acquiesce 7
「やあ、久しぶりだね、れんげちゃん」
その声が聞こえた瞬間、あたしは背後にクナイを投げつけた。
「ははは。歓迎してくれて嬉しいよ」
あたしは眉間に怒りを込めながら後ろを向いた。クナイを投げつけられて歓迎してくれる、とは神経がだいぶずれている。
あたしが投げたクナイは遠くの木に刺さっていた。
「よくここが分かったわね、カブト」
腰から草薙の剣を抜きながら、カブトを睨みつけた。あいつを五分以上見つめていたくない。
「ああ、れんげちゃんの居場所ならすぐ分かるよ」
そう。あたしは別に関心もなく答えた。じゃあ、さよならね。
すこし微笑んでからあたしは奴に突進していった。刀を下から上へすりあげる。しかし奴はそれを予期していたかのように紙一重でかわし、あたしの背後に回りこんだ。
あたしは後ろに振り向きざまもう一度刀を振り下ろし、だが奴はまた後ろに飛んで避け、あたしは印を組んだ。
「そう熱くなるなよ」
あたしは無言のまま印を組み終わり、すう、と息を吸い込んだとき、なにやってる、と声がした。
かまわず息を吐き出そうとすると、ぱしりと手をつかまれた。
「なにやってるんだ?」
「放して。こいつ殺すんだから」
サスケはまだ何かやろうとするあたしの手をぐいと引っ張り、いいかげんにしろ、と言った。
「はあ?別にサスケには関係ないでしょ?」
やっとあいつを殺せると思えばサスケが止めるなんて。せっかくの機会を逃したくはないのに。
「あいつはカブトじゃない。水月、もういいだろう」
サスケがそういうと、カブトはぼんと煙をたてて水月になった。なぜか、彼は腹を抱えている。
「くくく…。まさかれんげがあそこまできれいに引っかかるなんて――っくくっ」
あたしはサスケの手を振り払い、刀を投げつけた。残念だが水月も忍、彼は笑いながらもあっけなく避けて今度は地面に転がり込んだ。
「ちっ…」
今度は瞬身で水月に近づき、彼の胸倉を持ち上げて顔を近づける。
「今度やったら本当に殺すから」
ありったけの殺気を詰め込んで水月の目を睨み、投げつける感じで手をはなしてサスケのもとに行った。
「そういえば香燐と重吾はどこ行ったんだっけ」
「向こうにいる」
「れんげが迷子になったから迎えに来たんだよ」
もう調子を取り戻したらしい水月があたしの隣に立って飄々と言う。まるでさっきのことはなかったようだ。
あたしはそんな水月を一瞥し、水月と反対側のサスケの隣に立ち、早く行こ、と歩き出した。
「だいたい…なんで水月なのか…サスケだけでいいって」
「れんげってからかいがいがあるからなあ」
「うるさい。さっきちょっとびびってたくせに」
「あれね…まぁ少しは驚いたかな、サスケほどではないけど」
一発おみまいしてやろうと手を腰に持っていくと、刀をつかむはずが空をつかんだ。
「あれ、刀がない」
「ほら」
サスケはわずかに溜息をつきながら刀をあたしに差し出していた。
「…どうも」
あたしたちは再び歩き出した。
いつか絶対水月に仕返ししてやる、と思いながら。
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なんか…まとまりがないですよね(汗
一万ヒットお礼夢、どうしようか悩み中です…
20070303
(あ、今日は卒業式でした、大学早く行きたい!)
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