ショコラ・オン・ストロベリー(+10)
ドアをノックしても返事がなかったので、まさかと思いつつゆっくり部屋に入ると案の定、彼はソファで寝ていた。
わたしでは十分だろうが、彼では狭そうに足を縮めている。せいたかのっぽめ。あれでもボンゴレのなかだと低めとかサギだよね。何がって、何だろ。
ソファの向かいにあるテーブルには書類が散乱している。どうやら仕事をしつつ眠ってしまったらしい。イタリアなのに、ほとんどゆとりもなく働き通しだから仕方ないだろう。
そうっと彼に近付く。足音なんてたてたら、気配に敏感な彼だとすぐに起きてしまう。
つんつんの茶色い髪をこれまたそうっと触れてみる。ふわふわだ。
そのまますぅっと頬に指をすべらせる。すべすべの肌に少し嫉妬心がわく。(特に手入れをしていないっていうのになんだこの肌!)そしてそのまま口もとへ。
唇はこれまた美しい色をしている。その薄い桃色にそっと触れてみると少しだけ乾燥していた。
ゆっくりとなぞって、真ん中あたりにくると不意に唇が動いた。
「してほしいの?」
びくりとわたしの手が震えた一瞬に彼はわたしの手を掴んだ。
「寝込みを襲うなんていけないな、なまえ」
「お、襲ってません、」
思わず敬語になってしまった。彼はにっこりと笑う。
「、いつから」
「触られると起きるよね」
その即答ぶりにわたしは申し訳なくなった。
「え、と、ごめんなさい」
しどろもどろに、わたしは自分がしていたことに恥ずかしくなった。
彼はにこりと笑う。
「なまえからしてくれると、オレは嬉しいけどね?」
ほら、とまるで何をしても許されるような笑顔をしている。――彼はわたしがその顔に弱いことを知っているのだ。
ほんの一瞬のみの躊躇で、わたしは欲望のままに彼に近付いた。
ショコラ・オン・ストロベリー
(くすくす…かわいいなぁ)
あとになってやはり羞恥が襲ってきたのは言うまでもない。
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かいてるこっちが恥ずかしかったです。でもあげてやる…!
20100131
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