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SILVER SOUL
第54訓 BLにマニュアルなんてない -6-(銀土)※R18
※性的表現を含みます。高校生を含む18歳未満の方は、閲覧をご遠慮下さい。※





あー…暇だぁ。
一応、念の為、万が一の事を考えて神楽達を志村邸へ行かせたものの、
来るはずも無い人物を形だけでも待っているというのは、なんて無駄な時間だろう。

TVを見ててもなんか落ちつかねぇ。
風呂も入っちまったしなぁ。(いや、準備とかじゃないからねコレ)

「うん、よし。寝よう!!」
そうしよう。寝てしまえば、目が覚めたときは朝だ。
あーたーらしい朝が来た♪だ。

無駄な時間が、睡眠時間として有意義に使われるなんて素晴らしいじゃないか。

TVを消し、ヨイショとソファから立ち上がって和室へと足を向ける。
一度寝ると決めたら心晴れやか。
意気揚々と襖に手をかけた―――その時、地獄行きの発車ベルが無常にも鼓膜を震わせたのだった。

 

「よ、よお…。」
「…ハァ。」

お前、何で来たの。
バカですか。バカーンですか。

顔を引きつらせたマヨラーが、玄関で仁王立ち。
手になにやら買い物袋を提げているところを見ると、ご丁寧に甘味のお土産付らしい。

ほんとバカだ、コイツ。

とは言え、追い返すわけにも行かず、溜息をついてからクルリと体を反転させ、
首だけ振り返って「上がれば」と声を掛けた。

「お、おう。邪魔するぞ。」

“邪魔だよ”と言ってやりたい、心から。
お前さえ来なければ、俺は今頃布団の中で美人ナースのケツを叩く妄想をしながら、
夢の国へ旅立つ事ができたのに。

お前のせいで台無しだ。
ナースじゃなくて、お前のケツ叩く破目になるんだぞ。
わかってんのか、コノヤロー。

ずんずんと居間へ向かいソファへ腰掛ける。
後ろから着いて来た土方は、少し戸惑いながら向かいのソファに腰掛けようとしていた。

「脱げ。」
「んぁ?」

不意の言葉に、中腰のまま土方が目を見開く。

こうなったら躊躇した方が負けだ。
俺は優雅に足を組み、先手必勝と土方へ命令した。

「脱げよ。」
「お前、何言って…。」
「帯自分で解いて、着流しをゆっくり肩からずらせ。」
「え?は?」
「視線を背けるな。手で隠したりも駄目だ。俺の目見ながら、脱げよ。」
「ふざけ―――」
「できねぇ?」
「く…っ。」
「たかだか男の前で服脱ぐのが恥ずかしいんだ…何、もうエロい妄想しちゃってる?」
「そ、そんな事は…。」
「顔赤いけど?ふぅーん…スケベなんだね。副長さん。」

普段、誰かに命令をする立場のヤツほど、命令されることに慣れていない。
プライドが刺激されるほど、それは羞恥に変わり、非現実的な世界へ自ら足を踏み入れていく。

一度はまったら抜け出せない、Mへの扉。
Sはそれとなく誘導さえしてやればいい。

「万事屋、テメェいい加減に―――。」
「いいよ。別に止めても。恥ずかしくて脱げません、俺の負けですって土下座したら許してやるよ。」
「っ…誰が…!」
「帯、解けつってんの。やれよ。」
「…くそっ。」

買い物袋をバサリとソファへ落とし、その手が帯の結び目へと回る。
しゅるりと音を立てて滑り落ちる細い帯。
着流しの合わせがゆっくりと崩れ現れた胸板と腹筋。
形の良い細長な臍。

唇を噛み締め羞恥に頬を染めながらも、真っ直ぐに向けてくるキツイ視線。
まるで女王様を手篭めにするような感覚が、体を痺れさせた。

ゴクリ。
嘘だろ。
性的な興奮を覚えた脳が、瞳孔を開かせ、脈を早め、ゆるりと立ち上がる下半身のモノ。

それを確かに感じながら、あくまで平静を保ちつつ、
俺は次の命令を口にした。

「下着も、だ。全部抜いだらソファの上に乗って足を開いて座れ。」

男の股間なんて見たくも無いはずが、気が付いたときにはバッチリ視姦できる体勢を指示していたのだった。
 

 

コイツ…。
来て早々何を言い出すかと思えば、ソファへどっかり座ったまま“脱げ”と命令して来た。

冗談じゃねぇ、男に視姦される趣味はねぇよ、そう言いたかったが、
“できねぇ?”
“恥ずかしいんだ?”
と、言われ、プライドが揺さぶられた。

男の前で脱ぐくらい、何てことは無い。
こちとら男所帯だ。
万事屋を睨みつけたまま帯へと手を伸ばし、着物を脱いでいく。

その姿を真っ直ぐに見つめられ、羞恥とプライドを揺さぶる言葉を投げかけられるうち、
徐々にコイツの術中にはまりかけている事に気づいた。

そうだ。コイツは生粋のドS。
しかも心理戦には慣れた策略家だ。

総悟のような悪戯の延長とはワケが違う。
百戦錬磨の白夜叉。夜のプレイも手馴れたものなのだろう。
普段バカばかりやっているコイツが本気を出した時の凄さは、俺もよく知るところだ。

が、このまま流されてやるつもりはねぇ。
何処で攻守交替するのが一番効果的か。

流されてる振りをしつつ、しかもそれ気づかせず、下克上のポイントを探るしかねぇ。
さぁ、かかってきやがれ白夜叉殿。

返り討ちにしてくれる。

 

「下着も、だ。全部抜いだらソファの上に乗って足を開いて座れ。」

 

え。

え。

ええええええええ!?

ちょっと待て、下着はともかく、その後、その後!!
ソファの上でM字開脚しろってか!!

無理無理無理無理無理無理。

そんなの無理に決まってんだろーがァ!
お前どんだけドSなんだよ。
俺Mじゃないからね。
お前に抱かれたくてここに来た飢えたMじゃないからね。

つかお前、俺が股おっぴろげた所見てぇのかよ。
お前と同じモンしか付いてねぇぞ?
魅惑の濡れた花園とかないからね。

言い出したはいいが、後悔してんだろ?
撤回しろ。
ごめん、土方やっぱ無しって言えこの野郎!!

「早くしろ。足限界まで開けよ。」

ちがーーーーう!!

お前何ちょっと興奮してんだよ。
瞳孔開いてんぞ。それ俺の専売特許だからね。
バカか、お前バカか。
性欲が天パになってんぞ!

こうなったら、M字開脚の前に下克上だ。
パンツを脱いでソファの上に仁王立ち。
余裕ブチかましていられんのも今のうちだぜ、万事屋ァ!!

座ると見せかけて、買い物袋に手を伸ばし、そのまま反動をつけてソファを蹴る。
「万事屋ァ、覚悟ぉぉぉぉ!!」
「うわっ!ぐふっ…。」
一気にテーブルを飛び越え、万事屋の上に着地と同時に膝でボディへ一発かましてやった。

「げほっ、ごほっ…。」

ふふん。ざまーみやがれ。
俺が大人しくM字開脚なんてサービス(サービスか?)をしてやると思うかァ!!
形勢逆転だな、覚悟しろ。

「けほっ…くくくくくっ…。」

…笑ってる?
なんだ?腹蹴られて頭パーになったか?天パだけに!

「土方君、積極的ぃ〜。」
「は?」
「自ら飛び込んできて座位とはねぇ?何、そんなに俺に掘られてぇんだ。」
「へ?は?」

し、しししししまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
万事屋に跨って座っちゃってるよ俺ぇ!!
座位以外の何物でもねぇじゃねーか!!

「土方がこんな積極的なら、俺も覚悟決めるからな。」
これ、不慮の事故!俺、覚悟無し!!
「俺のテク…存分に味わえ…。」
「ちょ、待っ…うっ…。」

この、馬鹿力っ…。
あっけにとられてる隙をついて、両手を後ろに回されて片手で抑えられながらギュッと腰を引き寄せられた。
片手の癖にすげぇ力でがっちりホールドされた俺は、身動きがとれない。

後頭部に回した手で頭を引き寄せ、いきなりの深いキス。
噛み付くようなキスなんてもんじゃない。
本当に下唇へ噛み付いて、痛みの抗議をしようとしたらヌルリと舌が侵入してきた。

ビリビリと痛む唇。噛まれた下唇の傷が痛い。
態と傷口を抉るように舌が動き回り、歯で防御することも出来なかった。

「ん…はっ…よろず、や…待て、て…っ。」
「待たねぇ…。」
「やめ…っ、…っ。」
「抵抗される方が…俺は…っ、燃える…。」

このドS!!
結局抵抗しようがしまいが、結果は同じだろうがァ!

逃げようとすればするほど、指が食い込んでくる。
手首動脈を圧迫され、力が入らない。
こいつ、手馴れてやがる…っ。

思い出せ、思い出せ。
この体勢から逆転して組み敷く側になるには、どうしたらいい。

って、思い出せるわけねぇ!!
女とヤってる時、こんな体勢にならねぇし!経験ねぇよ!!

せめて布団の上ならこのまま押し倒す事が出来るが、ソファの背もたれが邪魔してそれも叶わない。

「畜生っ…ヒっ…」
口腔内から出て行った舌が首筋を通り、ガブリと鎖骨を噛まれ思わずビクリと反応したタイミングで、さっきまで頭を抑えていた手が尻に…
「いっ…」
いきなり侵入してきた…。

「痛ぇっ…このバカっ…」
「じゃぁ力抜けよ。」
「ふざけ…っ、できるわ、け、ねぇ…。」
「ふーん?」

ずぷっ

「ひぃっ…」

みちみちと筋肉を割って指が強引に入って来る…。
挿入された指は、ぐにぐにと蠢いて腸壁を押したり、引っ掻いたりしながら、
更に奥へ奥へ…。

「止め…切れるっ、いっ、あ゛…っ。」
「土方君のそういう顔、ゾクゾクする…すげぇS心揺さぶるぜ?」
「テメ…っ、サイテー…っ、だ…!」
「えー…?でもさ土方…ちゃんと反応してるじゃん。」

え…
嘘、だろ…

完勃ちとは言えないが、確かにゆるりと勃起しているモノ。
つか、さっきからコイツのも服を通してケツにゴリゴリとあたってるんだけど。

「ところでさ、土方君。」
「うぐっ…ぃ゛…っ」
「それ、何?」

顎をクイッと動かし“それ”と言われた方向へ視線を移すと、買い物袋が目に入った。

…ヤバイ…それ、は…。

「マヨネーズとか入ってるなら、ケツから食わせてあげようか?」
「入って…ね、…っ、ぐ…」

だから、開けるな。
それは俺がお前に…使ってやろうと…。
ンなもん使われたら…今以上に…屈辱…っ

「あ〜やしぃ〜。」
「ひぁっ!!」

体内を蠢いていた指が勢いよく抜かれ、強制的に排泄を促されたような刺激で全身が震えた。
息が、上がる…。
解放されたという安堵で息を整えていたら、万事屋の手がガサリと袋を漁り始めたのが見え、
ジタバタと足を動かしてなんとか阻止しようとするも、俺の様子をみた万事屋をニヤリとさせただけだった。

ガサガサッ

「止めろ、万事屋っ!!」
「だからさ、止めろって言われたら燃えるっつたじゃん。…へぇ…。」
「チッ…。」
「お前これ、自分で買ったんだよなァ?…真選組副長が―――。」

その袋に入っているのは、俺がコイツに使うために買った筈の…。

「―――バイブ、ねぇ。」
「くっ…そ…っ。」

所謂、アダルトグッズの数々だ―――。

 

[続く]
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すみません!リバりました!しかも続きます!!
一応わたし的には回避をしようと頑張ったんですが、副長が、副長が、自ら墓穴掘ってくんです!
君、そんなんだからいじられキャラなんだよ。゚(゚´Д`゚)゚。

いやでもさ…土方受けのRモノって…私には難易度高いですワ…
何度も現実逃避しましたワ…。

なので、明日は高銀の方執筆します!!銀受け〜(*´∀`*)

2012.12.6 エル


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