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SILVER SOUL
第47訓 BLにマニュアルなんてない -4- ※R15
※R15指定※




思い…出した…

土方に足を払われ、そのまま上に圧し掛かられるというこの無様な態勢になった瞬間
昨晩の記憶が走馬灯…いや、フラッシュバックしてきて…

殆ど泥酔状態だった俺達。確か、過去の女自慢みたいな話になって、俺はキスが上手いとか、
俺のは立派だとか、一晩で何回イかせたとか、まぁよくある男同士の会話から
何故か“じゃぁ試してみるか”“上等だコラ!”そんな流れになってしまった。

近場のホテルに雪崩れ込み、喧嘩しながらパッパと服を脱ぎ捨てつつベッドへ向かう…
足が縺れた俺の上に土方が圧し掛かって来た。

…そう、今みたいに。

人の温もりなんて久しぶりだった…酒の勢いもあってか、妙に欲情しちまったのを覚えてる。
無意識に土方の首へ腕を回して引き寄せた。
土方の腕も自然に俺を抱きしめて…そして、キス…。

…上手かった…舌絡められて、甘噛みされて、口腔内を余すところなく刺激されて。
離れていった唇に寂しさを感じてしまうくらい。

完全にスイッチが入った俺のカラダは、自慢じゃないけど結構敏感だから
喉元に噛みつかれた時に漏れる声を抑えることができなくて…。

理性なんてぶっ飛んだ。

剣ダコのあるゴツイ手が、全身を撫でる。
肉厚な舌が耳をぐりんと犯して、重なる下半身同士が熱く滾って互いを刺激しあった。

土方の愛撫はなんつーか…やたらと丁寧というか…。
俺はSだからわざと荒っぽくするんだけど、まったく真逆で。

た、ぶん…男同士なら土方のやり方が正解だったんだろう。
なんかすんなりと…受ける側を受け入れちまった…。

酔っ払ってホテルへ雪崩れ込んだ男同士。
普通なら己の性欲だけをぶちまけりゃ済むだけの話だ。
いくらそれまでの話の流れが“どちらが上手いか”なんて内容だったとしても。

いざ、下半身の欲に呑まれてしまえば、男なんて得手勝手な野獣だろ。
相手に愛情も無い、まして、柔らかな女でもない。

力任せに組み敷かれ、俺を犯そうとしたのなら
俺はいくらでも、こいつを跳ね除ける術があった…。

でも、そうしなかったのは…欲に塗れた目をしながらも…土方が…
「痛くねぇか」
「気持ちいいか」
「大丈夫か」

有り得ねぇくらい、俺を気遣って…
「うるせぇ、さっさとヤレや。」
なんて粋がる俺に、なんか、一生懸命…だったんだよ。

そんなことされたら、いくら男で、喧嘩ばかりの相手でも、よ…
絆されちまうっつーか、なんつーの、麻痺っつーか?なんかよ…
惚れ合ってるみてぇな?そんな勘違い…しちまうじゃん。
酔ってんだし…。

なんつってもよー…すげぇ、気持ちよかったんだよ。

いざ挿入ってなったときも、部屋の自販機でローション買って
自分の手で温めてから、たっぷり塗りつけて…
その間も、ずっとずっと俺のモノ扱きながら…少しずつ少しずつ慣らしてくんだよ。

指が1本2本と増えて、流石にちょっと違和感で気持ち悪いかなって思ったとき、
土方の指が…俺の前立腺にあたって、ビクンでカラダが跳ねると同時に

……………
「あんっ」
…とか…ねぇ…?

そうなっちまうとさ、もう、抑えられるモンじゃねぇんだな。

吐息やら喘ぎやら悲鳴やら…なんかもう、ワケわかんねーの。
自分の声にさえ興奮しちまうようになってた。

「悪ぃ…もう、挿れんぞ…」

かすれた声が耳元で聞こえて。
うん、って頷いた途端に入ってきたモノ。

自慢するだけあって、でかかった…と、思う。

痛ぇつったら、動き止めて、ローション追加されて、
ほんとにゆっくりゆっくり入ってきた。

やっぱそれでも痛ぇんだけど、嫌じゃなかった。
誰かと繋がる感覚は…嫌いじゃねぇから。

挿れられて繋がったのは、はじめてだったけど。

なんつーのかな。女ってこんな感じなのかな。
挿れるより、挿れられる方が…
ああ、繋がってんなって、より強く感じんのな。

そう思ったらさ、痛みより…もっともっとって気持ちの方が強くなった。

そっからは無我夢中で求めて、
土方もそうだったみてぇで。

なんども、なんども…
意識がぶっつり途切れるまで
ずっとずっと、繋がってた…。

 

 

「おい、万事屋。」

コイツ大丈夫か?
焦点あわねぇまま、ずっとぼーっとしてっけど…

ペチペチ
「万事屋!」
軽く頬を叩いて意識を呼び戻す。

ゆっくりと合っていく焦点。
「万事屋、おい、大丈夫か…」
倒れたときに頭でも打ったのかと、別の心配が頭を過ぎる。
まぁそんくらいでどうなるタマでもねぇだろうが、記憶喪失になった事もあるしな。

「ひじ、かた…」
「万事屋…お前、どうした?」
「…お前、えろい。」
「…はぁ!?」

なんだコイツ!!開口一番に言うセリフがそれってどうよ!?
心配して損した。

つーか。
「えろいのは、テメェだろーが!」
「はぁ!?言っとくけど、俺全部思い出したかんね!夜の事!!」
「うぐっ…俺だって思いだしたっつーの!!」
「ったくよー。ねちっこいんだよ、テメェの前戯!!」
「気持ち良さそうにアンアン言ってたヤツが、何言ってんだ!!」
「う…て、テメェだって“我慢できねぇ”とかって突っ込んで来たくせに!!」
「ぐ…い、いや、我慢できねぇとは言ってねぇ!“挿れるぞ”って予告したんだろうが!しおらしく“うん”とか頷いたのは何処のどいつだよ!!」
「はぅっ…」

お、珍しい。言い争いで万事屋が黙った!!
ちょっとした優越感だなこりゃ。

「…こ…い…」
「は?恋ぃぃぃ!?」
「ちっげーよバカ!!」

「今夜もう一回つったんだよ。」

はぁぁぁぁぁぁ!?
な、ななななな何言ってんだコイツ!!!
あんなの酒の勢いじゃねぇか。

そ、そりゃまぁ…アレだったけどよ…。
でも、間違いも2回冒せば、なんかもうそれって後で誤魔化しきかなくなんだろうが!!

「…勘違いすんな。今度は俺に挿れさせろ。」

は?

「俺だけ掘られたんじゃ、フェアじゃねぇ。だいたい、俺のテク自慢、全然できてねぇじゃねーか!!」
「バカかテメェは。俺の方が上手かったから、お前大人しく掘られたんだろうが!!」
「はぁ?何言っちゃってんの?俺が圧し掛かる方になってたら、お前今頃銀さんにメロメロよ?」
「誰がテメェにメロメロになっか!!」
「やってみなきゃわかんねーだろーがぁ!!それとも何?土方君怖いの?」
「ああん?」
「銀さんのテクに“あんあん”するのが怖いんだ?」
「んなワケねーだろ。テメェのテクじゃ、勃ちもしねぇな。」
「じゃぁ試してみようぜ。」
「上等だ!!」

…あれ?流れ、おかしくね?

「よし。じゃぁ、夜10時に万事屋来い。子供等留守にさせとくからよ。」

…コイツ、さり気にホテル代ケチるつもりだ…。

「今度は俺がテメェを骨抜きにしてやんよ。絶対ぇ逃げんなよ!!」
「誰が逃げるか!!」
いや、そこ逃げていいだろ、俺!!

「よし、決まりな。」
「上等だ!!」

全然上等じゃねぇ!!でも、今更引けねぇ!!

つーか俺、掘られんの嫌なんだけどぉぉぉぉぉぉぉ!!

するりと俺の下から抜け出した万事屋が、ニヤリと口元を歪ませた。
駄目だ、今更“やっぱ止めよう”とか…言えねぇ…

どーすんだ、どーすんだ俺ぇぇぇ!!

「待ってっからな。あ、そうそう。コレは返しとく。」

ちゃりりーん…

「今夜はそれでお前を買ってやんよ。じゃな!!」

床に転がる200円…
ふざけんな、俺が200円って…いやいやそういうことではなく!!

文句を言おうとしたら、既に万事屋の姿はなかった。
こうなったら、何が何でも…もう一度俺が上になるしかねぇ。

掘られるくらいなら、掘ってやる!!
絶対ぇ負けねぇからな!!

覚悟しとけよ、万事屋ぁぁぁぁ!!!!

 

[続く]
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またまた随分間があいてしまってすみません!
自分でも話の流れ忘れてました…
矛盾あったらどうしよう…。

と、とりあえず…土方&銀時らしく喧嘩越しでの2回戦約束をさせてみましたvvv
さて、銀土になるのか、はたまた土銀におさまるのか。
銀土銀?土銀土?

土銀の流れに上手く持っていきたいとは思うけど、どうなるかはわかりません、私にも♪

2012.11.19 エル



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