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SILVER SOUL
第65訓 BLにマニュアルなんてない -10- 完結※R18
※性的表現を含みます。高校生を含む18歳未満の方は、閲覧をご遠慮下さい。※





両膝を割って下半身に重心を置きつつ、口を近づける。
べろりと出した舌をうねらせながら亀頭を絡め取りパクリと含んだ。

 

俺、すごくね?
この捨て身の戦法どうよ。

その名も
お色気ムンムン銀さんのパクッとフェラまでしちゃうよ〜ハニートラップだぁいさくせぇ〜ん!

…すみません。じゅぼじゅぼしながら、後悔してます。
いやぁ、なんかノリで咥えちゃったんだよねぇ…
男のチンコをパクリ、じゅぼじゅぼ、なんてガチすぎんだろ。

でも今更止められねぇ。
俺は絶対負けたくねぇし、コイツにだけは。
俺のテクがコイツより下なんて、絶っ対ぇ嫌だ。

銀さん器用だからね。
初めてとは言え、コレも自信あっから。
ヤルときゃヤル男だから。

頭を過る後悔の念を追い出すように瞳をギュッと瞑って、
これはキャンディだと必死に自分を言い聞かせ、口内を唾液でいっぱいにする。

聴覚を刺激する為わざと水音を響かせて、更に男の支配欲をつつく。
「ずずずっ…ひりか、ら…の、じゅっ、おっひぃ…ん、んんっ」

ドクンッ
脈打ちながら成長を遂げる陰茎を強く舌で上下に摩りながら、喉奥で亀頭を潰し、
陰茎の成長を促すように深く浅く、その動きを徐々に早めていった。

カチャリと音がして、土方の手からベルトが離れる。

テメェだって十分快楽に弱いじゃねぇか。
そりゃそうだ。さっきまで何だかんだと俺に組み敷かれていたんだから。

 

シックスナインの体勢からチンコの拘束を解かれ、扱かれ、塞き止められていた精液の一部が流れ出す。
洩れそうになる声は喉奥に当てた土方のモノで押し込めた。

追い討ちをかけるかのように容赦なく侵入してくる指には、たまらず息が洩れ、
脊髄を駆け上がる電流の刺激で、口からモノを吐き出し快楽のまま熱く声をあげそうになる。
必死に堪えたところで、揺れる腰を制御することは出来なかった。

フェラでしかできない俺と
指とは言え、ケツとモノを同時に攻められる土方

分が、悪ぃ。

モノへの刺激を堪える経験は積んでいても、
ナカを抉られる刺激に堪える経験など皆無に近いわけで。

早いとこ主導権を握らなくては、こちらが先に…流されちまう。
何のために小芝居打って、淫らなセリフとフェラまでしたのか意味をなくすどころか、
逆にコレをネタに今後もからかわれること必至だ。

『男のモン咥えながら腰揺らして“あ〜んおっきぃ、ん〜おいひぃ”ってよ、なァ、万事屋ァ?』

とか言われてみ!言われてみ!
魂が折れちまうよ!銀さんのまっすぐな魂が折れちまうんだよぉ!

とにかく、手だ。この両手の拘束。
未だ若干の残っている俺への警戒を解きつつ、両腕の拘束も解かせなくては。

思い出せ。今まで抱いてきた数々の女…すみません、数々は嘘です。
少数…精鋭な女とのプレイを。

「―――ね、でもコレ解いて…手…」

男の心を揺さぶる、陥落したM女の痴態を。

「はぁっ、俺…抱かれんなら…抱きしめてぇよ。」
魅惑の銀さんハニートラップ。さァ来い、土方ァ!

「…万事屋…テメェはほんと、スイッチ入ったら別人だな。わかった、解いてやる。」

かかったぁぁぁ!

手首を軽く振ってしびれを取り、ウォームアップ。
そして最後にもうひと押し。

柔らかくモノへ手を添わせ、指で撫でる。
バレねぇように小さく欠伸をしてうるうる瞳を準備。
デフォの死んだ魚のような目も、今は最大の武器だ。

ゆっくりと振り向き、肩ごしに土方を見つめ、
更に目を細めて微笑を作った。

土方の瞳孔がくわっと開いたのを確認。

足の拘束解いてくれて
チンコの拘束解いてくれて
両手の拘束解いてくれて

「ありがとう、土方君…。」

俺の作ったハニートラップが完全に土方を捕らえた瞬間だった。





「っ、テメェ…っ」

喉仏が波打ち、ゴクリと唾液を飲み込んだ土方が息を吸った瞬間をついて上に跨る。
下克上に気づいた土方が足を閉じ、ナカへの侵入を警戒した。

…誰が今更手のかかる攻め手になんか回るかよ。
読みが甘いぜ、土方君。

攻め入るだけが攻撃じゃねぇ。
勝敗を決めるのは力だけじゃねぇ。

土方によって解れた後穴に亀頭を当て、大きく息を吸いながら一気に中へぶち込んだ。

「「くっ…」」

快楽を追いそうになるカラダを制御し、さっきまで己の両手を拘束していた帯を両手に広げる。
腰を浮かせ顔を出した陰茎に素早くぐるりと巻きつけ、左右に強く引いた。

「いっ…」

与えられた痛みに眉根を寄せながら閉じられた瞼。
すかさず両手を布団に縫い付けて、上半身へ覆いかぶさる。

快楽
痛み
重さ

今の土方を拘束するのはこれで十分だろう。

ここから先はスピード勝負。
反撃する暇なんか与えねぇ。

浮かした腰を帯の巻かれた陰茎まで挿入し、浅い抜き差しを繰り返した。
器用に背を反らせながらケツだけを揺らして、腹部には隙間ができないように注意しながら、
己のモノを、腹と腹の間で擦る。

理性を失わないよう前立腺への刺激は回避。
上に乗ってりゃ、それも自由自在だ。

下から突き上げる暇は与えねぇ。
だが、乱れた呼吸を整わせぬ為キスで塞ぐのは体制的に難しく、獣が気道を塞ぐように、反った喉にかぶりと噛み付いた。

 

「う゛っ…ぐ…そ…ッ」

 

一瞬、ほんの一瞬だった。
隙のできた俺にまたがり、俺の予測の裏をついて、万事屋は自らの体内に俺を招き入れたのだ。

びりっと脳に到達した甘い刺激の次に訪れたのは、陰茎を縛られた痛み。
パニックを起こした脳が、次の攻撃に対する判断を遅らせる。
覆いかぶさってきた胸部への重みを感じた時には、既に両腕が押さえ込まれていた。

ゆるゆると浅く抜き差しされるモノ。
だが、物足りない。
巻かれた帯が、深い挿入を阻む。
体内で蠢く精液も圧迫によって抑圧され、射精を促すことができない。

挿入しているのはこちらのモノの筈なのに焦らされ続け、堪らず腰を突き上げようと深く息を吸った瞬間、
がぶりっ
大きく口をあけた万事屋に、喉元を強く噛み付かれた。

息…が…思うように、でき、ねぇ…ッ

 

はぁっ…、ん…はぁ、はぁっ…

ハッ、ハッ…ぐ…ヒッぁ゛…

 

互いに声も上げられず、限られた呼吸の中で快楽を追い求める。

「はっ、あ…うぐっ」
「イ…ッ」

ぐちゅぐちゅと腹の間で蠢くモノの動きが、腰と連動して早まり、
絶頂が近づいて硬直し始めた万事屋が、一層強く喉に歯を立てた。

薄皮が突き破られる痛みと狭まる気道。
中途半端な快楽の中で視界が白く霞む。

犯しているのか犯されているのか混乱する脳が、興奮を呼び覚ました。
無意識に突き上げると益々強く噛まれ、拘束する腕が圧迫される。
全てが不自由な中で追い求める快楽の極み。

―――だが。

ぶるぶると小さな痙攣を繰り返す万事屋に湧いた感情は、
怒りでもなく、また勝敗への拘わりでもなかった。

脳裏に過る、昨晩の情事。

組み敷いた万事屋が己の下であげる嬌声。揺らめく腰。

ひじ、かたぁ…っ
イ、くッ…

脈動するモノから吐き出された精液に、酷く興奮した。
夢中で腰を打ち付け、もうやだっ、と身を捩る万事屋に落としたキスは、熱く濃厚でびりりと脳を刺激する。

 

ムカつく男の筈だった。
ただ流れで抱いた筈だった。
自分のテクを認めさせる行為の筈だった。

では、何故。
何故俺は…あんなに丁寧に、万事屋のカラダに負担をかけないよう、優しく抱いたんだ…?

まるで走馬灯のように浮かぶ夜の記憶のその先に、自分では気づかなかった心の奥底の答えがチラチラと見える。
この、想いは。
この、感情は。

…そうか…俺は…

 

「よ、ろ…っ…や」

最後の力を振り絞るかのように頭を起こし、喉元へ噛み付く万事屋の柔らかな銀糸に口を寄せる。
気道に確かな緩みを感じ大きく息を吸ってからもう一度、
「よろず、や…」
今度ははっきりと、コイツに呼びかけた。

眉間に深くシワを刻み、夢中で腰を動かし快楽を追う万事屋の男臭くも官能的な姿に、
一段と大きさを増す下半身の熱を感じながら、パクリと銀糸に噛み付き顔を上げさせる。

戸惑いに揺れる瞳を捕え、唇についた血を舐め取りながら己の唇を重ねた。

「ひじか、た…?」
「抱かれるなら、抱きしめてぇんだろ…腕…離せ…」
「ん、…いや、で…も…ッ」

「俺もテメェを…抱きしめてぇんだ、よ…」

 

筋肉のついた力強い腕が自然と絡み合い、互のカラダを引き寄せる。
深くなっていく口づけに夢中で舌を貪った。

万事屋の動きにタイミングをあわせて下から突き上げ、あっ、あっと響く甘声を口内に感じながら、
塞き止められたモノへの痛みを忘れたかのように何度も何度も揺さぶる。

万事屋が快楽に溺れれば溺れるほど湧き上がる悦びをはっきりと認識して、
「イけ、よ…」
双丘をガシリと掴んで引き寄せ、限界ギリギリまで突き立てた。

「ひぁっ、イ、く…っ」

腹部の間で潰されたモノがぶるっと震える。
生暖かい精液がびゅくびゅくと噴出して隙間から流れ落ちる。

くたりと全身を預け抱きついてくる万事屋を、己の熱が未だ体内を蠢き熱の引かぬカラダで強く強く抱きしめた。
満ち足りた思いを伝えるかのように。

もう、気づいちまった…。

俺が頑なにコイツに抱かれることを拒否したのは、男同士だったからじゃねぇ。
コイツを…抱きたかったんだ…。

「万事屋…帯、解いてくれ。」
「…」

俺は…テメェに…

「もっと、気持ちよく、させてやっから…」
「…」

惚れてんだよ…。

「万事屋…。」
「いいぜ。」

ずる…っ

「…は?っえ?」

絡めていた腕が離れ、上半身の重みから解放される。
同時に引き抜かれていくモノ。

上から見下ろす万事屋の口端が三日月に歪んで、細められた目がキラリと輝いた。

「え…おい、万事屋…?」

しゅるり…解かれていく拘束。
そのままゆるゆると手で扱かれ、
限界まで塞き止められていた精液が、どろりと流れ落ちる。

急速に高まる絶頂感。

「…んぁっ、く…っ」
びくんっ

あっけなく、掌の中で果てた…。

「おぉ…すげぇ。お前2回目でも結構出るのな。」
「…お、い…はぁっ…万事、屋…?」

戸惑う俺の気持ちを完全に置いてきぼりにしながら、傍にあったティッシュで掌、腹、モノと、綺麗に拭っていく。
勿論、俺は完全放置だ。

ふぁぁ〜疲れたぁ〜

ごろんと布団に倒れこみ、俺の存在を忘れたかのように大の字になる。
バチンと音を立て、万事屋の腕が体を直撃した。

…痛ぇんだけど。

「これで、タイな!」
「…は?」

何言ってんだ、コイツ。
てか、俺はお前に…。

「昨晩はまぁ、俺の負けでいいけどよ。今日は俺の圧勝じゃね?」
「え、え、え?」
「お互い中には出してねぇ。でも、俺はお前を2回イかせたしぃ。俺は自分でイったようなモンだしぃ?」
「いや、あの、え?」
「一勝一敗で、引き分けだな。まぁ、それで手を打ってやるよ土方くぅん。」

 

前言…つーか、前思考撤回。
やっぱコイツはムカつく。

ムカつく、ムカツクんだが、

落としてぇ。

このひょうひょうとした男を、マジにさせてぇ。

「おい、万事屋。」
「いやぁ〜やっぱ銀さんのドSテクは流石だね〜。俺すげーわ。」
「おい、万事屋。」
「ま、でもお前もモテるだけあってナカナカな。チンコでけぇし。銀さんヒヤヒヤしちゃったわ。」
「お、い、よ、ろ、ず、や!」
「野郎同士っつー黒歴史だけどよ、ま、人生何事も経験っつーことで。引き分けで終わってヨシとしようや〜。」

ガバッ
「うわっ!」
「よーろーずーやぁぁぁ」
「な、なんだよ!乗っかってくんなよ!重てぇって!!熱ちぃし!ベタベタすんし!ってか、テメェ腹拭けよ。銀さんの子供達がねちょねちょして気持ち悪ぃっつの!!」

「一週間だ。」
「は?」
「一週間、時間をくれ。」

 

え?はぁ?
瞳孔かっぴらいて、何言ってんの土方君。
てかなんでチンコまだ勃ってんだよ。
どんだけ利かん坊搭載してんだよテメェ。

「来週の水曜日だ」
「何が。」
「俺の休み。」

…あ、そう。

「…で?」
「こないだのラブホに8時な。」

…はあ?

「次こそ、テメェのケツにぶちまけて“あーんもう一回、土方ぁ”って言わせてやるよ。」
「は?次?何言ってんのお前。」
てか、キャラ変わってんぞ土方君!

「勝負に引き分けなんざねぇんだよ。男なら、勝つか負けるかの二択だろ。負けねぇけど。」
「はぁぁぁぁ!?何言ってんの?お前真剣勝負で俺に負けてんじゃねぇか。」
「負けてねぇ!喧嘩は気持ちで負けなきゃ、負けじゃねぇ。」

いやいやいやいやいや、何言ってんの!バカなの、この子馬鹿なの?

「そもそも。俺は昨晩、何回もテメェの中にぶち込んでんだよ。悪ぃがテメェの判定負けだ。」
「はぁぁぁぁ!?」

何コイツ、超ムカつくんだけど!!
いやでも確かに…掻き出しても掻き出してもだらっだら出てきたけどよ。

え、なに?マジで今俺の方が分が悪ぃの?

「俺に勝ったなんてセリフは、俺の中に“最低でも”3回はぶちまけてから言って欲しいよね、坂田くん。」

かちーん!!
上等じゃねぇか、コノヤロー!!
「その勝負受けてやろうじゃねぇの。俺のバベル突っ込んで腹ん中たっぷたぷにしてやるよ、土方君。」
「やれるモンならヤってみやがれ、フェラがお上手な坂田くん。」
「てめぇこそ、あとで吠え面かくんじゃねぇぞ、バイブ大好き土方くん。」

がっ
汗でヌメる掌同士が力の均衡を保ったまま重なり合う。
ぶるぶると筋肉が震えて悲鳴を上げても、絶対に引かない。負けたくねぇ。
コイツにだけは。
なんでかわからねぇが、コイツに負ける事だけは俺の…俺の…何かが許さない。

なんかこう、モヤっとする気持ち悪ぃモンが…許さないのだ。

「勝負は来週水曜日。8時にホテルのロビーだ。逃げんなよ。」
「テメェこそなァ!」

売り言葉に買い言葉を長々と言い合っている間にテキパキと身支度を整えた土方が、
「じゃ、またなァ!!」
と、妙にフレンドリーな捨て台詞を吐いて玄関を出て行った。

何が“またなァ!!”だ。
次会う時が、テメェのチンコの終わりだっつーの。
あんあんっ、よろずやぁっ、もっとぉ、いくいくぅって言わせやるっつーの!

テメェが『負けました!坂田様!』って言うまでヤッてやっからなぁぁぁっ!!



……

………

ん…あれ?ちょっと待てよ。
なんか、おかしくね?

俺ら…またヤんの…?

お互い『勝った』って思えるまで…ヤんの…?

え、え?
負けず嫌いな俺らに…それって…終わりなんて…くんの…?

部屋に残されたおもちゃの数々と行為の残骸を眺めながら、絶望的な気分になった。

 

すみません、誰か、俺達に…

健全な
B(ボーイズ)L(ライフ)を送るための
マニュアル下さい。

 

[END]
--------
終わったぁ〜っヽ(*´∀`)ノ
な、なんとか纏められた…と思いたい!!

思いのほか長くなってしまったお話でしたが、楽しんでいただけら嬉しいです。゚(゚´Д`゚)゚。
当初の目的が達成できたかと言えば、まだまだ未熟なところ、口調を態と崩したところへの説明不足など多々多々あるとは思いますが、ラストを考えずに走り出した割には、きちんと落とせたのかなと…思いたい…。

途中リバったりして、ご覧いただきにくい作品だったとは思いますが、
読んでくださった方、本当にありがとうございました。

こちらの作品が、2012年最後の更新となります。
来年からはもっともっと「上」を目指して頑張っていきますので、
お時間のあるときに遊びに来ていただけたら、とってもとっても嬉しいです。

皆様、良いおトシをお迎え下さい(^▽^)

2012.12.31 エル


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