇか。
それなら益々、自分で行って欲しい。

「じゃ、頼んだぞ!」
「あ、おい、近藤さん!」

ぶちぶちと心の中で文句を言っている間に、断る期を逃してしまった。
チッ、仕方ねぇ。

近藤さんの頼みを無碍にすることなど結局自分にはできないのだ。

はぁー…、と溜息をついてから、重たい心を引きずりつつ玄関へと向かう。
留守であってくれればいいと願いながら。

 

 

「…なんでいるんだよ」
「あァ!?」

EDの疑い晴れず未だショックから立ち直れない銀時がズボンも履かずソファで灰になっていた時、誰かの来訪を告げるチャイムの音が鳴り響いた。
抜け殻のようになっている銀時に身形を気にする余裕はない。
幸い着流しのお陰でパッと見でノーパンだとわからないのが救いだった。

依頼かもしれない…。
万事屋の主人たる(僅かな)自覚が重い腰をあげさせ、のらりくらりと玄関へ向かい扉を開いた瞬間、聞こえてきた第一声が土方のソレであった。

「…なんでいるんだよ」
「あァ!?」

苛立った声をあげたのは言うまでもない。
来訪してチャイムを鳴らした本人に“なんでいるんだ”と言われたのだ。

住人が在宅しているのは当たり前で。
来訪するという事は、その住人に用がある筈だ。
それなのに在宅していることを咎められるとは、誰がどう考えても腑に落ちない。

ガラガラ。

銀時は無言で扉を閉めた。
…いや、閉めようとした。

スっと隙間から差し出されたモノに驚いて手が止まる。
茶封筒…?
反射的に扉から手を放し受け取ると、ガラガラと再び音を鳴らして扉が開かれた。土方の手によって。

「これ、何」
「見りゃわかんだろ」
「いやわかんないんだけど…」

開けてみろという意味なのか、土方がクイッと顎を上げた。
意味も分からぬまま封筒を覗くと、数枚のお札が入っている。

「…俺、カラダは売らないよ」
「誰が買うか!そりゃ近藤さんからだ」
「…いや、ゴリラにも売ってないけど」
「売春から離れろ」
「じゃぁ、何」
「こないだ…一応、世話になったろ、一応な、一応」
「一応が多い」
「うるせぇ野郎だな」

ふぅーん。
律儀なこって。まぁありがたく貰うけど。

「邪魔したな」

そう言って背を向けた土方を引き止めたのは、ただの気まぐれだった。
「…あのさ、ちょっと茶でも飲んで行かねぇ?」
「は?」

元来寂しがり屋の銀時である。
ED疑惑で落ち込んでいた気持ちを何かで紛らわしたかった。ただ、それだけ。
例えそれが犬猿の仲と言える土方でも、例えいつものように喧嘩するだけでも何かしら気分を変えることができるのなら、そう思っただけだった。

まさかこの判断が全く予期せぬ方向に進んでしまうとは…

銀時のED疑惑を知らない土方と、土方に起こっていた朝の事件を知らぬ銀時には、無論予期する事などできるはずもなかった。

 

「やっ、あ…っ、ひじか、た…んんぁっ」
「はっ、テメェ…感度、よすぎん、だろ…っ」
「…しらね、ぇっ…」

何でこうなった!?

熱くなっていくカラダと裏腹に、脳の一部がクリアになっていく。
が、その頃には既に二人とも真っ裸。
布団の上でくんずほぐれず。

アダルトタイムに突入していた。

「オラ、きもちいいんだろ、ココとか、よ…っ」
「お前、あっ、はぁっ、そ、こ…やぁっ…ンぁぁっ」

 

茶を飲んでいただけだった。
お互い、無言で。

自分から誘っておきながら流石に気まずさを感じた銀時が口火を切る。
よりにもよって、アノ事を。

男同士だからと気が緩んだのだろうが、その相手は土方だ。
冷静に考えれば、弱みを自ら暴露するなど後の関係が不利になってしまうだけ。
いつもの銀時ならば絶対にそんなミスはおかさないのだが――

「俺、EDかも」

この時の銀時は“いつも”と違っていたのだから、仕方がないのかもしれない。
だが、ポロッと出た言葉に一番驚いたのは銀時だった。
慌てて口を抑え、誤魔化さなくてはと瞳を揺らせながら土方を見やれば、何故か真剣な眼差を返されていた。

「勃起機能不全、か…」
「いや、あの…」
「…辛ぇよな。ムスコが思い通りにならねぇってのは」

はぁー…とため息をついて茶をすする。

再び銀時が驚く。
まさか土方からこのような労わりの言葉が出てくるとは思わなかった。

更に意外なことに、土方からも似たような悩みを打ち明けられ(無論、銀時に反応しかけたという部分は伏せられていたが)、奇妙な連帯感が生まれた。

この二人でなければ、それは何気ない男同士の会話に過ぎなかっただろう。
この二人だからこそ、不自然な、本来あり得ない状況であった。

だが、連帯感を得るにはこの二人は似すぎている。
互いの悩みを打ち明けたところで、よき相談相手になるはずなどなく、徐々に雲行きが怪しくなってきた。

「糖分の取りすぎで尿管詰まっちゃったんじゃねぇか!?」
「精液じゃなくてマヨネーズが出てくる仕様なんじゃねぇのぉ!?」

「「ンだと、この野郎!!」」

つかみ合い、殴り合い。
あっちへ吹っ飛ばされては、こっちへ吹っ飛ばされる。
そしてまたつかみ合う。

一進一退でメンチの切り合いが続く。

刀こそ飛び出さなかったものの、お互いハァハァと息を切らし負けてなるものかと言葉と力をぶつけ合った。

やがて、
「俺の方が機能不全で困ってますぅー」
「いや、俺の方が誤作動おこして困ってるっつーの」
どちらがどれほど困っているか、はっきり言って負けたもの勝ちのという不健康自慢をする新橋のオヤジのような言い争いに発展。
そんな二人に冷静なツッコミを入れてくれる従業員も部下もいない。
不毛な言い争いだけがいつまでも続いていった。

「おーし、じゃぁパンツ脱いで見せてみろよ。このふにゃチン」
「ざけんな、テメェが先に脱げ、このふにゃふにゃチン」
「なぁに?見せられぇわけぇ?恥ずかしいわけぇ?このふにゃふにゃふにゃチン」
「こういうのは言いだしっぺが先にするもんなんだよ!ンなことも知らねぇのか、このふにゃふにゃふにゃふにゃチン」

ニヤリ。銀時の口元が不敵に歪む。
「ざぁんねんでしたァ。俺は、ホラ。既にオットコ前にノーパンですっ」
「はぁ!?」
「ほれ、ほれほれほれ」

着流しをぺろりと捲り、前後に腰を揺らしながらふにゃふにゃふにゃふにゃチンを披露して見せた。
「な…っ、テメェ、この変態野郎!同居人に未成年の女がいるのにいつもそんな格好してやがるのか。しょっ引くぞ!」
「ンなわけねぇだろ!テメェさっきの話聞いてたかよ。AV観てたんだからノーパンに決まってんだろ!パンツ履いたままいる方が不自然だろうがァ!!この能無し警官!」

「ンだとぉっ!」
再びグイッと胸座を掴む。
その時、
「おわっ!」
しばらく言い争いが続きカラダの力を抜いていた銀時が、バランスを崩した。
そのままドサリと後ろのソファに倒れこむ。胸座を掴んでいた土方を道連れに、である。
「…っめぇ!痛ぇじゃねぇか!」
「ふざんけんな!銀さんの方が痛…」
「…?」

ピタリと止まった銀時の口と視線。
ゆるりと持ち上げた手で、土方のある部分を指差した。

ある部分、つまり、ふにゃふにゃふにゃチンと不名誉な名前を付けられたアレ。
しかし…今は…

「土方くぅ〜ん?」
「あァ!?」
「なんで、ソコ、膨らんでんの…デフォ…じゃぁねぇよな?」
「はぁ?…なッ!!」

視線を己の下半身に移せば、確かに間違いなく…勃起していた。
更に最悪なことに、
「なぁ、坂田君」
「なんですかァ〜、ギンギンチンコ君」
「テメェのソレも、何でギンギンチンコ君になってんだ…?」
「…ええええーーーっ!?」

先ほどまでふにゃ×4だった銀時のソレも、間違いなく、勃起していたのであった。

その事実に気づいてしまえば、次々と気づいていくカラダの変化。
鼓動が早くなっている。
カラダが熱くなっている。

何より…同じブツを持った、しかも犬猿の仲である目の前の男に、
(ど、どどどど、どうしよう。本格的に俺、壊れちゃった。鍛え上げられたカラダの線が超綺麗とか思っちゃってる俺何!)
(無駄に白くて綺麗な肌しやがって…ケツもぷりぷりしてそうじゃねぇか…って何考えてんだ俺!)

((も、もしかして、コイツに欲情してる!?))

そう、心ごと確かに、欲情していたのであった。

(いや、ナイナイナイ、これは、ナイ。流石の銀さんもコレはなぁい。スリッパに欲情するほうがマシじゃねぇか)
(…いや、なんだろう…確かにおかしいんだが…コイツ意外と…俺、今ならイケる気がしてきた…アリな気がしてきた…)

この微妙な感覚のズレが、そして偶然にも銀時の上に土方が倒れこんでいるというこの状況が更なる悲劇、いや、喜劇を生むこととなる。

 

「おい、土方…マジか。ってか、何で俺が下ァ!?」
「ギンギン土方君の方がでかいからだ。ホレ見ろ」

ぷるん
シャキーン!!

「な?」
「な?じゃねぇよ。理由になってねぇから!つか、大事なのはでかさだけじゃねぇ、テクニックだ」

いや銀さん、ツッコミの方向間違ってますよ。
もう既に、ヤる事前提での話しになってますよ。

新八がいたなら、そう正しいツッコミが入ったであろう。
だが如何せんこの場に彼はいないのだから、方向がずれていくのは仕方がない。

「テクニックだァ?そいつはまったく問題なしだ。フフン」
「いや、違う意味で問題アリアリだろ。よく考えて土方君。そして君もよく考えて、ギンギン土方君。お前、ソレ何処に挿れようとしているか分かってる?」
「…ケツだな。そのぷりぷりの尻の奥の」
「そう、ケツだよ。てか、ぷりぷりとか言うな!いいか、ケツはウンコを出すところだよ。一方通行だよ。お前がやろうとしてることは、交通違反だよ」
「緊急事態だ。警察車両なら問題ねぇ」
「職権乱用だろうがァ!その前に俺のケツが切れるわ!傷害罪だよコレぇ」
「犯人逮捕の為なら多少手荒でも仕方ねぇな」
「犯人と違う!俺のケツは慎ましやかにチョコレートのソフトクリームをうにょうにょさせてるだけだからァ!」
「ごちゃごちゃうるせぇ野郎だな。お互いこの状況でギンギンなんだから仕方ねぇだろ。黙って俺に犯されろ」
「いやぁぁぁぁ!!」

 

そして、先ほどのシーンである。

 

「オラ、きもちいいんだろ、ココとか、よ…っ」
「お前、あっ、はぁっ、そ、こ…やぁっ…ンぁぁっ」

マヨネーズを潤滑油にしてスムーズに抜き刺しされる土方のモノがいいトコロを確実に突き、
快楽に流された銀時の手が土方を強く抱きしめた。

ずちゅずちゅと響く水音に負けない嬌声を上げながら、
「土方ぁ…あ、あっ、ひじ、かた…っ」
まるで愛する人との繋がりを確かめるように、銀時は土方の名を呼び続ける。

そして、
「…ぎん、とき…っ」
いつの間にか名前で呼んでいる土方の声も熱に浮かされ掠れていた。

「ひじか、た…も、俺っ、んっぁ…」
「イき、そうか…?」
「ん…っ、ひぃぁっ」

器用にモノを扱きながら、銀時のイくタイミングにあわせ腰の動きを早める。
腰を更に未着させ、前立腺と最奥を短く早く突けば、巻きついた銀時の手が土方の背に爪を立てた。

「ああっ、イ、く…も、う、ぁあああっ、ひじかた…イ…くぅぅぅん…ッ」
大きく反らされた喉。枕に銀糸を激しく散らせながら、土方の掌にどろりとした白液を吐き出した。
ソレを最後まで搾り取るように根元からキツク扱きあげながら、銀時に少し遅れて、土方も絶頂へ向かう。

「ん、中、だめ…はぁっ、あ、うぁ…ッ」
その願い虚しく、土方の熱は銀時のカラダの中へと放出されたのだった。

びゅっ、びゅくっ
脈動にあわせて飛び散るソレは、再び前立腺を刺激する。
その刺激で、急速に快楽の階段を駆け上った銀時が、
「あ、やだ…なに、これまた、イく…んっっっ」
続けざまに二回目の欲を吐き出した。

 

「ふぅ〜…」
窓を開け、冷えた空気を取り込みながら、土方がタバコを吸う。
カラダが冷えていくと同時に冷静になっていく心。

(…朝のアレは、誤作動じゃなかったって事かよ…っつーか、)

 

一方、
「…穢されちゃった…」
土方に背を向け、カラダを丸める銀時も冷静な判断ができるようになっていた。

(EDじゃなかったけど…なかったけど…)

 

((…やっちまった…よりにもよってコイツと…))

だが、

((…悪く、ねぇ…))

 

AVで勃たなかった銀時の原因
銀時を思い浮かべたときに緩く反応した土方の原因

その本当の理由に二人が気づくのは、もう少しだけ先のお話―――

 

[END]
----------
細切れUPの挙句、完結まで時間がかかってしまってすみませんでした!
EDネタは書きたかったお話なので楽しかったです(*´∀`*)

読んでくださった皆様、ありがとうございました。

2013.1.12 エル


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